絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
ライカ発売当初の標準レンズと言えばまず第一に”Elmar”の名が挙げられるが、その次に登場した標準レンズがこの”Hektor”である。F3.5と暗い”Elmar”に替わってF2.5を達成した本レンズは当初はハイスピードレンズとして宣伝されたが、1933年のより明るいF2.0の”Summar”の登場で少々影が薄くなってしまったレンズでもある。生産本数もそれほど多くなく、1931年から製造開始と古いレンズのため探すとなかなか見つからないが、そのオールドレンズらしい柔らかな描写にファンも多いレンズだ。モノクロームとの相性はそれこそ抜群だが、今回はカラーでも撮影を行ったので、その浅い色載りの妙もぜひご覧頂きたい。
絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
暗部までしっかりと捉えるなだらかな諧調性能は、輝度差の激しいこうしたシチュエーションで生きる。枯れた様なその色彩も美しい。
絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
オールドレンズを楽しむ人は年々増えてきているが、センサー性能の躍進で、ヴィンテージレンズの持つ描写力をしっかり捉える事が出来る様になった事が大きいのではないだろうか。数年前のデジタル機ではノイズとして捉えられた部分まで、昨今のモデルではしっかりと描き出す。むしろ高コントラストの現代的なレンズよりもコントラストの低いヴィンテージレンズに分があると思える事も少なくない。もちろん特徴的な描写は魅力だが、写真表現の1つとしてレンズのチョイスを捉える事も必要だろう。
絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
…こうして見ると凄い収差である。周りに滲み、線もおぼつかない。しかしこのレンズは筆者とは長い付き合いの1本である。とある写真家の方から薦められ、フィルム時代から長い付き合いのレンズだ。モノクロームプリントでも、その描写には一目を置いている。
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
こうして見ると、中心部の解像感は侮れないものがある。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
ノンコーティングのレンズなので前玉に直接光が当たると大きくフレアが出る。これを欠点と見なすかどうかは人それぞれだが、気になる方はしっかりとした金属フードも用意されているので活用して頂きたい。
絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M + Hektor 50mm/f2.8
ぱっと見た所ではエルマーに非常にそっくりなレンズだ。ただしエルマーと異なりニッケルのレンズの方が数は多く、クロームメッキのものは珍しい。ごく少数はA型ライカに装着されたものもあり、こちらは大珍品でコレクターズアイテムとなっている。実用的なF値でヴィンテージらしい柔らかな描写が楽しめる1本だ。
Photo by MAP CAMERA Staff