二眼レフは、いかがですか?! 番外編②
この撮り較べ案を出した際、あまり違いが分からず企画として成立しないかもと話していたら、上司から「撮り較べなんて、実際やりたくてもなかなか出来ないものだし、違いがないならないで、それも一つの情報として価値がある。 是非やりなさい」的なことを言われました。 まぁ、確かにそうなんですが… ん?……
…ガガガー、…ピー…PPP…ソシタラ……P…キュウリョウ…XXX…アゲテ…PP…ピーーー……
ん? 何でしょう? なんか雑音が?? …混線してるのかな? 古いパソコンだし… …もしかしてハッキング?! わ、こわ~い…
…さてさて、今回の撮り較べは、前回チラッと予告したように、カールツァイスのプラナーとシュナイダーのクセノタールです。 ともにローライ二眼レフを代表する銘レンズ。
撮影レンズに80mmF2.8を搭載したローライフレックス2.8シリーズと75mmF3.5搭載のローライフレックス3.5シリーズ、その両方にプラナーとクセノタールが存在していたので、購入を考える場合、全部で4種類の中からの選択となるわけです。 う~ん、実に悩ましい… 「どれがいいの?」なんて、よく聞かれますが、正直、どれもいいです!(所有している人は、たいてい自分の持っているレンズが「一番いい!」とお答えになります…)
じゃあ、今回4台まとめて一挙にテスト! …って、無茶言わないでください! 4台も首から下げたら、私のか細い首、折れてしまいます。 …あ、別に下げる必要ないんだけど… でも、4つも異様な箱状の物を、鞄から出したりしまったりしてたら、不審者ですよね。 前回ローライコードの時も、地元の公園で撮影中、遊んでいた小学生男子に「おじさん、僕たちも撮ってよ!」 逆ナンされましたが、「ごめん、フィルム終わっちゃった…」 …嘘です。 ホントは人物撮影も写りの比較に必要なんですが、彼ら撮っても記事に載せらんないし、フィルム限られてたのは本当だし… なにより、小さな公園で小学生撮ってたら、ご近所さんに通報されちゃうかも…
予め断わっておきます。 この撮影中、お巡りさんに呼び止められるようなことがあったら、企画自体を即終了します。
またまた前置きが長くなりましたが、今回は、一般的により人気の高い2.8Fのプラナーとクセノタールを撮り較べてみました。
まずは、絞り開放時の撮影から。
プラナー F2.8
クセノタール F2.8
って、開放から区別がつきません…
画面中央は勿論、周辺の画像の流れなども検証しましたが、特に違いなし。
強いて言えば、中央の花や右奥の緑など、プラナーの方がわずかに鮮やかかなと思える程度です。
プラナー F4
クセノタール F4
プラナー F5.6
クセノタール F5.6
背景の光源が五角形なのは、絞りの形がそのまま出ています。 F5.6になると、背景右奥に感じられたザワザワ感も大分減少されます。 って、これどちらのレンズも共通。
プラナー F11
クセノタール F11
F11まで絞ると、画面全体がくっきりし、左の壁面の凹凸まで明瞭になります。
プラナー F4
クセノタール F4
パソコン上でどのくらい表現されているかなのですが、フィルムではプラナーの方が画面上の赤・青・緑全て濃い色味になっています。 ですが、緑の葉の鮮鋭度はクセナーに軍配が上がります。
プラナー F2.8
クセノタール F2.8
ここでも、左右の背景で較べるとクセノタールの方がより輪郭が残っているのが分かります。
プラナー F5.6
クセノタール F5.6
ここでもプラナーの方が、若干色味が濃いか…
条件が違うのではっきりとは言えませんが、前回のクセナーレンズがこうして見ると一番色味が薄いような(逆にいえば抜けが良いともいえますが…)。
…そんなわけで、すみません、やっぱりはっきり断言できるような違いは分かりませんでした。 専門誌にはよく「人物撮影にはプラナーが、建築物などを含めた風景にはクセノタールが向いている」なんて書いてありますが、実際同じ条件でそれらを撮影し、どちらのどこが優れているのかを顕わにした作例は見たことがありません。 …私では力不足でした… というか、誰か違いが分かる被写体を提供して! …まぁ、先の「人物云々…」の言葉は、それまでの様々な撮影の経験から出たものと捉えておいてよいのかと思います。
私自身は普段プラナーレンズ付きを使用しています。(今回のクセノタールは借り物です。) 昔付き合っていた写真嫌いな彼女が、唯一2.8Fプナナーで撮影したポートレートのみ「いいね」と言ってくれたというだけで、プラナーを使っています。 でも、別れちゃったし… その後ポートレート撮ることほとんどないし… けど、風景撮影で使用していても、何の不満も感じません。 いつかまた素敵なポートレートを撮る機会が来るだろうと信じて使い続けます。
…とまぁ、これから購入を考えている方には、何の参考にもならないレポートになってしまいました。 あくまで先人の言葉にこだわる方には、用途に合わせて2種、いやいや3.5Fも含めて4種の購入をお奨めします。 (その際は、是非、当マップカメラで!!)
続く… (文責・イット)