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FUJIFILM GFX インタビュー【Part 2】

[ Category:FUJIFILM|掲載日時:2017年05月11日 20時31分]


FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2

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FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2

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少し話を戻してセンサーの質問になるのですが、他社のフルサイズ機等では“ギャップレスマイクロレンズ”というような説明のもとにマイクロレンズの隙間を最大限なくすことで集光効率を上げ、S/N比を高めてきています。

御社のスペシャルサイトでは、光の分解能を良くするためにマイクロレンズを小さくし、隣接するピクセルの間を空けるという逆の謳い方をしておりますが、そのメリットを改めて教えて頂けますか。



FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2

マイクロレンズをまるで絞りを絞るかのように開口部を小さくして、そこで光を受けるようにしたという事には、色をしっかり分離させたいという目的もありました。正確な色再現にはRGBそれぞれの色を正しく捉えることが大切になりますから。マイクロレンズが大きくて隣とのピッチが詰まってくると特に斜めの光が入った時や、センサー周辺部では混色が起こりやすくなってしまって、画質が落ちる懸念があります。特にこれだけ高画素になってきますと尚更です。それを防ぐために一個一個の画素の中に正しい光をしっかり入れようとした訳です。

一方で、マイクロレンズを小型化するとノイズが発生しませんか?と聞かれることがありますが、画素自体のサイズは大きいのでそういう心配はありません。

そして、「GFX」のセンサーにはもう一つ大きな独自性があります。それはシリコンプロセスの改良です。その結果、光飽和値が高くなり、ダイナミックレンジの拡大に寄与しています。中判カメラの魅力は圧倒的な解像力だけでなく、立体感、空気感までも再現する階調再現性にもありますから、こうした改良は非常に重要なのです。



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なるほど。他にも独自のカスタマイズとして「コンパクトにまとめるために配線系を後ろにまとめた」とありますが。これは画質に関してではなく、コンパクト化が目的の改良になるのでしょうか?



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そうですね。配線を横に出すとそれにつながる基盤も大きくなってしまいます。そこで、後ろに回そうと考えたのです。

「GFX」は奥行き方向に若干スペースがありましたし。それに、ハッセルブラッドや他の中判カメラにしてもそうですが、皆さん中判カメラだと横方向よりも奥行き方向に長いスタイルにある程度馴染みがありますよね?実はその方がカメラバッグへの収納性もいい場合が多いんです。

それもあって、「さらに横に伸びる」とか「グリップ部が厚くなる」という結果よりは「レンズ真後ろだけ少し厚みを持たせて、そこで必要なサイズを吸収し、全体のコンパクト化を達成しよう」というのが最終的に『GFX』の小型化の手段になりました。



 
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それが後ろの液晶部分が少し出っ張っていることの理由なんですね。なんだろうと思っていました。



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そうですね。でも、それだけがメインの理由ではありません。透視図がありますのでお見せしましょう。

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確かに「なんで後ろが出っ張っているのですか?」とよく聞かれるんですけど、配線だけでなく、バッテリーの搭載位置がここにあるというのも大きな理由です。じゃあなぜバッテリーをここに置いたのか?それは、電池交換のやり易さを追求したからです。

例えば、「GFX」が使われるだろうと想定している「写真館」や「結婚式場の写真室」だと基本的にカメラはクレーンや三脚に乗せっぱなしです。また、同じく中判の人気が高い風景写真においても、三脚を使って撮影する人が多い。この時にグリップの下にバッテリー室の開口部があると、雲台によってはいちいちカメラを外してバッテリーチェンジをしなければならなくなってしまいます。

横に開口部があれば、三脚に固定したまま、バッテリーやSDカードなど全てを交換する事ができる。そういうことも考えて『GFX』ではサイドスロットにこだわりました。それはバッテリーグリップも同じで、とにかく下からのアクセスはやめよう、という考えで作っています。

FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2
 

FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2

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今回の『GFX 50S』に搭載されているセンサーはX-Transではなく、ベイヤー配列のセンサーということで、多くの方が疑問に思ったと感じています。なぜ今回X-Transを採用しなかったのか、その理由を教えていただけますでしょうか。



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当然X-Transも技術的には可能でしたし、先ほど話した海外写真家ヒアリングでも「やはりX-Transでしょう」という意見はありました。

X-Trans最大の効果は「実際に解像力が上がる」ということなんですけど、もっと厳密に言うと“上がる余力のあるセンサー”に対してより有効なのです。例えば16MのX-Transなら24Mに匹敵する解像力、同じく24MのX-Transなら36Mに匹敵、という具合ですね。少ない画素でそれよりも1.5倍くらい多い画素のセンサーと対等の解像力が得られる技術、それがX-Transなんです。これは実際にテストチャートを撮影すれば実証出来ます。

よくトークショーで話すのですが、X-Transってクルマで言うところの“ターボチャージャー”に似ていると思うんです。現代の車は小排気量エンジンにターボチャージャーを付けて大排気量エンジンと同じ馬力やトルクを出す、というのが主流ですが、X-Transにもそういう効果がある。

