ライカ、ハッセル、ヴィンテージカメラなど

日本光学 Nikkor-N 5cm F1.1








 明るいレンズだけありましてその姿かたちもかなりの大きさで、例えばニッコール5cmF2のフィルター径が40.5cm なのに対してこのレンズのフィルター径は62mm・・・約1.5倍ですね。ですがその大きさとは裏腹に描写はとても 繊細です。開放ではとても柔らかく、背景を気にしないとボケがかなりうるさくなってしまいますがF4くらいまで絞ると 素晴らしい描写力が得られます。

 このレンズ、始めはヘリコイドがなかったんですね。ニコンSシリーズはボディ側に距離計連動調節ギアというものが ありまして、右手中指でぐりぐりと回すとピント合わせができる仕組みですね。で、最初は問題なかったようなのですが 長く使用していくにつれて設計上レンズ側のマウント(内爪)ですね、ここに比重がかかりガタがくるんです。そうなると 距離計連動が一気に重くなり、ピント合わせがやり辛くなってしまいました。

で、さらに改良されたのがこの後期タイプの50mmですね。光学系や規格はヘリコイドを除いて同じですので、フィルターや フードは共用できます。でもねぇ。フードはつけたくてもつけられませんねぇ。このフードは世界各国ありとあらゆるレンズが ありますがおそらく世界で最も高額なフードじゃないでしょうか?しかも弱いプラスティック製なので現存する絶対数が はたして何個あるのやら・・・見たことある人はラッキーです。持ってる人は金庫に入れといてください。

 現在では当たり前のようにパソコンが普及し、計算なんかもちょっと操作方法を覚えれば 結構誰でもできるようになりましたが、1950年代ではそうはいきません。当時の技術者の方々計算方法はそろばんパチパチはじいて それこそ気の遠くなるような計算、計算、計算ですよ。このレンズに関しては開発に約2年を要したとのことです。現代の技術者が 頑張ってはいない、というわけではありませんが今から50年以上も前にこんなに素晴らしいレンズを創った先人には敬意を評するに 値しますね。

今後このようなレンズが作られることはおそらくもう2度とないでしょうからね。
NIPPON KOGAKU TOKYO JAPAN
ニッコールN 5cmF1.1


1956年〜製造
レンズ構成: 6群9枚
画角: 46度
最小絞り: F22
フィルター径: 62mm
最短撮影距離: 1m
重量: 400g(外爪) 347g(内爪)
総生産約3,000本(外爪、内爪、ライカマウント含む)


■ニッコールN 5cmF1.1での作例。
使用フィルム:Kodak GOLD100
デジタイズ:フジカラーCD
flektogon20
絞り開放での描写。
flektogon20
絞りF2での描写。


written by 文:1号店地下 写真:EC営業部
この記事のカテゴリーは『メイド イン ジャパンの源流』です | この記事は2008年02月18日現在の情報です。


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