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【CONTAX】春の訪れをPlanarで愉しむ

こんにちは。

4月も半ばに差し掛かり、新年度に入った慌ただしさも徐々に和らいできた時期ではないでしょうか。
こんな時にこそ、カメラを片手に春を感じに出かけてみるのもいいかもしれません。

そこで今回は、CONTAXのレンズ2本とFUJIFILMのボディを組み合わせて出かけてみました。
また、「ハイキー」をテーマにして春の穏やかな空気感を纏わせた写真を撮ってみました。

↓ 今回使用した機材はこちら ↓
FUJIFILM (フジフイルム) X-Pro2
CONTAX (コンタックス) Planar T*50mm F1.4 MM
CONTAX (コンタックス) Planar T*85mm F1.4 AE Germany
K&F Concept (ケーアンドエフ・コンセプト) マウントアダプター ヤシカコンタックスレンズ/フジフイルムXボディ用 KF-CYX


X-Pro2 × Planar T*50mm F1.4 MM

まずはじめに、Planar T*50mm F1.4 MMで撮影した写真です。
皆さんもご存知のことかと思いますが、このレンズはCONTAXの中でも一番人気の銘玉になります。
「標準レンズの帝王」とも称されるレンズで、発色の良さに加えその場の空気感をも捉える豊かで柔らかな表現力、そしてピント面の繊細な描写が両立されたレンズです。

X-Pro2 × Planar T*50mm F1.4 MM

気象用語の「春霞」や「春うらら」、孟浩然が詠んだ「春眠不覚暁」などの表現が春の空気感をものがたっています。
今回は開放付近を積極的に使って撮影を行いました。
絞れば解像感のある描写となり、より写実的な印象の写真を撮ることができますが、前述したように春の空気感を描写しようとすると開放付近で撮る方がしっくりくるように思います。
また、ボディにもこだわりました。
今回使用したFUJIFILMのカメラは、フィルムシミュレーションをはじめ、シャドーやハイライト、カラー、シャープネスなどを自由にカスタムすることができ、RAW現像せずとも表現の幅を広げることができます。
そして、X-Pro2の搭載しているX-Trans CMOS 3は、現行のX-Trans CMOS 4に比べて、やわらかめの描写傾向があるように感じるため、あえて1世代古いセンサーを搭載したX-Pro2を選択してみました。

[twenty20 img1=”70000268869″ img2=”70000268870″ offset=”0.5″ before=”アドバンストフィルター / ハイキー” after=”カスタム設定 / ハイキー”]

では、デフォルトの設定を使用した写真とカスタム設定をした写真とではどれだけ印象が変わるのでしょうか。
上の2分割した写真がその例です。
今回のねらいとしては、春の息吹を感じせせる草花の淡い色づきと陰影のない暖かく穏やかな空気感を纏ったような雰囲気にしてみました。
デフォルトの写真はアドバンストフィルターの「ハイキー」を選択しました。全体的にハイライトが持ち上がり、明るく爽やかな印象の写真なっていますが、コントラストや被写体のディティールが強く残ってる所があるため、やわらかい印象の写真とまではいきません。
対してカスタム設定を施した写真では、明るさも多少明るくなり、問題であったコントラストやディティール表現も改善され、今回のねらいであった描写表現に近づいたことがわかります。
また、設定したレシピについては最後にご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

X-Pro2 × Planar T*50mm F1.4 MM

X-Pro2 × Planar T*50mm F1.4 MM

X-Pro2はAPS-Cセンサーのため、50mmのレンズは35mm換算で76mm相当になります。
76mmと聞くとなんだか中途半端な数字のレンズだと思うかもしれませんが、レンズの最短撮影距離が45cmで、76mm相当の画角で撮影できることを考慮すると意外にも接写ができたり、構図を工夫すればダイナミックな写真表現も可能になり、使い勝手についてはそこまで心配する必要はないと感じました。
さらに、APS-Cセンサーのボディに付けることで、レンズ中心の一番いい所だけを切り取れるメリットも生まれ、様々な面から楽しめるレンズだと実感しました。

X-Pro2 × Planar T*85mm F1.4 AE Germany

さて、次はPlanar T*85mm F1.4 AEにレンズを付け替えてみました。
例によって35mm換算では130mm相当になります。
Planar T*85mm F1.4 AEはポートレートの銘玉としてもあまりに有名です。
このレンズの特徴として、逆光時かつ開放付近で現われるフレアです。
(一般的にはネガティブに捉えられるフレアですが、ここではポジティブな意味での特徴として挙げさせていただいています)
この写真もフレアによって写真全体のコントラストが下がり、生命の息吹を神秘的に表現できています。
またそれに加えて、ハイライト部の階調が豊かで、草花の瑞々しさや麗沢さをも巧みに描き出しているようにも感じました。

X-Pro2 × Planar T*85mm F1.4 AE Germany

35mm換算で130mm相当の画角となるため、望遠レンズとしても使えます。
このように、木の上にいる野鳥も収めることができます。
ただ、このレンズの唯一の弱点として、パープルフリンジが出やすいことが挙げられます。
この現象は、特に空との境界線にある木の枝などの細いピント面によく見られます。

X-Pro2 × Planar T*85mm F1.4 AE Germany

X-Pro2 × Planar T*85mm F1.4 AE Germany

ポートレンズの銘玉であるだけあり、ボケ表現の美しさはピカイチです。
ピント面をピークにして、きれいにボケていきます。
そのため、こうした花が群生している場所でもピント前後の被写体を上手にいなし、メインとする被写体の立体感を引き立てることが可能です。

X-Pro2 × Planar T*85mm F1.4 AE Germany


さて、Planarで愉しむ春の訪れはいかがでしたでしょうか。
春の訪れを告げる代表的な桜の花は、その可憐な姿を2〜3週間で終えてしまいます。
まさに刹那という言葉がしっくりときます。
そうした一瞬の出来事だからこそ私たちはその時を待ち続け、その一瞬の輝きにカメラを向けるのでしょう。
こうして何十年、何百年と繰り返される遥かな時の移ろいにオールドレンズを通して向き合ってみてはいかがでしょうか。

では、最後に今回の撮影で設定したレシピになります。
参考になれば幸いです。

フィルムシミュレーション : ASTIA/ソフト
露出補正 : + 1 2/3 〜 + 2 (適宜調整)
ホワイトバランス : R -3  B 4
ダイナミックレンジ : 400
ハイライト : – 2
シャドー : – 2
カラー : + 2
シャープネス : – 2
ノイズリダクション : 0


今回取り上げた機材はこちら

 

 

[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander FUJIFILM | 掲載日時:22年04月16日 12時00分 ]

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