皆様はこちらのカメラをご存知でしょうか。
下記のブログでも触れた『CONTAX S2』です。
【自機一体】マップカメラスタッフこだわりの逸品 Vol.30
今回はS2の魅力をいくつかの写真をご覧いただきながらお伝えできればと思います。
どうかお付き合いください。
S2はコンタックスカメラ初の完全機械式マニュアルフィルムカメラとして1992年に発売されました。
筆者が所有しているのはコンタックス60周年記念モデルで、チタンボディに刻印された文字が非常にカッコいいです。
(Yの字体がなんとも言えません…!)
刻印の無い通常仕様のものの方が台数が少なく、市場では珍しいという変わったカメラでもあります。
チタンに貼革のいかにも高級感漂うボディは、見た目だけでなく使い心地も抜群です。
現代のデジタルカメラのようなグリップがなくとも手に吸い付くような触り心地は撮影時に大きな安心感を与えてくれます。
こういったこだわりから当時のカメラ業界の勢いを感じることができます。
右側のダイアルがシャッタースピード、中央がシャッターロック、左側が巻き上げクランクです。
4000分の1までシャッタースピードが上げられるため、比較的高い感度のフィルムを低いF値で使うことができます。
シャッターのロック機構は、巻き上げた状態でバッグに入れた際などに誤ってシャッターボタンが押されることを防ぎます。
フィルムの価格が高騰している今だからこそかかすことのできない機能の一つです。
筆者はフィルムを巻き上げる時の心地よさをS2を触ったことで初めて知り、以来手動巻き上げのフィルムカメラにしか興味を持てなくなってしまいました。
完全機械式ということでフィルムの巻き上げに限らず、装填・巻き戻し・さらには露出の設定までも自分で全て行う必要があります。
さらにS2はスポット測光を採用しているため、カメラ単体だと露出がかなりシビアになります。
(S2の改良版として1993年に発売されたS2bは中央部重点測光を採用しています。)
使うには難しいポイントの多いS2ですが、大きな利点もあります。
完全機械式カメラは電子部品を使っていないため故障しても修理が可能だということです。
修理ができる、末永く使うことができるという点でS2を選ぶ方も多くなっています。
ここまでS2の難しさばかりが目立ちますが、このように窓が付いているのでどのフィルムが入っているのか一目瞭然です。
些細なことではありますが意外と大事なポイントなのです。
ここまでS2について熱く語らせていただいていますが、実はこのカメラは筆者自身のものでなく父親のものなのです。
(あまりに筆者の使用頻度が高く、愛があふれているため自機とさせていただきました。)
大学時代にカメラを趣味にしようと思い家にあったS2を持ち出し、操作の難しさに屈し初めて自分のカメラ(このときはデジタルでした)を購入しました。
そこで写真の魅力を知り、多くの写真を撮り、様々なカメラに触れた後でS2に戻ってきたのだから不思議なものです。
後に自分でS2bを購入しましたが、表現したい光を正確に捉えることのできるスポット測光のS2を持ち出す機会が多くなっています。
また筆者がS2を使う大きな理由の一つがCarl Zeissのレンズを使うことができるということですが、この点については次回のブログでお話させていただければと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。