Select Language

Rollei SL2000F

[ Category: ヒストリカルピース|掲載日時:2008年08月25日 19時09分]

















 ドイツのカメラメーカー「ローライ」が作った、35mmフィルム一眼レフカメラ「ローライフレックスSL2000F」。

 一見すると、ムービーカメラのように見えますが、これも歴としたスチルカメラ。

 1982年に発売となっておりますが、毎年ドイツで行われている国際的なカメラ見本市「フォトキナ」で1976年に発表されたモデルとのこと。そのデザインの斬新さは、30年前のものとは到底思えません。

 ローライといえば、中判ロールフィルムを使用した2眼レフカメラが有名ですが、一時期は35mm判一眼レフカメラも製品として販売しており、同社のそれの大半は通常のミラーボックスの上にプリズムファインダーを置いたオーソドックスなスタイルでした。

 しかし、このモデルはかなりユニークな存在で、同社の2眼レフカメラと同様に、折り畳まれている遮光フードを開くと、カメラ上部にウェストレベルファインダがあり、2眼レフのように上から覗き込んでフレーミングをすることができます。

 また、ウェストレベルファインダのほかにアイレベルファインダーも装備しており、カメラ後部の接眼レンズから覗き込むようにして使用します。シャッターボタンが2か所ついており、さまざまな姿勢やホールドでレリーズが可能。もちろんフィルム巻き上げは自動巻上げとなっており、外観通り、ムービーカメラを操作を撮るようなスタイルで、写真撮影します。

 このカメラ、35mm判フィルムカメラには珍しく「引き蓋」があります。
 そう、このカメラはフィルムマガジンを装備しており、マガジンが2つあれば、ロールの途中でほかのフィルムを使用することも可能なのです。

 デジカメを使っていると、撮影途中で、感度設定を変更することはかんたんなことですが、ロールフィルムの場合はそうは行きません。

 一旦巻き戻して、別の感度のフィルムを装填するわけですが、一旦巻き戻したフィルムを、再度使用するときに、前回撮影していたコマまで巻き上げて進めます。ここでカウントを間違ったり、コマがずれたりすると、意図しない多重露光となってしまったりして事故になることもあります。それを防ぐためには、別のボディを用意し、使い分けするわけですが、当然それだけ荷物が嵩張ることに。

 「そんなセコイことしなくても、途中まで巻き戻したフィルムをそのまま現像に出せはよいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、まだまだこの時代、フィルムは高価なものだったのです。それまで、1ロール36枚撮りの下の枚数が20枚撮りだったものが、ようやく現在と同じ規格の24枚撮りになり、テレビCMで欽ちゃん(萩本欽一氏)が、「4枚増えて値段は同じ。どっちが得かよーく考えてみよう」とサクラカラー(コニカ)フィルムの宣伝をしていたのが、まさにこのカメラが発表された1976年。


 フィルムマガジンを別体とすれば、それを交換するだけで、「無駄なく」、「安全に」使用するフィルム種類を変えることができるのです。

 そのシステムは、過去の例を見れば、コダック社のエクトラなどにも見られますし、今でも、フィルム面積の大きな中判カメラで見られる方式です。


 昨今のデジカメでの撮影は、気に入らない画像はすぐに消して、撮り直すこともできますし、何枚取り直しても、無駄なコストはかかりません。
 しかしフィルムではそうはいきません。つまらない失敗もまた取り返しがつかないかたちで克明に、銀の粒子に刻まれ、予定外のコストも発生してしまうのです。

それが、写真を撮影するという儀式の重さでもあったわけですが。

35mm判でフィルムマガジンの交換ができる、このメカニズムは、まだ撮影が1シーンごと一回性の法則のもと、覚悟と丁寧さをもって行われていた時代の産物なのです。

[ Category: ヒストリカルピース|掲載日時:2008年08月25日 19時09分]

面白いと思ったらコチラをClick!315票


null

希少品!「フォクトレンダー ベッサ R2S NHS モデル」【本館地下】[2013年04月15日]

今回紹介するのは、「フォクトレンダー ベッサR2S NHS special」です。 2005年にアメリカに本部があるニコンの愛好家組織「NHS (The Nikon Historical Society )の要望により 500台限定でつくられたモデルです。 ボディは、2002年に発売された「ベッサR2S」(ライカMマウント互換のベッサR2を ニコンSマウント仕様にしたもの)を母体としています。 セットのレンズは、2001年に発売された「ベッサT...
続きを読む
null

Awesome! Leica①[2012年11月14日]

写真を撮るという行動は突如その衝動に駆られるときがあります。 目の前にとても美しいと思える光景と出会ったときであったり、 自分が持つイメージが突然目の前の光景と重なったときであったり。 そんな時には、さっとカメラを構えて、ファインダーを覗きシャッターを切るのか、 それともさっと立ち去るのかはカメラのコンパクトさというのが大事だという経験があり 以前から気になっていたライ...
続きを読む
null

CZJ Pancolar 50mmf1.8 , 80mmf1.8[2010年10月18日]

Carl Zeiss Jena Pancolar 80mmf1.8 , 50mmf1.8  パンカラー。  M42マウントレンズに触れたことのない方には馴染みのないレンズ銘だと思います。  一般的に「カラー」と呼称されてはいますが、つづりは「colar」であるので、「パンコラー」とか「パンコラール」と呼ばれることもあります。  カール・ツァイス・イェナ、つまりは東西分断期における東ドイツ側カール・ツァイスの一眼レ...
続きを読む
null

SUN ZOOM 38-90mm F3.5 MACRO[2010年05月27日]

SUN ZOOM 38-90mm F3.5 MACRO  個人的嗜好により、ズームレンズをほとんど使わない生活が続いています。  普通の人が一生のうちに手に入れるであろうレンズ本数……の何倍ものソレをすでに所持していますが、ズームレンズに関しては、デジカメのキットレンズという位置づけの平凡なものがポツネンと一本あるのみです。  ……というような冒頭では、一見どう膨らみようもなさそうですが、...
続きを読む
WELTBLICK 135mmf1.8 , 35mmf3.5

WELTBLICK 135mmf1.8 , 35mmf3.5[2010年04月17日]

WELTBLICK 135mmf1.8 WELTBLICK 35mmf3.5  前回に引き続きの作例チャレンジです。  「ウェルトブリック」と読むと思うのですが、まったくもって詳細不明のレンズで、胴部に白文字で「MADE IN JAPAN」とあるからには日本製なのでしょうが、明らかなのはこのことだけです。  M42世間……というか、いっそのことこう呼びますが、「M42宇宙」には、こういった正体不明のエイリアンレンズがご...
続きを読む