【特別版】写真家:川島小鳥 『新感覚』
2024年02月09日
Leica Boutique 11th AnniversaryLeica Q seriesLeica Q3Leica Special ContentsMP写真家
今までの写真人生で、ライカは憧れであっても使ったことがなかったのですが、今回機会をいただいたことでライカデビューをしました。
デジタルの『Leica Q3』と、フィルムの『Leica MP』にレンズは『ズミルックス M35mm F1.4 11301』をお借りしてソウルに行く時に持って行きました。
MPの方はフィルムの装填の仕方が独特で、YouTubeで使い方を一通り見てなんとか入れることができたのですが、のちに何回かフィルムを入れ忘れたり、パトローネがちゃんとはまっておらず全く撮影できていないのに気づかず。といった機械音痴の自分にびっくりな事件が起きて落ち込んだのですが。
それもアナログカメラならではの体験で、失敗を通してライカカメラと少しづつ仲良くなれた気がします。どんどん愛着が湧いてきました。
写りはとてもシャープでかつ柔らかく、とても詩的だなあと思いました。心が見た景色を映している様な、さすがライカ、と思いました。
暗いところで絞り開放で撮った時の質感も独特で好きでした。
ソウルの街ではAirbnbに滞在して、秋の銀杏色づく季節の、空気の澄んだ空気の中、毎日気ままに散歩していました。ライカが小さいので2台首からぶら下げていても重たくならなかったのがありがたかったです。
ライカに慣れている人がササっと対象物を瞬間的に逃さない、というのは本で読んだことがあったのですが、自分は露出を合わせ、ピントを合わせ、といつも使うオートのカメラよりもテンポが遅れ撮る瞬間を逃してしまったり、ずれてしまったり。
でもなんだかそのずれ、こそがだんだんと楽しくなってきました。このカメラだからこそ撮れる瞬間があるような気がします。
Q3はデジタルならではの暗い場所でも撮れるのが楽しくて夜に持ち歩くことが多かったです。
ソウルの街は夜も元気で、どこにでもバスで行けることに気づき、地図アプリを駆使して繁華街から裏路地まで探検するように彷徨っていました。カメラが大きくないので気軽に持てるし、撮る時もサッと見ているものに集中しながら撮れる感じがしました。
レンズが一本なのに3段階にズームができるので、直感的にサイズを変更して撮影できました。独特な繊細な写りが好きです。
写真・文 : 川島 小鳥