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ズノー光学 Zunow 3.5cm F1.7

ズノー光学 Zunow 3.5cm F1.7

2024年08月10日

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/2700秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

マップカメラはお陰様で2024年8月13日に創業30周年を迎えます。これを記念して創業日に希少価値の高い商品「PREMIUM COLLECTION」によりレアな商品の掲載を予定しております。今回のKasyapa for LEICA では一足早く掲載予定の商品をご紹介。今回を逃したら次いつお目にかかれるか分からない商品です。レア商品の描写力をぜひご覧ください。

さて今回ご紹介するのは、昭和5年に設立されたレンズ研磨工場である帝国光学研究所ことズノーの銘玉。創業者でもある鈴木作太氏は裕福な家庭に育ち20代でLeica A型を愛用してから写真に興味を抱き、光学メーカーの下請けからスタート。日本最高レベルの技術力を持った日本工学より海軍出身の技術者 浜野道三郎氏を招き入れ高度な製品製作に取り組んだそうです。

そんなズノー大口径ライカマウントレンズトリオと称された「 35mm F1.7 」「 50mm F1.1 」「 100mm F2 」の中から『 Zunow 35mm F1.7 』をチョイス。その歴史と味わい深いその描写性能をご紹介いたします。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:125 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

昭和31年に発売となった本レンズは「 50mm F1.1 」より生産本数が少ないと言われており、なかなかお目にかかることのできない逸品。今回使用した個体は、レンズ面に細かなキズが見受けられるも光学系はクリアでどの様な表現をしてくれるのかワクワクしながら早朝の公園に繰り出しました。

眩いばかりの日差し、噴水の水が青々としたモミジの葉にシャワーのように降り注ぐワンシーン。絞りF2で撮影を行ったが、まるでスプラッシュマウンテンかのような爽やかな1枚に仕上がりました。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/350秒 / ISO:500 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

とある洋館から緑鮮やかなお庭を眺める。厚手のカーテンと窓枠に立体感を出すため、絞りF4まで絞り込みましたが、半世紀以上前のレンズとは思えない立体感とシャープさ。窓の透き通るヌケの良い描写に驚きを隠せません。レンズ面に直接光があたっていないシーンでは癖が少なく現代のレンズに引けを取らない表現をしてくれました。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

開放付近が愉しいレンズとは知りながらも、絞り値による変化を試すべくF8まで絞り込みます。絞り込むごとにサルスベリの鮮やかなピンクは引き締まり、色滲みは抑えられていきますがF4辺りでピークを迎えF4からF8までは大きな変化を感じることはありませんでした。

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

ひと通りレンズの特性を理解したところで「いざ開放」。サイド光で照らされる青々とした木々は、まるで夢の中に居るかのような幻想的な光景。そんな中でも奥行きをしっかりと感じることができます。

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/3400秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

この日は40度近い気温、洋風な街並みのミストシャワーの下で少し涼んでいると麦わら帽子を被った男性が自転車で涼しげに通り過ぎて行きました。強い日差しに照らされながらもミストシャワーの下は別世界。そんな両極端なシーンを一枚の写真に収めました。オールドレンズならではの優しいゴーストがなんとも心地よい1枚です。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/350秒 / ISO:250 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

銀座の街を歩いていると鮮やかなレッドが印象的な1台のクラシックカーに出会いました。イギリスの名車ジャガーEタイプは、1961年にジュネーブショーにて発表された名車で、直列6気筒エンジンとモデル末期にはV型12気筒エンジンを搭載するモデルまで用意されており、最高速度は240Km/hと当時は夢のような存在であったことは間違いありません。年代も華々しいスペックもズノーレンズとどこか通ずるものを感じます。

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/300秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

和を感じさせる街並みを撮影した1枚。和を感じさせる木造建築とアイビーの組み合わせが新鮮に感じてシャッターを切りました。和と洋の香りが感じる組み合わせをズノーとライカの組み合わせでその光景を撮る。なんとも粋なことをしているなとひとり心の中で喜んでいました。

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/310秒 / ISO:250 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/280秒 / ISO:1600 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/45秒 / ISO:1600 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/19秒 / ISO:3200 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

Leica M11のBW(nat)をセレクト、逆光シーンからナイトスナップまで様々なシーンで撮影。そこで筆者が本レンズに感じた印象は「モノクロ撮影でこそ、その本質があらわれる」。カラー撮影で感じたその独特なぐるぐるボケは、より深みのある表現に感じるではありませんか。こうなったらシャッターを切る手が止まりません。思わずカメラーズハイな気分になってしまいます。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/310秒 / ISO:1000 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

今度はカラーモードをビビッドに変更し、ナイトスナップを楽しんでみましょう。絞り値はこのレンズを連日使用して最もシャープに感じるF4に固定して撮影。やや露出オーバー気味に撮影することでこのレンズが持つボケの特性がより印象的になります。

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/270秒 / ISO:2000 / 使用機材:Leica M11 + Zunow 35mm F1.7

 

気持ちを無にしてオールドレンズと向き合う。ファインダーも覗かず、ライブビューも見ず感性の赴くままにシャッターを切る。一期一会のワンシーンをこんな風に撮りたいという気持ちだけを頼りに目測で。デジタルにどっぷりと浸かった筆者ですが、楽しかったあの頃の撮り方を徐々に思い出してきました。スペックでは語れない、レンズやカメラの持ち味をすべてマニュアル設定で撮影し、思いがけなく仕上がってきたその作品が妙に愛しく感じました。

 

光と戯れる広角レンズ

本レンズの登場から約68年の月日が流れた今。モノクロからカラーへ、フィルムからデジタルへとカメラのトレンドは大きく変化してきました。そんな時代の変化を感じさせないデジタルボディとの組み合わせ。描写は時には驚くほどやさしく、時には驚くほど幻想的な雰囲気に。光の当たり方一つで何万通りもの表現を愉しめるレンズなのではないかと思うほど。一生モノといっても過言ではないヴィンテージレンズ、このレンズと共に令和の光と戯れてみてはいかがでしょうか。

 
 
Photo by MAP CAMERA Staff
 
 

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