
誰もが憧れる大口径レンズ。
レンズ交換式カメラを所有したことがある方なら一度は”欲しい!”と思ったことがあるかと思います。
私自身もキットのズームレンズからスタートし、単焦点レンズF2、F1.8、F1.4とステップアップ。大口径ならではのボケにのめり込んでいきました。
そんな中、ある日SNS巡りをしていると、ハッとさせられる写真が目の前に飛び込んできました。
オールドレンズ特有の柔らかい描写
浅い被写界深度と独特の立体感
その写真を生み出したのが「Nikon Nikkor 55mm F1.2」でした。
欲しい欲しいと思いながらも、なかなか手に入れる機会が無い中、数年前に何度か撮影を行う機会に恵まれましたので、当時の写真を交えながらその魅力に迫ってみたいと思います。
撮影したのは6月 梅雨の季節。ボディはCanon 5D mark IIIにアダプターを装着して撮影しています。
アジサイを撮影するために、埼玉では有名な権現堂へと向かいました。
ボケを楽しみたく解放F1.2で撮影、想像以上に柔らかく素晴らしい映りに感動しました。
しっかりとピントの芯は残りつつ、ふわっとした仕上がりは花やポートレートの撮影に最適です。
ボケも現代のレンズに比べると特徴的なところもありますが、これもまた味の一つ。楽しみ甲斐があります。
前ボケを大胆に入れてみた一枚は、今でもお気に入り。
この柔らかい雰囲気はNikon Nikkor 55mm F1.2だからこそ。
手に入れられるのであれば、ずっとそばに欲しいレンズです。
強い光が当たっている部分は、絞らないと独特のフレアが発生します。
これもまたどことなく幻想的な雰囲気を醸しだし、いいアクセントとなりました。
先ほど撮影した赤い番傘を下から一枚。
竹の骨組みを編み込んだ細い針金、オールドレンズだと二重ボケになってしまうこともありますが、本レンズは質感も自然に残っています。
F1.2という大口径ながらボケが破綻しないところも惚れ込んでいるポイントです。
スナップ撮影でも本レンズを思う存分楽しむことが出来ます。
解放での撮影では周辺減光も発生しますが、それもまたよし。フィルム時代の懐かしい映りを感じることが出来ます。
季節は変わり、夏の暑い季節に撮影した写真です。
こちらはCanon EOS Kiss M(APS-C機)に装着して撮影しました。
キヤノンのAPS-C機は焦点距離が1.6倍になりますので、実質88mm相当のレンズとなります。
フルサイズ機に比べるとボケ量は減りますが、焦点距離が伸びた分、圧縮効果が生まれます。
85~90mm付近の焦点距離はポートレートにもばっちり。柔らかい描写も相まって夏らしい雰囲気が伝わる一枚になりました。
手振れ補正が搭載されたミラーレス機が数多く出回り、数年前に比べてオールドレンズの楽しみ方が大きく広がりました。
今回は手持ちのCanon機での撮影でしたが、手に入れた暁には同メーカーのNikon 手振れ補正付きのZシリーズに装着して楽しみたいと思います。