ライカ、ハッセル、ヴィンテージカメラなど

Rollei SL2000F


















 ドイツのカメラメーカー「ローライ」が作った、35mmフィルム一眼レフカメラ「ローライフレックスSL2000F」。

 一見すると、ムービーカメラのように見えますが、これも歴としたスチルカメラ。

 1982年に発売となっておりますが、毎年ドイツで行われている国際的なカメラ見本市「フォトキナ」で1976年に発表されたモデルとのこと。そのデザインの斬新さは、30年前のものとは到底思えません。

 ローライといえば、中判ロールフィルムを使用した2眼レフカメラが有名ですが、一時期は35mm判一眼レフカメラも製品として販売しており、同社のそれの大半は通常のミラーボックスの上にプリズムファインダーを置いたオーソドックスなスタイルでした。

 しかし、このモデルはかなりユニークな存在で、同社の2眼レフカメラと同様に、折り畳まれている遮光フードを開くと、カメラ上部にウェストレベルファインダがあり、2眼レフのように上から覗き込んでフレーミングをすることができます。

 また、ウェストレベルファインダのほかにアイレベルファインダーも装備しており、カメラ後部の接眼レンズから覗き込むようにして使用します。シャッターボタンが2か所ついており、さまざまな姿勢やホールドでレリーズが可能。もちろんフィルム巻き上げは自動巻上げとなっており、外観通り、ムービーカメラを操作を撮るようなスタイルで、写真撮影します。

 このカメラ、35mm判フィルムカメラには珍しく「引き蓋」があります。
 そう、このカメラはフィルムマガジンを装備しており、マガジンが2つあれば、ロールの途中でほかのフィルムを使用することも可能なのです。

 デジカメを使っていると、撮影途中で、感度設定を変更することはかんたんなことですが、ロールフィルムの場合はそうは行きません。

 一旦巻き戻して、別の感度のフィルムを装填するわけですが、一旦巻き戻したフィルムを、再度使用するときに、前回撮影していたコマまで巻き上げて進めます。ここでカウントを間違ったり、コマがずれたりすると、意図しない多重露光となってしまったりして事故になることもあります。それを防ぐためには、別のボディを用意し、使い分けするわけですが、当然それだけ荷物が嵩張ることに。

 「そんなセコイことしなくても、途中まで巻き戻したフィルムをそのまま現像に出せはよいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、まだまだこの時代、フィルムは高価なものだったのです。それまで、1ロール36枚撮りの下の枚数が20枚撮りだったものが、ようやく現在と同じ規格の24枚撮りになり、テレビCMで欽ちゃん(萩本欽一氏)が、「4枚増えて値段は同じ。どっちが得かよーく考えてみよう」とサクラカラー(コニカ)フィルムの宣伝をしていたのが、まさにこのカメラが発表された1976年。


 フィルムマガジンを別体とすれば、それを交換するだけで、「無駄なく」、「安全に」使用するフィルム種類を変えることができるのです。

 そのシステムは、過去の例を見れば、コダック社のエクトラなどにも見られますし、今でも、フィルム面積の大きな中判カメラで見られる方式です。


 昨今のデジカメでの撮影は、気に入らない画像はすぐに消して、撮り直すこともできますし、何枚取り直しても、無駄なコストはかかりません。
 しかしフィルムではそうはいきません。つまらない失敗もまた取り返しがつかないかたちで克明に、銀の粒子に刻まれ、予定外のコストも発生してしまうのです。

それが、写真を撮影するという儀式の重さでもあったわけですが。

35mm判でフィルムマガジンの交換ができる、このメカニズムは、まだ撮影が1シーンごと一回性の法則のもと、覚悟と丁寧さをもって行われていた時代の産物なのです。


written by マップカメラEC営業部(T)
この記事のカテゴリーは『ヒストリカルピース』です | この記事は2008年08月25日現在の情報です。


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