先日ライカより新たなカメラが発表されました。その名も『ライカ Q (Typ116)』。なんとフルサイズセンサーを搭載したコンパクトカメラです。
驚くのは小さなボディにたくさんの最新機能を搭載されている事。2400万画素のフルサイズCMOSセンサーは最大ISO50000までの超高感度撮影が可能。レンズはこのクラスのカメラで最も明るい『ズミルックス 28mm F1.7 APSH.』を専用設計、そこには光学式手ブレ補正機能も搭載しています。シャッターの最高速度は1/16000(電子シャッター)まで切る事ができ、秒速10コマという高速連射も実現。本体には368万ドットの電子ビューファインダーも内蔵し、背面液晶はタッチフォーカス・タッチレリーズも可能なので直感的に操作・撮影することができます。他にもWi-Fi機能の搭載やフルHD(30p/60p)での動画撮影も出来ますので、写真や動画をワイヤレスでスマートフォンやタブレット、パソコンに転送する事も出来ます。
これほど多くの最新技術と機能が詰め込まれた『ライカ Q (Typ116)』。その描写性能はいかなるものか、早速見て行きましょう。
今回の撮影で最も感動したのが、ボタン一つで28mm/35mm/50mmの画角が選べるデジタルクロッピングがある事。28mm単焦点ながら3つの画角を直感的に使い分けること可能で、ストリートスナップでは大変重宝しました。これは本機の特徴である2400万画素フルサイズセンサーを“写真を撮ること”に生かした機能と言っていいでしょう。そしてファインダー内には選択した画角のブライトフレームが表示される事でフレーミングのしやすさはもちろん、いかにもライカらしい演出に心をくすぐられてしまいます。
モノクローム表現もさすがはライカ。階調豊かながら深みのある黒を出してくれました。
搭載されている『ズミルックス 28mm F1.7 APSH.』は本機のために設計された最新光学のレンズです。シャープでクリアなその描写力はフルサイズセンサーの性能を余す事無く引出し、高精細で階調豊かな写真に仕上げてくれます。
標準レンズ画角の50mmクロッピングでもF1.7で撮影すればボケ味を生かした撮影も可能です。ファインダーは28mm画角にブライトフレームが表示されるので、周りを確認しながらフレーミング・撮影出来るのがとても便利でした。
普段は35mm単焦点レンズがメインの方も多いと思いますが、そんな方にもLEICA Q (Typ116)はとても使いやすい機種だと感じました。
街中で使用してみて『最高のスナップシューター』という印象を受けたカメラです。
LEICA Q (Typ116)にはマクロモードも備わっています。レンズ鏡胴部分にあるリングを回せば最短撮影距離が30cmから17cmへ切り替わり、レンズの開放F値も1.7から2.8へ変わります。F値は変われど描写性能はさすがズミルックス、キレのあるフォーカス部と深い色の描写が特徴です。クロッピングも併用すれば手軽にクローズアップ撮影を楽しむ事が出来ます。
高感度での撮影も試してみました。まずはISO3200で撮影した写真をご覧下さい。葉脈まではっきりと分かる鮮明度に驚かされます。シャドウ部を見てもノイズらしさは感じられません。
続いてはISO6400で撮影。写真では明るく撮れていますが、薄暗い街灯のみでの撮影でした。拡大すれば確かに高感度ノイズはみられますが、ディティールはかなりしっかり表現されているのが分かります。ISO6400でしたら多くの方が常用で使える高感度と言っていいでしょう。
『ライカ Q (Typ116)』は今まで手にした機材の中でも描写性能・操作性共にトップレベルのカメラだと感じました。『ズミルックス 28mm F1.7 APSH.』の見せる開放からシャープな描写性能と、その光を受け止めるフルサイズCMOSセンサーは階調表現と高感度性能にとても優れたものです。 操作系はシンプルで分かりやすく、しっかりとグリップできるボディの形状とサムレスト部も使用してみて好印象でした。 撮影をする為に研ぎすまされた性能と操作性、洗練されたカメラデザイン。この2点は今までのライカにも言えた事でしたが、『ライカ Q (Typ116)』はそこに現在のフォトグラファーへ向けた使いやすさをプラスした意欲作です。
ライカ100年のアイデンティティが込められた最新のデジタル機『ライカ Q (Typ116)』。このカメラで見えるあなただけの新しい世界を写し出してください。
Photo by MAP CAMERA Staff