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【新元号令和、平成を振り返る】平成元年生まれのレンズと私

[ Category: Canon|掲載日時:2019年04月17日 11時00分]


平成、それは


EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


平成、それは
私が生まれてから今に至るまでの全ての時間。

筆者は平成元年(1989年)9月生まれです。
私にとっては、景色や音楽、今までの記憶全てが平成そのものです。

平成の最後に、自分が生まれて最初に住んでいた街へ出かけておきたいと思い、
筆者がお供に選んだのがこちらです。

iPhone7


「Canon EOS 620」。
CanonがEOSを投入したのは1987年、
筆者が生まれた時、平成が始まった頃にはすでにEOSは世に登場していたのです。
このEOS 620は祖父が使っていたもので、
筆者が幼少期に、おそらく初めて「使った」カメラです。
岩国錦帯橋のそばで筆者がこのEOS 620を持っている写真があり、
また筆者自身もそこでファインダーを覗いて写真を撮った記憶があります。
ちなみにストラップとケース(半分のみ現存)は祖父が使っていた時のままにしてあります。

そしてレンズは「EF 85mm F1.2L USM」。
発売は平成元年9月、筆者と同じ年の同じ月に世に出てきたレンズです。
実は「1989年発売 レンズ」などでネット検索すると、
「Canon EF 50mm F1.0L USM」という
歴史に残るレンズが同じく9月に発売されていることがわかります。
様々な背景もあるかと思いますが、
当時のCanonの意気込みを感じるとともに、不思議な縁を感じます。
そうした感情を抱きつつ、今回はこの画像の組み合わせで出かけてみました。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


やってきたのは品川区大井町。
この駅周辺や西大井駅付近が筆者の記憶に残る、幼少期に過ごした世界の一部です。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


覚えている建物、変わってしまった街並み。
30年もあればいろんなものが変わっていきますが、
その中でも面影を残すものもあります。
そういったものを眺め、過去の記憶を手繰りながら、
直感に従ってシャッターを重ねていきます。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


そんな中、見慣れない看板が見えたので近寄ってみます。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400



「光学通り」
― そうか、ここ大井町だ

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400



全く違う目的で訪れていたので、看板を見るまで完全に失念していました。
今回の目的とはずれてしまうので掘り下げずに駅周辺に戻ります。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


写真としては特筆すべきものはありませんが、
この一枚は筆者に様々な思いを抱かせます。
まず写真左側、
筆者の記憶に残るこの先この周辺は、大型スーパーが移転して開業する前後で、
非常にすっきりした空間だったと思います。
今は3つの鉄道の改札とそれに伴う施設が並び、非常に賑わっています。
対して、この道をまっすぐ進んで線路沿いにあった、
筆者のお気に入りのラーメン屋(兼中華料理屋)はなくなっていました。
ある程度物心つく年頃に何度か行っていたはずと親に店の名前を聞き、
かつては夏と年末のイベント帰りに空腹を満たすために訪れていた店。
時間は自分が思っている以上にどんどん進んでいることを痛感する一方、
こうして色々振り返りながら歩くのもカメラの楽しみかとも思いました。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


先ほどの通りの右手は商店街で、その裏は昭和の雰囲気を残す飲み屋街です。
まさに明るいレンズの出番です。
開放付近でどんどん撮影を進めます。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


フレアで二重のリングが写りました。
フィルムの粒状感、背景のボケも相まって、少し情緒を感じる一枚になりました。
狙ったわけではないので、驚くとともに、フィルムでの撮影の面白さを感じます。
これがデジタルだったとしたら、
「あ、フレア撮れた!もう一枚もう一枚」と、
画像を確認した上で、もう一枚同じような写真を狙ったことでしょう。
フィルムでは現像するまでそれはわかりません。
偶然、不図、大げさにいえば奇跡。
現像して出てくるものは「過去」です。
その過去となった偶然を噛みしめる、それもフィルムの楽しみだと思います。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


幼い頃何度かお詣りした神社。それは3歳以前の話のはずですが、
「三つ又の交差点からずっと通り沿いに行った先」という謎の文章が頭に浮かび、
現代文明の利器、スマートフォンの地図アプリで確認した上で向かいました。
平成の間に便利な世の中になりました。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


ボケが綺麗、一方で開放でも解像は十分と、もちろん現像してから思いました。
このレンズがどういった写りをするのかをデジタルでもみてみたくなります。
85mmでF1.2というと、連想ゲームのように「ポートレート」という言葉が浮かびます。
今回の撮影ではポートレートは準備できないと思ったので街歩きをしておりますが、
このカメラ、このレンズで当時ポートレートを撮っていた方もおられるのではないでしょうか。
もっとも、ISO感度が変幻自在な昨今のデジタルカメラと違い、
フィルムの感度の都合などもあって、
明るい大口径レンズだからといって必ずしも開放を狙えるとは限らなかったとも思います。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800

ここまで考えて、
当時こそ、機材選びは重要だったのではないかと思い至りました。
撮影用途を踏まえて、
使うカメラのシャッタースピード、
使うレンズの最大開放値・最小絞り値、
使うフィルムの感度・特性、
そのほか全てを吟味、勘案して機材選びをする。
便利な時代になったからこそ忘れてしまいそうなこと、
撮影の醍醐味を改めて思いかえし、今、手に握る機材に思いを巡らせます。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


「あ、しんかんせん! きた!」
記憶に鮮明に残る場所です。
ここは西大井、筆者が生まれてから3歳頃まで住んでいた街です。
また、筆者が小学4年生の時までこの通りに沿いに母方の祖母が住んでおり、
その建物の屋上から新幹線が通るのを見ていた記憶があります。
道行く人々や通りの建物が変わっても、新幹線の走るこの街の雰囲気は当時のまま。
いつまでもこの雰囲気は残って欲しいなと思いつつ、
また帰って来よう、そう思える光景です。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


完全に変わってしまう場所もあります。
この公園は先ほどの道のすぐ先、踏切のそばの公園です。
当時細長く、すごい狭い公園だったという記憶があるのですが、
今や85mmという焦点距離ではどうやっても収められないサイズの公園になり、
もちろん残っている遊具もあるわけがなく、珍しく全く面影のない場所となっていました。
今遊んでいる子供達が、将来、大きくなってここに帰って来た時、
ここはどうなっていてどんな感情を抱くのか、
その時のために、ぜひ保護者の方には今のお子様とこの光景を写真に残していただきたい、
そう素直に思いました。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400


この後、両親がまさにちょうど30年前に訪れた水天宮へ移動しましたが、
話がどんどん膨らんでしまうのでこのあたりで筆をおこうと思います。

カメラを持っておおよそ4年と少し、これまで当たり前だった光景や、
思い起こされる記憶への感じ方も変わってきました。
例えば先ほどの光学通りの看板、
カメラを持っていなかったら気にもしなかったかもしれません。
その街その場所を今までと違う視点で眺めることができます。
今の実家周辺が思わぬ撮影スポットだらけだったりして、
実家へ帰るついでにどんな写真を撮ろうか考えるのもまた一興。
ファインダー越しに今見える光景と記憶に残る光景を重ね合わせ、物思いに耽るのもまた一興。

EOS620+EF 85mm F1.2L USM
FUJIFILM SUPERIA Venus 800


平成の終わりまでのこの数年で、
30年近く生きてきて、
ようやく
心のそこから自分の一部として楽しめる趣味に出会えました。

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[ Category: Canon|掲載日時:2019年04月17日 11時00分]

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