
コロナ禍でなかなか外に出れないので家でギターを撮る日々が続きます。
「楽器シリーズVol.4」は木材ではなく塗装にこだわったギターを「X-T4」に話題の1万円しない驚愕のコスパ最強レンズ「銘匠光学 TTArtisan 35mm F1.4 C 」をつけて撮影してみました。
Art Techという日本のブランドのSTスタイル(Fender社のStratocasterが大元)のギターになります。
有名な方だと角松敏生さんやWANDSの柴崎浩さんなどが使用されていますが、主にスタジオミュージシャンの方とかが使っているブランドです。
特筆すべきは何と言ってもこの塗装です。
通常こういうSTスタイルのギターと言えば単色かサンバーストがスタンダードだと思いますが、
これはFender社が2003年に期間限定でスポット制作した「HANABI Stratocaster」というモデルにインスパイヤされてオーダーされたギターのようです。
私は中古楽器屋でピックアップも外されてボロボロだった状態の物ををたまたま見つけ塗装のカッコよさに惹かれて購入しました。
私は元々このArt Techというブランドで何本かギターをオーダーしていたこともあったのでそのボロボロのギターを持ち込んで自分の演奏スタイルにフルカスタマイズしてもらい今愛用しています。
ボディは「アルダー」という日本名は「ハンノキ」という木材が使われています。
エレキギターでは結構スタンダードな木材でギターをやったことがある人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
下地のベースは白い塗装がされており、そこに薄めや濃いめの様々な色の青を斑点上に描いていき、さらにその上から花火の様に放射線上に塗装がされています。
さらにピックガードにも塗装が施されており、ボディ全体で大きな打ち上げ花火が上がったような面持ちがあります。
この塗装がボディの表だけでなく裏も含め全面に施されております。
X-T4+銘匠光学 TTArtisan 35mm F1.4 C のコンビネーションはこの何層にも重なった繊細な花火を鮮明に映し出してくれています。
(これで1万円でおつりがくるというのは本当にビックリです)
塗装の素人の自分が見ても時間がかかる作業だろうなと思いますが、製作者に聞いたところ「もうやりたくない!」っておっしゃってました。
しかしその製作者の頑張りもあり、まさにオンリーワンの花火ギターが完成されたのかなと思います。とても気に入っております。
ネックはいたってシンプルなメイプルの1ピース、インレイはブラックのクレイドット。
購入時はフレットもボロボロだったのでカスタマイズをお願いした時に自分の好きなタイプに打ち直してもらいました。
ヘッドにはシンプルにマジックで「By Art Tech S.Sugiura」の文字がマジックで書かれています。杉浦さんというのが製作者です。
ヘッドの裏には杉浦さんからのメッセージが製造年一緒に入ってるのですが、自分の名前も入っていて恥ずかしいので撮影しておりません。
ボディとは真逆に本当にシンプルなネックとヘッドです。まあこれがまたボディのインパクトある印象をさらに引き出してくれているとも思います。
通常「ライブだ!」「レコーディングだ!」となると何本もギターを持っていく必要があるのですが、このギターは特殊なコントロールにしてもらい様々な音色が出るようになっています。
ヴォリュームとトーンは1つづつなのですが、ヴォリュームの横にあるミニスイッチ(アームが邪魔で見づらい!)を切り替えることでピックアップがシングルコイル(繊細な音)とハムバッカー(太いガツンとした音)になるようになっています。さらに5wayセレクターはシングルコイル時にのみ作動し、ハーフトーンも出せるという正にStratocasterライクなサウンドに、ヴォリュームとトーンの間にあるミニトグルスイッチはハムバッカーの時にのみ作動し、ガツンとエッジの効いたLesPaulライクなサウンドになります。
本当に様々な音色がこれ1本で出すことができるまさにレコーディングやライブで楽したい時にもってこいの1本です。
元々は1996年に製造されたギターで、最初は白いギターだったのが、2003年以降に花火カラーになって2010年位に自分の手元に来ました。
ギター自体はもう25歳になり、そこそこのいい大人。25年も経つと結構ガタが来始めたりするものもありますが、高温多湿なこの日本でネックも全く反らず、デッドポイントもなく、最高のコンディションを保ってくれている良い相棒です。墓場まで持っていきたいですね。