

「LEICA Q2 Monochrom」が終売してからの続報を待っていたユーザーは多かったのではないでしょうか。「LEICA Q3」をベースにしたQシリーズの新しいモノクローム機『 LEICA Q3 Monochrom 』が発売されました。ハイブリッドオートフォーカス、チルト式タッチディスプレイ、高解像度576万ドットOLEDビューファインダーなど技術的には「LEICA Q3」をベースにしていますがISO感度の上限が200000となり、デュアルベースISOも設定されました。6000万画素の専用モノクロームセンサーに最大8Kの動画撮影。光学式手ブレ補正を搭載した「ライカ ズミルックス f1.7/28 ASPH.」は内蔵マクロモードで17cmのクローズアップ撮影が可能です。マットブラックラッカー仕上げに黒とグレーの控えめな刻印。モノクロームの美しさをデザインとしてカメラボディに体現した『 LEICA Q3 Monochrom 』はどんな世界を見せてくれるのか、撮影に行ってまいりました。
まず1枚目。『 LEICA Q3 Monochrom 』には「MONO NAT」「MONO SEP」「MONO SEL」「MONO BLU」の4種類のLookが用意されています。まずはベースとなる「MONO NAT」で撮影。中間のトーンを繊細に描きます。それでいて人物のシルエットやシャドウが濃い部分や光が反射しているハイライト部などはハッキリと白と黒が描かれます。

「MONO NAT」で撮影。ベースとなるこのLookはあらゆるシーンで使いやすいLookです。「ライカ ズミルックス f1.7/28 ASPH.」は開放絞りからキレのある写りで、影になって浮かび上がる照明の光沢感など質感も丁寧に描きます。隅のほうまで濃いグレーのグラデーションがあって非常に綺麗です。シャッター方式はメカシャッター・電子シャッター・ハイブリッドの選択があり、電子シャッターで1/16000秒の高速シャッターが可能です。今回はほぼハイブリッドで撮影を行いました。
全ての「Leica Looks」でコントラスト・ハイライト・シャドウ・シャープネスのステータスが調整可能で、「MONO NAT」以外の3種は強度%の調整も可能です。「MONO NAT」で各パロメーターを調整して比較してみたのですが、左からフラット・ナチュラル・ハイコントラストのような違いが出来ました。左の写真のシャドウの透明感に非常に驚きました。専用アプリLeica FOTOSで「Leica Looks」のダウンロードも可能なので、「Greg Williams Artist Look」といったLooksでの撮影などモノクロームの表現を楽しめますし、プリセットで入っているLooksだけでも、十分にモノクロームの世界を堪能することが出来ます。

マクロモードを使用して最短撮影距離で撮影。マクロモードでは最短撮影距離が17cmになり、開放F値が2.8になります。置時計の長針にピントを合わせたのですが、近接撮影時でも非常に高い解像力です。

モミジに引っかかって出来た波紋の揺らぎが非常に美しい1枚。驚きなのはISO感度。12500という高感度ですが、ノイジーな印象は全く受けません。ISO3200で同じように撮影したカットでは暗部のノイズがほぼ見えないほどクリアな仕上がりでした。どうしても高速シャッターを切りたいときでも感度を上げることに躊躇する必要はなさそうです。

デジタルズームも「Q3」と同じく28mm、35mm、50mm、75mm、90mm相当の画角を選ぶことができ、FNボタンに割り当てておけば即時切替が可能です。歴史あるサイアノタイプ(青写真)印刷技法を彷彿させるブルーのトーンが特徴の「MONO BLU」で撮影しています。

今まで紹介してきたカットはLooksを当てたJPEGデータですが、本カットはDNGデータを補正無しで現像したカットです。「MONO NAT」で撮った画と見比べるとやはり全体的に硬めな仕上がり。ただ、どちらにせよ陰影の描き方が非常に美しいと思います。

セピア調の「MONO SEP」で撮影。前方からは車が横切り、その後ろの歩道を歩く人がきたタイミングでシャッターを切りました。手振れ補正があるため、手持ちでもスローシャッターでの撮影が可能です。


光と影で紡ぐ
筆者はカラーで写真を撮っているとき、撮るものに行き詰まると、モノクロにして撮影したりします。カラーとモノクロームでは目の前に見える世界へのアプローチが変わるからです。白と黒の間にある濃淡を見ていると、モノクロームでありながらどれだけの色があるのだろうという不思議な気持ちになります。シンプルだから奥深い。モノクロームだからこそ紡げる物語を今こそ。
Photo by MAP CAMERA Staff










