【大人の自由研究】【SONY】20mm E Mount AF Lens
SIGMASONYSONY G Master/G lensTAMRONTokinaα9III 120コマ/秒対応大人の自由研究
マップカメラスタッフがお送りする大人の自由研究。
本記事でお送りいたしますのは、SONY Eマウントの20mm単焦点レンズの1部を撮り比べとなります。
今回選んだレンズは、下記の4点です。
「SONY FE 20mm F1.8 G SEL20F18G」
「Tokina FiRIN 20mm F2 FE AF」
「TAMRON 20mm F2.8 DiⅢ OSD M1:2 / Model F050SF」
「SIGMA Art 20mm F1.4 DG HSM」
焦点距離が20mmであることとAFが使用できることが共通点となり、開放F値や値段などが異なる人気の4本のレンズたちとなります。
パースを効かせた写真を撮ることが好みな私の視点から見た、4つのレンズの違いを研究してみました。
ボディはすべて「SONY α7RⅡ」を使用しており、単焦点ならではの特徴を生かすためにすべて最大開放で撮影をしております。
なお、撮り比べ・比較の研究であるにも関わらず、三脚を使うのが苦手な私は、すべて手持ちで撮影しております。
ですので、撮る位置が若干異なっていたり、比較しずらいところがあるかもしれません。申し訳ございません。(次回の研究ではより精密に出来るように心がけます…。)
まずは、同距離からのボケ感や収差の出具合、使い心地を比べてみました。
SONY FE 20mm F1.8 G SEL20F18G
ほんのわずかに樽型の歪曲収差が見受けられますが、F1.8であるにも関わらず前ボケ後ボケ共になめらかな仕上がりとなりました。
4本の中で一番早くAFが早く合ってくれましたが、焦点を合わせる際にAFが前後に動くことが印象的でした。
Tokina FiRIN 20mm F2 FE AF
歪曲収差はほとんど見受けられなく、見たままの写りをしてくれました。
AFスピードは遅い印象が強く、撮影時にAFを合わせるときの動作音が少し気になりました。
ですが、夕暮れの薄暗い中でも大きく迷うことなく、ピント合わせをしてくれました。
TAMRON 20mm F2.8 DiⅢ OSD M1:2 / Model F050SF
4本の中で1番樽型の歪曲収差が見受けられました。
AFスピードはゆっくり、のんびり合うため、速写には向きません。
暗所も少々AF合わせに時間がかかりました。
4本の中では1番お求めやすい価格であるが故の結果とも言えるかと思います。
SIGMA Art 20mm F1.4 DG HSM
歪曲収差はほとんどなく、その場の雰囲気をそのまま切り取ってくれました。
AFを合わせる際も、前後に迷うことなく、すーっと焦点を合わせてくれました。
慌ただしいAF合わせを待つことはない上、SONYと肩を並べるほどAF合わせも速いため、心を落ち着けて撮影ができた気がしました。
続きまして、最短撮影距離を比較してみました。ボケ感の違いも合わせて比較いただければと思います。
SONY FE 20mm F1.8 G SEL20F18G
最短撮影距離0.19mで、近接撮影に向いているレンズです。
先ほどと同様、やはりF1.8であるにも関わらず、前ボケ後ボケが非常に自然です。
Tokina FiRIN 20mm F2 FE AF
最短撮影距離0.28mで、4本の中ではあまり寄れないレンズです。
草木のボケ感がTokina独特のボケ感が印象的です。
撮影距離やF値の関係から、丸ボケがはっきり写っておりますが、綺麗な丸ボケであることがよくわかります。
TAMRON 20mm F2.8 DiⅢ OSD M1:2 / Model F050SF
最短撮影距離0.11mと、かなり寄ることができます。
フードをつけて撮影しますと、フードと被写体がぶつかってしまうほどの距離でした。
寄って撮れるからこそ、パースを効かせながら被写体の質感がはっきりとわかります。
F2.8と、4本の中では1番開放F値が大きいですが、被写体との距離の関係上、そうとは感じられないボケが魅力的です。
SIGMA Art 20mm F1.4 DG HSM
最短撮影距離0.27mmで、ピント面が非常に薄いため、近接撮影にはあまり向いていないレンズとも言えます。
ですがやはり、収差が多くは見受けられないため、見たまま自然な写りが印象的です。
ボケ感も非常になめらかで、F1.4で撮影したいと思わせてくれるレンズでした。
最後に、それぞれのレンズでのお気に入り写真をご紹介いたします。
SONY FE 20mm F1.8 G SEL20F18G
広がっている草木が美しいと思い、足元に向かってさっと撮影した写真です。
AFも迷うことなく中央の一番先端の草木にピントが合ってくれ、そこから外へ滑らかに広がってゆく草木。
ボケ感や若干の収差を含めて、とてもナチュラルで良い雰囲気の仕上がりとなりました。
Tokina FiRIN 20mm F2 FE AF
通常倍率だと魅力が伝わりずらいので、中央部を拡大してみました。
Tokinaの圧倒的な解像力…。思わず息をひそめてしまいます。α7RⅡの画素数を十二分に生かせるレンズです。お見事…。
この独特なボケ感と解像力は、Tokinaらしい唯一無二の存在。開放で撮るのにはまってしまいそうです。
TAMRON 20mm F2.8 DiⅢ OSD M1:2 / Model F050SF
この日撮影したローアングルから見上げての撮影の中で、1番好みだった写真です。
画面中央部に、ひょっこりと虫さんが写ってくれました。(センサーゴミではありません…。)
レンズの良し悪しは、解像力や描写力だけではないと、私は思います。
樽型の歪曲収差の効果があるからこそ、まるで自分が小さくなったかのような…森の中を探検しているかのような写真を撮ることが出来ました。
収差を欠点と捕らえずに、生かして撮ることが出来たこちらの写真は、今回のラインアップの中ではTAMRONでしか撮れないと感じました。
SIGMA Art 20mm F1.4 DG HSM
最初の写真の構図から、少し寄って撮影したもの。
浅いピント面にも関わらず、なめらかに自然にボケていく表現に驚きました。
F1.4と、4本の中で1番F値が低いこともありますが、それだけでは言い表せられない独特な世界観に魅力を感じました。
こちらもSIGMAらしい唯一無二な空気感が伝わる写真でした。
いかがだったでしょうか。
焦点距離は同じ20mm単焦点でも、それぞれ個性があることがお分かり頂けましたでしょうか。
今回ご紹介いたしました4本以外にも、Eマウント20mmレンズはMFフォーカスレンズなどのラインアップがありますし、またもう少し広角の単焦点レンズもあります。
数多く似た焦点距離のレンズが世の中に存在しますが、レンズ選びの正解はない為、好きなボディ・好きなレンズとの組み合わせを考えると、選択肢は無限大ほどにあります。
そう考えると、ボケ感や収差含めて自分好みなレンズに出逢うことは非常に難しいことだと感じます。
ですが、沢山のレンズを試し、自分に合うぴったりなレンズを見つけた際には、最高の相棒になることは間違いないです。
このような研究を行うと、自分好みの写りへのこだわりが見つかりますので、私にとってとても有意義な時間でした。
また近いうちに、同焦点距離での研究を行いたいと思います。
最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。