
お休みの日は基本は外に出かけてお散歩などをするのが大好きなのですが、冬は寒くてどうしても出不精になってしまいます。
かといって趣味のギターやベースを弾こうにもアンプがある部屋には湿度とかの問題もありエアコンがありません。ブルブル震えながら弾いても面白くないので「楽器シリーズVol.19」はそんな時に便利なギターを撮影してみました。使用機材は「FUJIFILM X-T4」と「フジノン XF35mm F1.4 R」です。
「S.Tsuji(辻四郎ギター工房)」の「L-5 CESスタイル」です。俗にいう「アーチトップ(フルアコースティック)」のギターで中が空洞です。このギターだったらアンプを通さなくて大きな音がでるので、暖かい居間に持ってきてつま弾くにはちょうど良いのです。
辻四郎氏は1961年からギター製作を行い、独立されてからはずっと富山県の五箇山というところに工房を構えギターを作り続けております。1970年代から80年代は「T&Joodee」というオリジナルブランドのギターを製作、さらには日本で「D’Angelico」や「D’Aquisto」を復刻させるというプロジェクトがあった時、日本が誇るアーチトップギターの第一人者として陣頭指揮をとられていました。今でも数多くのプロミュージシャンの方が彼のギターを愛用されております。
このモデルは自分が2006年に辻四郎氏に「僕のためにギター作ってください!」と直接電話して作ってもらいました。当時はホームページもSNSもなく、直接電話で仕様を説明して
トップ材は「スプルース」の単板を採用。大事に使っているのでボディは綺麗なのですが、ライブなどでジャカジャカ弾いてた時期があり、ピックアップカバーは傷だらけです。ブリッジは「エボニー」でオクターブ調整などはできないとてもシンプルなスタイルです。
ネックは「メイプル」の3ピースを採用しており、指板は「エボニー」です。この「L-5 CES」というモデルは「Gibson社」のギターがモデルなのですが、オーダーメイドなので色々変えています。通常はインレイは四角いブロックタイプなのですが、自分は「D’Aquisto」の「New Yorkerタイプ」を採用しています。理由はなんとなくこっちの方が派手でかっこいいからです。
テールピースは「エボニー」の削り出し。中央には鳥のインレイが入っています。なんていう鳥だったかは・・・忘れました。
ピックガードとボディサイドとボディバック材はトラ杢がでた「ハードメイプル」材を単板で使用。実は最初はピックガードは普通のプラスティックでお願いしていたのですが、ボディサイトとボディバックを作った後「材が余ったから同じ材でピックガード作るよ」っていう感じでサービスで作っていただきました。なんという太っ腹。
最後はまたまた最近はまってる「アルプスパンチ」を使用しての1枚。う~ん・・良いですね。ヴィンテージ感最高です。
今は寒いのでアンプに繋がないで弾いていますが、とても綺麗で澄んだ高音がでる心地よいギターです。しかしアンプに繋げると「ジャズやブルースを弾け!」と言わんばかりの粘っこく、いい意味で泥臭い音色を出してくれます。まさにオンリーワンのギターです。
辻四郎氏が一人で作ってた時代のS.Tsujiギターはどんどん希少になっていくと思いますので一生大事に弾いていこうと思います。
