
Leica ズマロン M28mm F5.6。
一目見た時から、美しいレンズだと思っていました。
1955年から1963年まで生産された、スクリューマウントの同名レンズの復刻版です。
登場から60年以上を経て、今なお現役のライカMマウントを採用。
当然のようにMADE IN GERMANY。幾何学模様の様な後玉周辺部が素敵です。
当時のズマロンにも採用されていた「無限遠でロックされ、ピントリングが回らなくなる機構」も搭載しています。
ノブ上部を押し込むとロックが解除され、官能的なフィーリングと共にヘリコイドを回す時間が訪れます。
ライカを使っていてよかったと思える瞬間です。
ヘリコイドを伸ばしきると、極わずかに隙間が空きます。
ひそかにのぞく真鍮の地金がたまりません。
専用設計のレンズフードも、コロンと丸い本体に対して角ばってエッジが立っており、コントラストが効いています。
M10-Rに装着してみました。
もう小難しい言葉はいりません。ただ、カッコいい。
M10モノクロームでスナップ撮影。
周辺減光の強さが主被写体を際立たせ、シャープでありつつもどこか軟調な影が往年のズマロンを彷彿とさせます。
立体感がしっかり出るのは、ライカレンズならでは。
平面的な被写体を撮っても、それは変わりません。
嫌な歪曲もなく、直線が気持ちよく出ます。前ボケの人がとろりとしており、ハチミツの様な粘度のある描写でとても映えます。
M型ボディに付けるもよし。ミラーレス機に装着するもよし。
夢の広がるレンズです。