ところが、これ(GFX)はそもそも既に5000万画素もある。そこからブーストして解像力をさらに上げる必要がどこまであるのか?という疑問が我々にはありました。

確かに1億画素の中判センサー機もありますから、そっち(X-Transによる高解像化)という話もあるかと思うのですが、X-Transになればいろいろと複雑な信号処理も必要になってきます。また、この手のカメラになると様々なブラウザーソフトや現像ソフトとの親和性がより大事になってくると思いますが、X-Transは完全に富士フイルムオリジナルの技術ですので、ソフトウエア会社などに信号処理のやり方をある程度開示しないと画像表示やRAW現像などは出来ないんですね。

例えば『X-Pro2』や『X−T2』のRAW現像がCaptureOneやPhotoshop、Lightroomでもできるのは、ちゃんと会社間で技術的やりとりがあるからなんです。

しかし写真家によっては他のソフトを使っている人もいますし、国によっても人気ソフトが異なる場合がある。じゃあ全てのソフトでX-Transセンサーで撮影された画像を表示するように出来るか?と言えば、それは正直難しい。コストや開発リソースの問題もありますから。そういったことを総合的に考えると、『GFX』はそもそも十分な解像力があるわけだし、カラーフィルターをシンプルにして他のメリットを生かした方がトータルで便利なんじゃないかと我々は考えたのです。

X-Transのもう一つのメリットであるモアレ、偽色の発生を抑えるという効果も同時に得られなくなってしまいますが、そこはこのカメラの使用者の技術的スキルの高さやユーザーニーズ、使用用途などを考えて、今回はローパスレスのベイヤー配列で行こうと決めました。

もちろん撮影条件によってはモアレは出ます。特に解像力が高いレンズを使えばその傾向は顕著になります。もし、超高画素センサー搭載機を所有している方で、モアレがよく出るとしたら、お使いのレンズの解像力が素晴らしい証拠ですね。

仮にレンズの解像力がそれほど高くなければ、ローパスレスの5000万画素機で撮影してもモアレはそれほど出ません。特に画素ピッチが小さいセンサーの場合はそうです。これは、いわゆる「レンズのローパスフィルター化」が要因ですね。

ちなみに『GFX』でテストチャートを撮ったらモアレはかなり出ます(笑)それだけレンズ性能がいいので。

ただ、それはあくまでチャートという固定パターンを撮るからであって、細かいチェック柄のシャツやスーツなどを撮ると出る場合もありますが、自然界とか、一般的な撮影シーンで「モアレが出て使えない」という意見は、我々がテストで数十人のカメラマンに使っていただいた限りでは殆どなかったですね。まぁ、最近はソフトウェアで比較的簡単に除去出来たりしますしね。



FUJIFILM GFX 50S インタビュー Part2

そうなるとプロセッサーの処理能力の進化であったり、転送速度の向上であったり、またはユーザーのPC環境の進化や時代のニーズで合わせて、今後は『GFX』もX-Transの可能性があるということでよろしいでしょうか?



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現段階では予定はありませんけど、物理的には可能でしょうね。

ただ、例えば今後センサーの画素数が上がったとして、それをX-Trans化してさらに解像力をブーストしたら、その能力で一体どんな被写体を撮るつもりなんだ?っていう世界になるでしょうね(笑)

おっしゃる通りX-Transセンサー搭載機でレスポンスや各種性能を向上させるには出来るだけ強力なプロセッサーがあった方がいいでしょう。しかし、それほどの高速処理プロセッサーを使うということは、それだけ電力を使うということにもなります。「高速処理可能な超高画質カメラを作りました。でも撮影枚数が200枚になりました」となったら、それは正しいカメラ作りではないのでは?と思うんです。

全てはカメラとしての総合判断ですね。これはXシリーズの時から言っていますけど、解像力って画質評価における一つの指標でしかない。先ほども言いましたが、X-Transにするのかどうかは、主に解像力を上げるか、そしてモアレや偽色低減をどこまで重視するか?ということです。もう一つの重要な画質の指標である「色再現」には関係ありません。ベイヤー配列だからフジフイルムの色や画質が出ないかと言われたら、そんな事は絶対ありません。そう考えると、GFXの場合は既にここまで解像力がある訳ですから解像力よりも優先するべきところが他にあるんじゃないですか?と思いますけどね。

APSフォーマットも含めて、全てのカメラがX-Transじゃないといけないなんて考え方は最初から我々は持っていないです。



 

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我々やユーザーがX-Transに対してステレオタイプみたいなものを持っているのかもしれませんね。『X-Transこそがフジフイルム』みたいなところがあると思うので。



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でもそれはすごくありがたい事なんですよ。やっぱりデバイスのオリジナリティってすごくブランドイメージとして重要ですし、我々もそこはわかっています。

ですので、XシリーズのAPS-Cセンサーに関しては今まで通りX-Transメインでやっていこうと思っています。

『GFX』は、「こういう解もあるよ」っていう、新たなフジフイルムの提案でもありますね。

  
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