【Nikon】新標準ズームで日常にスパイス
スパイス11
皐月になって、すっかり日も延びてきました。
めまぐるしく過ぎていく季節の中で、様々なカメラ機材が新たに登場しています。
本日ご紹介するNikon Z 24-70mm f/2.8Sも、4月19日に発売したばかりの新製品です。
すべてが新しい待望の「標準ズーム」
Nikonの誇るF2.8通しのズームレンズライン、いわゆる大三元。
その中でも24-70mmという焦点距離は、様々な撮影にまず必要なもっともポピュラーなレンズと言って差し支えありません。
従来からプロが現場で多用する同レンズは、相応の描写性能を持って数々の傑作を生み出してまいりました。
そして、新規展開されたZマウントにおいても、その役割は変わりません。
一眼レフ用マウントであるFマウントからより短いフランジバックを持つZマウントに適合するために、レンズ構成をはじめとする様々な部分が従来の製品と全く違いますが、
描写性能においては、全域においてより使いやすいものになっていると感じました。
それでは、実写画像をご覧ください。
(ISO64 SS1/13 F5.6)
ここ最近では一番暖かい日でした。
燦々と太陽が照っていて、被写体のコントラストも高目。
シャドーが多い環境でフレーミングすると、シャッタスピード1/13の文字が。
恐る恐る画像を確認するも、まったく手振れしていません。
強力なレンズ・ボディ内双方の手振れ補正の恩恵と言えます。
(ISO64 SS1/20 F5)
シャドーは潰れすぎず、ハイライトは飛びすぎず、中間調がしっかりと描写される傾向です。
試写したボディがZ7だったので、ダイナミックレンジを優先し、カメラ側ISO感度をできるだけ低感度に固定して撮影していたのもありますが、低感度撮影における手振れ補正の効きのよさは、やはり撮影の自由度という点においても多大な影響があります。
なおかつ、この葉の表面の模様をこのように綿密に写し取る描写性能。魅力的です。
(ISO64 SS1/80 F8)
温室の内側から、外界を狙います。
角度修正の為に若干のトリミングを行いましたが、こういった場合は高画素と高解像レンズの描写性能に大きく助けられます。
(ISO64 SS1/50 F8)
やさしい風が吹く木陰のベンチ。
解像感を得るために絞りこみましたが、がちがちになり過ぎない描写をします。
(ISO64 SS1/13 F8)
とはいえ、シャープネスが必要なときには十二分に性能を発揮できます。
水面と木々の描写にご注目ください。
フィルム時代はピーカン不許可でしたが、最新デジタルカメラのシャドーは階調が残るのでアンダーで切り詰めれば救いやすいです。
逆光のシチュエーションが多くはなりましたが、ナノクリスタルコートに加えて、新開発のアルネオコートのおかげで、気になるゴーストが出る環境は極めて少ない印象がありました。
(ISO64 SS1/8 F8)
調子に乗って、こんなローライト環境でも絞って撮影。
若干手振れしましたが、これくらいの鑑賞フォーマットであればあまり目立たないという結果になりました。
(ISO64 SS1/25 F2.8)
比較的近接な被写体にフォーカス。
破綻のない段階的ななだらかなボケが確認できます。
こういった設計思想は、旧来のレンズより代々受け継がれきたものですが、最新の当レンズにおいても、それは変わりません。
新しい時代を、新しいレンズと共に。
年号が令和に変わり、いつもと同じようで、また、少し違ったような、新しい時代が幕を開けました。
写真における技術的な進歩も、いまだとどまる事を知りません。
Z 24-70mm f/2.8Sをボディに取り付けて電源を入れると、レンズに設けられた表示パネルに、「NIKKOR」という文字が現れます。
元来より高品質で、その時代に持てる技術をすべてつぎ込まれてきたNIKKORレンズが、また形を変え、撮影者をサポートするのだと感じ、なんだか少し感慨深くなりました。
新しい時代は、新しくなった24-70mmと共に。いかがでしょうか。
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