
先日、東京ドームシティで開催されていた「NATURE AQUARIUM EXHIBITION 2021 TOKYO」を見学してきました。
写真家としても活躍した天野尚氏とその愛弟子の方が手がけたアクアリウム水槽の作品展です。
会場に入って最初に飛び込んでくるのが目の前いっぱいに広がる特大の写真パネルです。
大判カメラで撮影したという作品は、フィルムカメラの写真とは思えないほど細部まで描写しており、近づかなければ本物の水槽かと見間違う程です。館内はストロボを使用しなければ撮影OKとのことでしたが、とにかく大きな被写体。画角に収めるのに苦労しました。
写真作品の他にも天野氏が使用していた機材が展示されていました。
驚くのは大判カメラを含め全てがフィルムカメラであったという事。フィルム撮影での作品でもここまで綺麗に引き伸ばせるのかと感動すら覚えました。
フィルムカメラでの撮影を証明するかのようにリバーサルフィルムの状態でも作品が紹介されていました。
一般的に4×5インチ(102×127mm)以上のフィルムを大判と呼んでいますが、正方形に近いものからワイドなものまで、大きさも縦横比も様々あり、一括りに大判と呼んで良いものかと疑問に思ってしまいます。
そしてこれらが、被写体に合わせて選ばれたフィルムサイズなのかと思うと、天野氏の拘りの凄さが伝わります。
写真パネルのコーナーを抜けると、水槽展示のコーナーに。最初のお出迎えは1本の大木を複数の水槽で囲んでいる「ネイチャータワー360°」という作品です。
天野氏の水槽作品は、水槽内の生き物が自然界と勘違いするような景色を作る事を目指したと聞いたことがあります。
これほど綺麗な水槽を目の前にすると、我が家の水草水槽に暮らす小魚が不憫に思えてしまいます。不可能と思いつつも今後の参考にとシャッターを切りました。
さて冒頭の巨大パネル写真を見て「どこかで見覚えが…」 と思われた方は、相当の水族館通と察します。
東京スカイツリー側にある「すみだ水族館」で展示されている水槽とのことなので、帰りがけにすみだ水族館にも立ち寄ってみました。
作品展に展示されていた写真の撮影をいつ頃行ったのかは分かりませんが、今もなお写真の情景を維持し続けていることに驚きました。自宅の水槽は半年程で水草がジャングル状態になってしまうので、美しい状態を維持するコツを是非とも教えていただきたいものです。
そして私も頑張って水槽写真にチャレンジです。天野氏の様に大判カメラとはいきませんが、35mm版の代名詞M型ライカでの撮影です。
さて、すみだ水族館といえばクラゲの飼育に力を入れていることでも有名で、たくさんのクラゲを見ることができます。
そして、そのクラゲをより美しく見せるため館内の照明は控え目。こんな時、高感度にすぐシフトできるデジタルカメラは改めて便利と感じました。
人混みでも周囲を気にせずサッと撮れて高精細。
作品展を見た直後、大判カメラに憧れましたが、軽量で快適な機材のお陰で我に帰りました。
小さいクラゲへの給餌は、スタッフの方が一匹ずつスポイト的なもので与えていました。
小型かつ静音シャッターで相手の方に威圧感を与えないのが、「M10-P」の良いところと感じています。
M10-Pにはオートフォーカスも手ブレ補正機能もなく、近接撮影も得意とはしませんが、便利すぎないことに操る楽しさを感じています。
ひょっとしたら、天野氏もそんな気持ちで大判カメラを使い続けていたのではと思うようになりました。
カメラ任せで何でも撮れるカメラも良いですが、一手間楽しむカメラも如何ですか?