LEICA VARIO-ELMARIT SL70-200mm F2.8 ASPH.
2024年09月17日
『ライカ SL3』が発売されて半年が経過。最新鋭の画像処理エンジンによる独自の色再現や、さらに高精度になったオートフォーカスシステムなど「ライカSLシステム」の魅力が高まる今。ハイパフォーマンスな望遠ズームレンズ『バリオ・エルマリート SL70-200mm F2.8 ASPH.』が仲間に加わりました。
ズーム全域 開放値F2.8を実現した超広角ズームレンズ「スーパー・バリオ・エルマリート SL14-24mm F2.8 ASPH.」、標準ズームレンズ「バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.」、そして今回発売となった本レンズを組み合わせることでライカ版の大三元システムが完成。超広角14mmから望遠側では200mmまで3本のレンズで撮影を愉しむことができます。プロフェッショナルのニーズを満たす高精度なSL3のオートフォーカスシステムと組み合わさることでどの様な化学反応が起こるのか。また高性能レンズの画質をスポイルすることなくレンズの焦点距離を2倍に拡大することのできる『エクステンダーL 2.0×』も活用いたしましたので、さっそくPhotoPreviewでご覧ください。
この日は3連休の中日ということで、公園に多くの人が訪れていました。楽器を弾いたり、スポーツをしたり、ボール遊びをする子供や絵を描く方など時間の過ごし方は人それぞれ。木影で楽しそうに過ごす2人の女性の目の前をふわふわとシャボン玉が気持ちよさそうに飛んでいきます。そんなゆったりと流れる光景を1枚の写真に収めました。
曼珠沙華(彼岸花)が咲き始めると、夏が終わったのだなと実感。ピントが中抜けしやすい為、この花を撮影するときに筆者はいつもマニュアルフォーカスで撮影しているのですが、SL3と本レンズの相性はとてもよくオートフォーカスでも雄蕊/雌蕊にしっかりとピントを合わせることができました。スタンダードなカラー設定で撮影しておりますが、目で見たままの空気感。とても自然な色合いで好印象です。
野鳥を撮影するためにカワセミなどが良く訪れる公園へ。残念ながらこの日は雨が降ったり止んだりと野鳥の姿は見当たりません。肩を落としていると、ゆったりと水面を歩くアオサギを見つけシャッターを切りました。堂々とした面持ちで水面に映り込むアオサギ、魚がつくった波紋を眺めながら彼はシャッターチャンスではなく獲物を捕らえるチャンスを狙っていました。
15群20枚のレンズ構成すべてが高品質なガラス製を採用している本レンズ。フードを装着した状態で約1670g(フード含む)、SL3に装着した状態で約2523g(バッテリー・フード含む)と手応えを感じる重量感ですが、ファインダー越しに見るその光景の美しさに圧倒。ヘビーな機材であることを忘れてしまうほど撮影する愉しさを実感することができました。
英国の高級車「ジャガー XJS」の内装をサイドウィンドー越しに撮影した1枚。ガラスに反射するストリートと内装の美しいシフトノブとウッドパネルのバランスを意識してシャッターを切ります。最新の自動車はもちろん高性能で魅力的ですが、クラシックカーでしか味わえないアナログ感への憧れはカメラで言えばフィルムカメラに通ずるものがあるでしょう。
日が暮れ、銀座の街を美しいエキゾーストノートで走り去る「真っ赤なフェラーリ」。感度はISO6400で撮影しておりますが、目で見たままの美しい造形の赤いボディ。誇らしげに輝くPininfarinaのエンブレムを目で見たままに撮影することができました。
チェコの伝統工芸品でもあるボヘミアガラスで造られたシャンデリア、クリアでヌケの良い描写はもちろんですが、落ち着いたパープルとグリーン、そして白熱電球とホワイトバランスが乱れやすいシーンを理想的な色味で再現することができました。
最後は『エクステンダーL 2.0x』を装着した作品、手のひらに収まるサイズのエクステンダーを装着することで望遠域 最大400mmまで拡大することができます。ライカSL3では解像度576万画素、最大120fpsの美しく滑らかなビューファインダーを搭載しており、静止している被写体はもちろんのこと、サッカー競技や野鳥など動体撮影にも本気で向き合える組み合わせとなっています。
繊細かつ優美な表現を望遠域で
Made in Germanyの『Leica SL3』、Made in Japanの『バリオ・エルマリート SL70-200mm F2.8 ASPH.』『エクステンダーL 2.0x』。それぞれのクラフトマンシップの融合、ファインダーに映るその光景は肉眼以上に美しく、静止画から動体撮影まで力強くライカならではの空気感で表現することができるのです。約2523g(バッテリー・フード含む)とヘビーな機材でも、この表現力の感動を一度覚えてしまうと手放すことができない存在になってしまうことでしょう。さまざまな被写体をライカの空気感で撮影したいすべての方にぜひ一度手に取っていただきたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff