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LEICA Hektor L73mm F1.9 with M EV1

LEICA Hektor L73mm F1.9 with M EV1

2026年02月10日

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

本日は1930年代から1940年代まで発売された「滲みレンズ」の元祖とも呼べる『 LEICA Hektor L73mm F1.9 』をご紹介いたします。「シルバー×ブラック」「ブラック×シルバー」「ブラック×ニッケル」など製造時期により外観の仕様が異なり、今回撮影で使用した個体はその中でも「ブラックxブラック」という貴重なモデルとなっています。”Hektor(ヘクトール)”はレンズ設計者であるマックス・ベレーク博士の愛犬の名前に由来し、さらに写真家「木村 伊兵衛(きむら いへい)」氏がポートレート撮影に用いたレンズであるなど、面白い逸話があるレンズ。Kasyapa for LEICA ではLEICA M、M10-R、と過去にも撮影していますが、新型ボディによってどんな化学反応をするのかが楽しみなレンズです。そして73mmという特殊な焦点距離のため「SAIOO」というファインダーが存在しますが「LEICA M EV1」ならばそれがなくともファインダーを覗いて撮影ができる、と思い撮影してきました。ぜひご覧ください。

最短撮影距離は指標としては1.5m。お世辞にもテーブルフォトや接写が得意なレンズというわけではありませんが、むしろそれを特性として使ってみればいい、ということでイルミネーションで飾られているプリズムのようなものの中を覗き込むように撮影してみました。「収差の楽園」とも呼べるこの幻想的なエフェクトは、計算された現代レンズでは決して得られない、このレンズだけの特権です。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

絞り開放にて、窓辺のカーテン越しに咲く山茶花を捉えました。前ボケとなったカーテンは形を失い、光のベールとなって画面を優しく包み込みます。コントラストの描き分け、透過する光の柔らかさと、花の紅、葉の深緑が滲みを伴って溶け合う様は、まるで絵画のような美しい描写です。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

開放絞りで前面にある照明にピントを合わせてみました。背景とクッキリ分離されるというわけではありませんが、中望遠らしい程よい圧縮効果と立体感のある写りです。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F3.2 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F9 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

F9に絞ったカット。光の当たる加減か、画面右側に1本だけ白い枝があったのでその違いを描写してくれるのかを見てみたのですが、しっかりと描き分けてくれました。意外というのもなんですが、絞ると解像感は目に見えて上がり、周辺部もすっきりとしていきます。「LEICA M EV1」のEVFで覗きながら画を見ていると、滲みが消えてクリアになっていく様が良く分かりました。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

カラーでは寂しいシーンでも、モノクロにして見直してみると階調の豊かさに驚かされます。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

使っていく中で絞って解像感を上げたいと思ったときはF6.3に絞るようになりました。ピント面の滲みは消え、非常にシャープな線を描いてくれていますが、アウトフォーカスではややボケが残る感じも好ましいです。滲みレンズとしてだけではなく、シャープに写るレンズとしても使うことが可能です。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

ただやはりこういう写りに惹かれてしまいます。絞ればよく写るということが分かったうえでも、絞りリングをスルスルと左側端に回して撮影してしまいたくなる「滲み」の魅力がこのレンズにはあります。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

F6.3でも同じように撮影したカットと見比べて、開放絞りのほうを選んでいます。解像するのが正しいのであれば、このカットは間違っているということになりますが、私はどうしてもこのカットのほうがに惹かれてしまいました。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:64 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

以前にもこのレンズで撮影したことがあるのですが、その時も同じように空を飛んでいく鳥の写真を撮影していました。すっかり忘れていたのですが、その時も同じように空を飛ぶ鳥の画に惹かれたのでしょう。このカットも最近とても好きで聴いている曲のジャケットみたいで気に入っています。先にイメージを固めて撮影することもあれば、レンズのおかげで見えてくる世界もある。『 Hektor L73mm F1.9 』だからこそ撮れる世界というものがあることを確かに感じた1枚です。

 

Hektor L73mm F1.9 実写レビュー

絞り:F1.9 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:400 / 使用機材:LEICA M EV1 + Hektor L73mm F1.9

 



 

滲みの美学

『 Hektor L73mm F1.9 』は長く発売され続けたレンズということもあり、過去の情報を調べてみると滲む描写もあればスッキリとシャープな画が写っていたり、その内容はそれぞれ。筆者も前回使ったことのあるイメージとはかなり違いがあって戸惑いました。「こういうレンズです」と言い切ることはなかなかに難しいですが、そういった個体ごとの違いも魅力の1つかと思います。「LEICA M EV1」のEVFで見たらどんな風に撮ることが出来るだろうと、ワクワクしながらの撮影。絞ったときなどのピント合わせがシビアなケースが多いときに非常に助けられました。使い慣れてくると厳密にピント合わせが出来なくても良いかもしれないとも思ったりもしてしまうほど、描写に個性があります。レンジファインダー機はもちろん、「LEICA M EV1」のような最新のEVFでも。時代を超えて愛される『 Hektor L73mm F1.9 』の、美しき滲みの世界をぜひ一度体感してください。

Photo by MAP CAMERA Staff

 

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