LEICA SL 75mm / 90mm
製品説明会 Report
2018年1月26日、東京・中央区にあるスタジオにて、ライカより発表・発売された新レンズ『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』と『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』の製品説明会が行なわれました。今回は実機を使用するプログラムも用意されており、実際に撮影した写真も交えてレポートしたいと思います。
まずは写真家・高橋ヒデキ氏による新レンズとSLシステムの特徴の説明から。話の中で自身が使用する機材をライカへ換えた理由を語ってくださいました。高橋氏曰く、ライカを使用して一番驚いたのは、レンズに対する考え方の違いと、描写表現とのこと。実際に仕事でもライカSLにマウントアダプターを介してライカRレンズを装着して撮影されているそうです。
続いてはドイツより来日したライカAG・プロフェッショナルカメラ部門のプロダクトマネージャーであるステファン・シュルツ氏によるプレゼンテーション。優れた描写性能だけでなく、AF機構に関しても画期的なシステムを採用した中望遠レンズだと語ります。今回は販売店向けの製品説明会と聞いていたのですが、まるで新型カメラのローンチイベントのような意気込みを感じました。
会場がスタジオということもあり、ライカSLと標準ズームである『SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.』、そして新レンズ2本を使用してモデル撮影の時間も用意されていました。いよいよ撮影スタートです。
撮影中、アドバイスを受けながら様々な撮り方を試していきます。
「ライカSLは連写もすごいんです。最高で11コマ/秒撮れますから、是非試してみてください。」と語りながら撮影をする高橋氏。ライカSLは表現力だけでなく、プロの要望に応えられる撮影機能が十分に備わっていると言います。
はじめにお見せするのは『アポズミクロン SL75mm F2.0 ASPH.』から。ここから3カット続きますが、すべてF2開放での撮影です。
さすがアポズミクロンと言うこともあり、色収差を極限まで抑えたフォーカス部は非常にシャープ。それでいて立体感と質感表現、ボケ味のバランスが素晴らしいです。
高橋氏も話していましたが、肌、布、金属などそれぞれが持つ温度や湿度、柔らかさや硬さまでもライカレンズは写し出してくれます。
続いては『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』で撮影です。最短撮影距離は0.6mなのでかなりクローズアップして撮影することができます。
髪の毛の一本一本まで実にシャープ。レンズの描写特性は非常に似ていますので、あとは使い手の好みといったところでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回新たに発表・発売された2本のレンズを実際に使用してみて『確実な性能と、圧倒的な描写力』という印象を受けました。それは他のSLレンズにも言えることですが、絶対的な明るさ(F値)でレンズの性能を示すのではなく、プロが絞り開放から使用出来るようにレンズ性能を設計してあるのです。
この新レンズの登場でライカSLが目指す方向性が見てたような気がしました。感性を揺さぶり写真を撮るMシステムとは立ち位置の違う、質実剛健な性能と描写でプロの仕事に応えるのがSLシステムだと思います。今後、ライカを支える大きな柱としてMシステムと同じようにSLシステムを展開していくのではないかと感じた説明会でした。
Photo by MAP CAMERA Staff
取材協力:ライカカメラジャパン株式会社