ズミルックス35mm、初代のレンズはそのソフトフォーカスのような特異な描写からファンの多いレンズですが、この非球面レンズを採用した第4世代ズミルックスはその描写とは一線を画し、画面全域にわたって驚くべきシャープネスと解像感を感じさせるレンズに仕上がっています。フルサイズでこのレンズの大きさ、そして開放の明るさを考えると驚くべき描写で、まさに新世代ライカレンズの1つの到達点といっても過言では無いレンズでしょう!その澄んだ清水を通して覗くような透明な発色と瑞々しい描写は本当に美しいものです。
開放の明るさとフルサイズセンサーのおかげで、5~6m先でも背景が綺麗にボケてくれ、解像感の良い事とあいまって被写体が浮き上がるような描写が得られます。まるで1つの舞台がそこに生じたように、日常の光景を切り取れる。この描写はなかなか期待しがたいものです。
絞り:F2/ シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 露出補正:-0.7eV / 使用レンズ:Summilux 35mm/f1.4 4th
最短距離ではこの描写。ピントの合った面が浮き上がっている様子が分かります。この立体感、撮影していて楽しいレンズだという事は間違いありません。
質感描写もこの通り、精密かつ細緻、なめらかな金属面の光沢が見事に捉えられています。後ろボケからピント面の立ち上がり、そして前ボケに至る一連の流れ、ご覧頂けますでしょうか。画面全域にわたって描写に破綻無く、様々なシチュエーションでその実力を発揮してくれる、心強いパートナーとなってくれる事でしょう。
厳しい検査基準を設け、ただでさえ少ないライカ社の新品レンズですが、このレンズはその中でも世界的に欠品状態となっている希少レンズ。この描写力、求める方が多いのも素直に頷けるもの。出会いがありましたらぜひ一度、撮影して頂きたいレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff
Leicalens-Report.