写真が発明されてから現在に至るまで、様々なレンズが開発されてきました。その中でドイツの名門フォクトレンダー社が開発したレンズ『へリアー』を復活させたのがこの『APOQUARIA 50mm』です。 その魅力は端正で繊細、上品なその描写にあります。『APOQUARIA』も開放からその描写は驚くほど緻密。複雑な構成で無いが故の発色の澄んだ事とあいまって、被写体の良さをそのまま引き出すような、本当に気持ちの良い描写です。
質感描写、ガラス質の触れられる様な描写は、とても90gのレンズの描写とは思えないものです。ガラスは滑らかに、後ろの生地は少し粗く、それぞれがしっかりと描き出されています。専用の付属フードも小さいながら金属製のしっかりしたもので、小さく軽く、沈胴式の利点もあいまって取り回しの良さも大きな魅力です。
沈胴状態では、まるでレンズキャップの様なレンズながら、その実力は驚くべきもの。ドイツ製の10枚絞りはどの絞り値でも真円に近く、描写には手を抜かない作りをしっかりと感じる事が出来ます。ぜひじっくり付き合ってみて下さい。派手で人目を引くスペックは無いながら、しみじみ良い描写を感じていただけるハズ。期待を裏切らないレンズだという事、実感していただける事と思います。
Photo by MAP CAMERA Staff
Leicalens-Report.