【 The experts choice 】フォトキナでのライカ新商品発表の際、スクリーンに『LEICA D-LUX (Typ109)』の副題としてこの言葉が付けられた。スマートなボディにフォーサーズ規格の大型センサー、高精細なEVF、4K動画撮影機能を搭載した本機は、まさにライカのプレミアムコンパクトにふさわしい一台である。絞り環とピントリングを使う操作系など、よりアナログ感が増してカメラらしい仕様となった本機。描写力も含め、いかに進化を遂げたのか早速試写へ出かけるとしよう。
教会の壁を伝う葉の一枚一枚もしっかりと描写をしている。しかしシャープネス・コントラストは高すぎるという印象は無く、現代のライカらしい味付けがされた描写傾向だ。
上記3枚の写真は最短撮影距離に近い所で撮影をしてみた。本機で近接撮影するにはレンズ鏡筒脇にあるフォーカス域のレバーを切り替える必要がある。 センサーサイズを大型化にした恩恵は、色合いや精細さだけでなく美しいボケ味も生み出してくれる。
色付くイチョウを見上げての撮影。ここまで写ればメインカメラとしても十分に活躍してくれるだろう。
モノクロームの写りも気になるところ。コンパクトながらニュートラルな色彩表現は実にライカらしい。
真っ赤なロンドンバスを撮影。光の当たり方によって変わる微妙な色合いもモノクロームで表現できる。
撮影を終え非常に好印象なカメラであった。今までのD-LUXシリーズに比べ一回り大きくなったボディは、アナログ操作が増えた本機にベストマッチな大きさで実に使いやすい。シャッターダイヤルや絞り環を回して撮影する程よいアナログ操作は直感的に分かりやすく心地が良い。やはりカメラは“自分で操作している”という事が満足感に繋がる道具だと改めて感じた。そして開放F1.7〜2.8という明るいズームレンズは『SUMMILUX』の名に恥じない描写力で美しい写真を残す事ができる。最新のEVFやWiFi、4K動画機能などを搭載しながらも往年のカメラを意識させてくれる本機は非常に魅力ある一台であった。
Photo by MAP CAMERA Staff