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【街で見つけた形にフォーカス】名前のないかたち【SONY】

[ Category: SONY|掲載日時:2020年01月28日 20時00分]

写真を撮るとき、被写体の形を意識するのはどんな瞬間ですか?
被写体を見つけたとき。
フレーミングして、構図を考えているとき。
シャッターを押す瞬間。
はたまた、撮り終わって、今日の思い出を眺めるときでしょうか?

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

私はシャッターを押す瞬間に被写体の形を意識しているように思います。
撮影の準備は全て終わり、あとはこの人差し指で快音を鳴らすだけ。
その瞬間に、散漫していた意識のすべてを被写体に向け、君たちが今から写真になるよ。
そんなことを心の中で思いながら、伝えながら、シャッターを切ります。
ちなみにこれはウインナコーヒーのクリームです。あまいかたちをしています。

街にはかたちがあふれています。
まる、しかく、さんかく、もちろんかたち。

でも、そればかりがかたちではありません。
身振り手振りで伝える、かたち。
巧みな言葉で説明する、かたち。
指さしながら、これこれ、かたち。
誰もが知ってる、○○の、かたち。
誰も知らない、なんて言えばいいんだろう、そんな、かたち。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

浅草も例に漏れず、かたちがたくさんありました。
ほら、長方形がたくさん。

かたちが形である為に重要なのはただひとつ。
持った色を外に逃がさぬ細胞膜がはっきりしていること。
誇張せず、甘やかさず、実直に世界の形を写すこのレンズが私は好きです。

Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical。
筆者、最近はフィルムばかりで、このレンズの出番はなかなか回ってきませんでした。
怒っていないと良いのですが…久々に、使っていきましょう。
何か描写を確認できそうなもの…

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical



どうやら機嫌は損ねていないようです。
(頻繁にフィルムスキャンで使ってあげていたからでしょうか…?)
長い長いヘリコイドのストロークをぐるぐる回し、
思っていたよりも遠い遠い被写体にピントを持っていくと、感じる快感はひとしお。
ピントが合う瞬間に、いわゆる“ピントの山”をはっきりと感じ取ることができます。
ちょっと画面内で拡大してしまえば動き回る被写体も思いのまま、外すことはまずありません。

SONYα7RⅢにこのレンズを付けて撮影しています。
もちろん高画素機がゆえのこの描写、ではあるのですが、普段使っているほかのレンズと比較するとやはりアポランターは群を抜いています。
色収差は最小限、ピント面の質感は肉眼が伝える情報を軽く超え、写した空間の大気すら捉えるというのは過言ではない。
そんなことをつくづく思い知らされます。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical


SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

聳え立つランドマーク。
花やしきですね、私はまだ行ったことがありません。
金属や、人工物の過ごした時間を感じさせる空間を残すのもこのレンズの得意とするところです。
錆、脆くはなれど美しい、長い時間に晒され、表現し続ける様を目の当たりにし、街の時間を吸い込んだ。そんな気持ちになります。
歴史が可視化された町並みはさながらタイムスリップかのよう。
時間旅行なんて表現よりも“タイムスリップ”の方がワクワクします。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

今ではもう新しく作られることは滅多にない、かたち。
この視界を遮ろうとする工事現場にはどんなかたちが作られるのでしょうか。
きっとそのかたちも、何十年後には珍しいものでしょうか。


SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

少しだけですがモノクロも嗜みます。
“それっぽい”写真が撮れてしまうのであまり得意ではありませんが、かたち、その表情を堪能するために頑張りました。
普段は浅めの色が好きですが、モノクロなら打撃力すら感じる高コントラストで重圧のある雰囲気も良いかもしれませんね。
レンズを支える左手にかかる重量、これを体現する写真。痺れます。もっと上手く撮ることができたらきっと気持ちいいのでしょう。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

65mmという焦点距離で街を写せば50mmよりやや狭く感じます。
いえ、当たり前なのですが…切り取った、という心持と、風景を写した、という心持。その二つの感情が両立できるちょうど真ん中がこの65mmだと思います。思うだけです。思うだけですが、感じていただけたら嬉しいですね。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

少し離れた被写体もふわりと浮かび上がってきます。
「きっとこの後人がすぐ通るんやわ」、そう思いながら撮りました。
その風景の写らない過去を想起させることは、写らない未来を想起させるよりも少し簡単かもしれません。だってそこには痕跡があり、動きがあり、温度が残ります。私が持つもう一本のレンズはそんな過去を写します。でもこのレンズは未来を写せます。親バカでしょうか。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

理路整然、その先の未来、形あるものは全て、なんとやら…
かたちを見るということはそういうことだと考えます。
かたちを見る、その未来を見る、このレンズならきっと見える。

SONYα7RⅢ + Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

きっとその根拠は我々人間の限界を超えた記録能力にあるのでしょう。今という時間を肉眼より緻密に写すこのレンズだからこそ、今を120%表現できるこのレンズだからこそ、未来に目を向ける余裕があるのかもしれません。

12年ほどカメラに、写真に、いろんなことを教わっています。
きれいに撮ることがすべてではない。
そのままの色を表現することが正解でも、間違いでもない。
形にフォーカスして、時間を感じることが出来るというのも最近学んだことです。
想像もしないことを斜め上から教えてくれる先生は、何十年も昔の遥か彼方遠い国で生まれた金属とガラスでできた精巧な塊かもしれません。

声を聴いてみてください。
そのかたちが崩れる前に。



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[ Category: SONY|掲載日時:2020年01月28日 20時00分]

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