今日、11/30はカメラの日です。『Konica C35 AF ジャスピンコニカ』という世界初のオートフォーカス(AF)を搭載したカメラが発売された日に由来します。
カメラの原点は約180年前、
35mmサイズのカメラが登場したのが約100年前、AF機能が搭載されて約40年と長い歴史で様々な進化を遂げました。
これからも、我々の想像を超えていく様な進化があるかと思います。
そんなカメラの日にちなんで各メーカーのフラッグシップ機ともいえる一台をご紹介してまいりました企画も、本日が最終回。
今回ご紹介するのは「Leica SL2」です。
使用したレンズは由来にちなんでKonica Hexanon 35mm F2。1996年、限定1,000本で発売されました。
コンパクトとは言えないサイズではありますがコンパクトカメラの銘機、Konica Hexarに
搭載されていた同レンズが非常に評判が良く単体で販売されたモデルです。
筆者もHexarは愛用していた事もあり、このレンズは少し気になっていました。
SL2と純正Mマウントアダプター、そしてL-Mリングを装着しての使用。
※純正アダプターは6bitコード読取が発生する都合でプロファイルの呼び出し画面が頻発し、
使用に工夫が必要でした。場合によってはサードパーティ製が快適にお使いいただける場合もあります。
開放での撮影です。
目を凝らしてみるとピント部は柔らかめ。コントラストも少し穏やかながら
発色はしっかりと出ています。ボケの輪郭がやや強く場合によっては煩く感じられる場面も。
少し露出を落として撮ると言葉にし難い何かを見せるSL2の画づくり。
一見これといったポイントはありませんが直感で撮影した1枚。
撮ったデータを見ると、Harry Gruyaertという写真家のイメージが恐らく自分の中で
何かあったのではないかと思います。この色の出方はやはりLeica機ならでは。
パッと見ると日本で撮影したのか分からなくなる1枚です。
SL2の画作りもあり、比較的彩度が高く見えるのは確か。
しかし後のM-HexanonやUC-Hexanonと比較すると、このレンズは少し傾向が異なるようにも見えます。
上記の2本は少し彩度が高く、画作りとしては少し腰高な印象を抱いていました。
今回使用したHexanon 35mmはどちらかというと素直で露出を切り詰めても少し情緒のある画です。
近年のフォクトレンダーVMレンズ群と似たものを感じます。
少し絞るとシャープに。面白いことに線に不思議と緊張感はありません。
質感はしっかりと捉えており、誇張せずに眼前を写し取る余裕のようなものを感じます。
開放で最短距離付近での撮影。
周辺減光と落ち着いた発色がしっかりマッチしています。
SL2の画作りとも相まって、印象的な場面として捉えてくれました。
35mmという焦点距離は若い時はなかなか馴染めず使いにくさを感じていました。
現在はほぼメインの焦点距離と代わり、自分自身の見方というのも変わるものだなと。
準広角と呼ばれるところで広角レンズのような遠近感の強調や、
標準レンズのように1点に撮りたいものを絞るような事はしません。
むしろ見たままに目の前を撮影する。それが35mmとの付き合い方なのかもしれません。
SL2の重厚なボディをストリート撮影に使用するという事に最初は抵抗も。
前回の記事の執筆からSL2を街中で持ち出してみたら、上記の不安が払拭され
自然と違和感なく使っている自分の姿がありました。不思議と馴染んでくるのはやはりLeicaならでは。
むしろ重厚なボディだからこそ持っていると自然と撮影にも気が入るものです。
最後はモノクロームで。
筆者がHexarを使用していた時は主にモノクロフィルムでの撮影でした。
その時に何が印象的だったのか、それは階調の豊富さです。
画像は開放で撮影したものでかなり意地悪なシチュエーションです。
ハイライトは飛んでしまいましたが…シャドウ部分の階調の連なりは伝わる1枚。
最後は自画像です。光の加減も良く印象的。
SL2と使用したHexanon 35mm F2はどうだったのかというと、結果大満足の組み合わせ。
特筆した部分というのも見つけにくいのですが、全体的にまとまっており
丁度現代レンズとオールドレンズの中間に存在する描写のレンズとも言えます。
フィルムHexarが現われた時にこのレンズを「和製ズミクロン」と称する人も多く、実際にライカユーザーでも
サブ機に持つ方も多かったとか。開放撮影の周辺の滲み具合や、絞った時の切れ味、発色等は改めて見ると
第二世代の6枚玉ズミクロンを彷彿とさせる特徴。
SL2はオートフォーカスのSLレンズを使用する事も楽しみ方の1つです。
同時にファインダーの視認性が高く、今回のようなマウントアダプターでマニュアルフォーカスのレンズを使う事も
しっかり念頭に置かれている点もSL2やSLシリーズのもう一つの神髄と言っても過言ではありません。
Mシリーズのレンジファインダーとなるとどうしても大口径レンズのピント合わせは至難の業です。
SL2を持っておくと、この悩みも大きく改善してくれます。
Hexanon 35mm F2(L)
M-Hexanon 35mm F2
UC-Hexanon 35mm F2(L)
最後にオマケです。
今回のHexanon 35mm、M-Hexanon 35mm、そしてUC-Hexanon 35mmの開放撮影比較です。
よく見るとボケや微細な差異が見られます。あなたの好きなHexanonを探してみてください。
・・・
これからも新しい機能を備えたカメラが続々と登場してくることで
しかし今回ご紹介したフラッグシップ機は、
マップカメラではそんな銘機たちを多数取り揃えております。
実際にお手に取って試されるも良し、
この機会に是非マップカメラをご利用いただき、
他社製マウントアダプターでもお楽しみ頂けます!
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