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【中秋の銘玉】盈月1.25

【中秋の銘玉】盈月1.25

中秋の名月。
古くは平安時代から続く「観月の宴」、貴族が集まっては酒を飲み、歌を詠み、管楽を楽しんだそうな。
そんな現代にも続く月見という風習のお供は専ら、月見団子とススキでしょうか。

まんまるのお月様を観ながら、団子を頬張るもよし。
まんまるのレンズを観ながら、夜に酔うのもまたよし。

カメラ好きの方々はレンズのことをしばしば「玉」と呼びます。
誰が言ったか中秋の銘玉。今宵は月見団子の代わりに月見レンズと洒落込みます。

頭上には明るく輝く十五夜の月。
人々の生活に強く根差した“月”の種類は数あれど、こと観月に於いて【中秋の名月】に勝るものは無いでしょう。
とはいえ、満月はいつ見ても等しく人を魅せるもの。どうしてこの時期の満月がこれほど喜ばれるのか。
それは偏に、残暑も終えた秋の夜長が一番気持ちがいいから、そんな理由かもしれません。
また、実りの時期でもあるため、観月の宴は月を見、豊穣に感謝するという意味も込められていたのかも…
今となっては遠い歴史のお話なので、真実こそ分かりませんが。

手元には月明かりを反射した1本のレンズ。
60年の歴史を持つライカMマウントのレンズは数あれど、ハイスピードレンズの王、【Noctilux】は永遠の憧れです。
口々に語られるこのレンズ、どうしてここまで人を魅了するのか…

その答えは今、手の中にあります。

しばしば、レンズを見て酒が飲める、というお話を聞くことがあります。
Leica Noctilux M75mm F1.25 ASPH.も例に漏れず、愛で、語らうに相応しいレンズでしょう。

手にするとずっしり感じる重量、覗き込めば光を飲み込むかのような透き通ったレンズ群。
所々に反射される世界はまるで、白昼夢を見ているかのように超現実的な色をしています。
レンズに引き込まれるような感覚は、目を離せなくなるほどに人を魅了するがため、そう錯覚しているのかもしれません。

鏡胴の中には、贅を尽くした6群9枚。
それでは、写る世界をご覧ください。

ふらっと歩きながら、一瞬の写真。

ピント合わせも、合焦面の山が掴みやすいので難しいことはありませんでした。
非常に薄い被写界深度でありながら、ここまで直感的に決まるレンズです。

モノクロでの写りも、豊かな階調が空気感を表現します。

色を取り去り、ごく単純な白と黒だけで撮影すると、このレンズによる「形」の捉え方を知ることができます。
ごく薄く繊細なピント面では驚くほどの解像力を有し、非常に滑らかなペースで蕩けてゆくボケを作り上げる表現力。
前後のボケ感は汚さを感じさせず、尚且つ現実世界を遥かに超越したもので、見る者を確実に虜にします。

明るいレンズの本来の目的でもある暗所撮影。
これぞ大口径…わずかな街頭の明かりしか無いにもかかわらず、十分なシャッタースピードで撮ることができました。

肉眼でも、暗い、そう感じる光景をこうしてしっかりとした画にできる。
それだけでも感動を覚えます。

連続する被写体を撮影すると、ボケ方の如何に美しいかが如実に表れます。
何気ない日常の風景ですらこのレンズを通して非日常へと繋がってしまうような。

人類が唯一到達できた地球外の星である、月。
遠く眺めるからこそ美しく、壮大で、幻想的なのかもしれません。

しかしやはり憧れる、手元に月をひとつ。

手の届かないものではありません。
極上の体感をしてみてはいかがでしょうか。



[ Category:Leica | 掲載日時:20年10月01日 11時30分 ]
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