絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/360秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
M型ライカレンズのスタンダード的存在のズミクロンM35mmはその人気の高さから、異なった個性のある各世代のモデルが多数存在します。
今回撮影したのは1980年に登場した3世代目と呼ばれるレンズ。カナダ・ライツ社の設計製造である5群7枚のレンズは、約190gと軽量でとても使いやすいレンズです。
均一なコントラストと高い解像度が特徴と言われており、約30年前に造られたレンズがどのような描写をするのか、楽しみな1本です。
暗い舞台越しに撮影した神社の境内。露出を境内に合わせているにも関わらず、逆光での簾の質感や床に反射する光のコントラストなど、暗部の質感まで描写する解像力は、想像を遙かに超えるものでした。
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
絞り:F4.0 / シャッタースピード:1/90秒 / ISO:250 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
さらに驚いたのがこの朱色に塗られた鳥居。コントラストが高いとは聞いていましたが、これ程とは。
見た目以上に艶やかに写し出された画は、まるで水を掛けたかの様な艶を放っています。
絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:250 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
店先に置かれた季節の草花が入れられた篭も、質感を残しシャープに描写しています。
そして奥行き感を伝える柔らかなボケ。この絶妙なバランスの良さがとても気持ちよく感じます。
絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
竹林の中で空を見上げると、少しづつ暖かくなる春の日差しを感じます。
木漏れ日により現れた光源ボケが、ザワザワと風に揺れる葉音の表情までも写し出していました。
レンズの性能を表現するとき、よく空気感という表現を目にしますが、このレンズからはそれに風の流れを加えた清涼感のようなものも感じ取れます。
絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/90秒 / ISO:160 / 使用機材:Leica M9-P +Summicron M35mm/f2.0 3rd
これは綺麗に静態保存されたSLの動輪。動かないはずの鉄の塊も僅かに残る油の汚れまでも写し出すと不思議な迫力を感じます。
最近はデジタルカメラの性能に合わせて光学系が改良され、よりシャープで高画質なレンズが次々と登場しています。
30年以上も昔に、最新レンズと遜色のないこれほどのレンズが存在していたことに驚きです。
現行のAPSHレンズよりコンパクトに収まり、被写体によっていろんな素顔を切りとることができる、まさにスナップの王道と呼ぶに相応しいレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff