
【HASSELBLAD】1億画素を「普段使い」に! 小型レンズをつけたら、最強のスナップカメラが誕生した

「HASSELBLAD X2D 100C」
1億画素裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、5軸7段のボディ内手ブレ補正機構の採用や1TB SSDを内蔵するなど、先代 X1D II 50Cから飛躍的な進歩を遂げ、HASSELBLAD中判デジタル機の人気を不動のものにした名機です。
現行のX2D II 100Cでは、コンティニュアスAFが新たに加わり、手振れ補正機構もさらに強力になるなど、動きモノの撮影にも強くなりました。
しかし風景撮影やスナップ撮影中心でしたら、X2D 100Cでも十二分な性能を発揮してくれます。
しかも中古販売価格もこなれてきた現在、コストパフォーマンス的にもかなりお買い得な機体に。
今回はこのX2D 100Cを携え、撮影に繰り出しました。
普段の撮影では、よく広角と標準域の単焦点レンズを組み合わせて使用することが多く、今回も持ち出したのはXCD28mm・75mmの組み合わせ。
極めてコンパクトかつ軽量な「P(Portable)シリーズ」の2本です。

「XCD 28mm F4 P」
35mm判換算で約22mm相当の画角を持つ超広角レンズ。
広がりのあるアングルでも歪みを極限まで抑え込み、画面の四隅に至るまでシャープに像を結びます。

「XCD 75mm F3.4 P」
35mm判換算で約59mm相当。 「やや狭い標準」でありながら、中望遠の面持ちも見せる絶妙な焦点距離。
フレームから不要な要素を整理し、被写体の存在感を美しく際立たせます。
屋外での撮影が困難を極める今日この頃。 歴史ある洋館を訪れ、撮影を堪能しました。

XCD 28mm F4 P F8 1/100秒 ISO64
洋館の前にそびえる大木を見上げながら撮影。
超広角の画角を活かし、頭上いっぱいに広がる樹木の力強さと広大な空を捉えました。
逆光に近い強い日差しが降り注ぐシビアな条件ですが、葉の一枚一枚のハイライトから、樹木の幹や建物の影に潜む暗部まで、破綻することなく滑らかなグラデーションを描き出しています。
1億画素の圧倒的な情報量と、レンズの優れた耐ゴースト性能が遺憾なく発揮され、真夏の空気感や樹木の存在感が表現できました。

XCD 28mm F4 P F6.8 1/40秒 ISO400
天井の立体的なレリーフに掛かるほのかな陰影と、ライトから漏れる柔らかい光。
明暗差の激しい環境ですが、豊かなダイナミックレンジにより暗部が潰れることなく、滑らかな階調を生み出しています。

XCD 28mm F4 P F8 1/50秒 ISO1600
反対に吹抜けからエントランスホールを見下ろしました。
敷き詰められた幾何学模様のタイルとアーチの遠近感、人物の大きさが、空間の奥行きを強調します。
レンズをXCD 75mm F3.4 Pに付け替え、撮影を続けます。

XCD 75mm F3.4 P F4 1/100秒 ISO3200
趣あるクラシカルな講堂。
ピント合焦面の座席背もたれの布地や使い込まれたデスクの木目はシャープに、そこから奥に向かって段階的に伸びる柔らかなボケ味が空間の奥行き感を演出しています。
さらに奥のハイライトから暗部にかけての階調が潰れず粘り強く残っていて、ハッセルブラッド独自のナチュラルカラーソリューション(HNCS)による、見たままを忠実に再現する質感描写の高さが伺えます。

XCD 75mm F3.4 P F8 1/20秒 ISO6400
35mm判換算で約59mm相当の画角により、遠近感が強すぎず自然な視点で被写体を捉えられました。
金属脚のハイライト部分や明暗差が大きいエッジ部を見ても、不自然な色収差が綺麗に抑えられており、Pシリーズレンズの光学性能の高さも感じることができました。
暑さをしのげる室内撮影。 時間が経つのも忘れ、2本のレンズをとっかえひっかえ撮影を楽しみました。

XCD 28mm F4 P F6.8 1/40秒 ISO64
窓から差し込む柔らかな自然光と、手前のガラス天板への映り込みを狙いました。
レースカーテンのディテールが1億画素によって極めて繊細に描写されています。
ハイライトから暗部へのトーンのつながりが非常にスムーズで、暗い室内でも階調を崩さない、中判センサーのダイナミックレンジの広さが活きています。

XCD 28mm F4 P F6.8 1/40秒 ISO64
超広角で最短撮影距離まで被写体にぐっと肉薄しました。
骨の細かいひび割れや表面のザラッとした質感、歯のディテールに至るまで驚異的な解像感で描写されています。

XCD 28mm F4 P F8 1/30秒 ISO400
ハッセルブラッド ナチュラルカラーソリューションが効果を発揮しました。
透過光に浮かび上がるオレンジ、緑、青といった色の階調が、派手になることなく非常に自然で豊かに表現されています。
変に色付けされステンドグラスの美しさだけを強調するのではなく、歳月を重ねたものだけが持つ存在感が感じられます。

XCD 75mm F3.4 P F4 1/50秒 ISO6400
中望遠域でありながら、アウトフォーカス部が大きくボケ過ぎないのも特徴。
そのため、解像度の高いピント合焦面から下部の鍵盤へと像が自然につながり、被写体の立体感を際立たせています。

XCD 75mm F3.4 P F4 1/100秒 ISO6400
艶やかな黒の光沢と、そこに反射する照明の煌めきが見事に再現できました。
ファインダーを覗きながら考えた狙い通りに写真が撮れるというのは、なんとも嬉しいことです。
「P」の型番が示すポータビリティ
実際にフィールドへ連れ出すと、そのコンパクトさが撮影のテンポをいかに引き上げてくれるかを痛感します。
フォーカスクラッチやリング類といった装備を削ぎ落としたシンプルな鏡胴ながら、削り出しの金属外装がもたらす感触は紛れもなくハセルブラッドのそれです。
そして何より、写し出される画には妥協が一切ありません。
1億画素のセンサー性能をあますことなく引き出す鋭い解像力と、極上の階調表現。
ダイナミックに空間を切り取る「XCD28mm F4 P」と、視線を凝縮させてディテールを追いかける「XCD75mm F3.4 P」。
今回は室内での撮影がメインでしたが、この軽量コンパクトな2本の組み合わせなら、街中のスナップ撮影でも今までにない撮影体験が得られるはず。
そのためにも、もう少し涼しくなってくれることを祈るばかりです。
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