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【Leica】フィルムに刻む一瞬。 日常を「昇華」させるM型ライカ。

【Leica】フィルムに刻む一瞬。 日常を「昇華」させるM型ライカ。

2026年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは13周年を迎えました。

1925年、記念すべき「ライカI」の誕生によって写真の世界に革命が起きてから、「101年目」となる今年のテーマは『継承』。
新たな一世紀へと歩み出した今、私たちが改めて見つめ直したいのは、その長い歴史の中で脈々と継承されてきた精神です。
時代が変わり技術が進化しても決して揺らぐことのない『ライカが受け継いだ哲学』とは何か。
本連載では現行モデルそれぞれに宿るその本質を、独自のキーワードとともに紐解いていきます。

・・・

今回撮影に使用したのは「MP 0.72」。M型フィルムカメラです。
現行のライカ フィルムカメラは、MP 0.72、M-A、M6 10557の3機種。中でもMP 0.72は、2003年発売とライカ現行機の中では最も古株のモデルとなります。
M型デジタルライカの初代となるM8が産声を上げたのが2006年。それを考えると、MP 0.72のロングセラーぶりがうかがえます。
M型ライカの歴史を継承し、今なお現役として存在する稀有なカメラ、それがMP 0.72なのです。

この「MP 0.72」の「0.72」とは、ファインダー倍率が0.72倍ということを示しています。
他の現行機種 M-A、M6 10557もファインダー倍率は同じく0.72倍ですから、なにも「0.72」と断りを入れる必要はなく感じます。
実はその昔、広角レンズ装着に適した「MP 0.58」と 望遠系レンズ装着時のフレームがファインダー画面により大きく表示される「MP 0.85」という機体がラインナップされ、計3つのモデルが存在していたのです。
時代がデジタル主流へと移行する中で他の2モデルは生産完了となり、M型フィルムライカの中では標準であった0.72倍のモデルのみが今に残りました。

ボディカラーについても言及しておきましう。
MP 0.72 ブラックペイントの黒は、M11-P ブラックペイントの黒と異なり、艶のある黒。今となっては貴重な黒と言えます。
このペイントが施されたカメラを欲するあまり、MP 0.72 ブラックペイントを購入するマニアも存在するくらい。
そしてシルバーも品のあるものでしたが、先日生産終了の告知が。
M-Aもブラッククロームのみとなってしまいましたので、現行M型フィルムライカに歴史あるシルバーモデルが存在しなくなってしまうことに。なんとも残念です。

そんなMP 0.72が、今回の撮影のお伴。

私自身、フィルムライカは普段M3を使用しています。
ここで”普段”と言ってしまいましたが、この1年通したフィルムの数はごくわずか。防湿庫で留守番している日々です。
そのため今回MP 0.72を手にした時、とても新鮮な気持ちになりました。

全体のデザインはM3に近しいものです。
それまでM4・M6・M7と続いていたデザインが、このMP 0.72になって突然M3・M2時代のものへと原点回帰。発売当時、大変注目されました。
M3・M2と異なるのは、露出計を内蔵していること。
今回、その露出計がどのくらい頼りになるのかも検証すべく、より露出にシビアなリバーサルフィルムを入れ撮影に出かけました。

撮影に使用したレンズは、標準「ズミクロン M50mm F2.0 レンズフード組込」と広角「ズマロン M28mm F5.6」の現行レンズ2本。
実はこれまた私自身が初代ズミクロン M50mm F2と赤ズマロン L28mm F5.6を所有し、”普段”の撮影でも使用しているからのチョイスでした。
(そう、今回の撮影はいってみれば私自身の「昇華」になります。)
この現行モデルのセットを携え、恵比寿から渋谷、代官山周辺を散策しました。

MP 0.72とM3の機材写真

・・・

MP 0.72とズマロン M28mmで撮った恵比寿の写真

MP 0.72 + SUMMARON M28mm F5.6

JR恵比寿駅を下車し、冬とは思えない暖かい日差しの中を渋谷駅方面へと歩きました。
最初はズマロン M28mm F5.6を装着。首から提げていても、そのコンパクトなフォルムゆえ全く気にならず。
それでもやはり存在感は半端ありません。すれ違う人がチラチラ見ていくのをこそばゆく感じながら、表情はいたって普通に。

今回はカメラにリバーサルフィルム「FUJIFILM VELVIA100」を装填。
昨今かなり高価なものになってしまいました。昔は1日の撮影でもバッグに4、5本入れてバシャバシャ撮っていましたが、今は1枚1枚極めて慎重に撮ることに。
今回の撮影はフィルム1本で撮りきると自分に制約をかけていたので、カメラを構えては「いや、ちょっと違う…」とそのまま下してしまうことも。
デジタルカメラに馴染んでしまった身には、かなり厳しい修行となりました。

そのVELVIA100といえば、発色の豊かさで定評のあるフィルム。JR線高架下に現れたカラフルな壁画に、これは迷うことなくレンズを向けました。
露出は中央部重点測光のカメラの出た目を信じて補正せず。
所有するM3での撮影ではスポットメーターを携行。赤ズマロン装着時は外付けファインダーも必須ですから、なんとも気軽なものです。

MP 0.72とズマロン M28mmで撮った恵比寿の写真

MP 0.72 + SUMMARON M28mm F5.6

恵比寿・渋谷間の線路に架かる歴史ある跨線人道橋。山手線の車窓からもよく見ていました。
ところが行ってみると階段が途中から切り取られている所も。新しいものに架け替える工事が進んでいるようです。
ならば今のうちにと1枚。
ズマロン M28mm F5.6は周辺光量落ちの大きいレンズですが、それがかえって被写体の存在感を増す演出効果を生み出すことも。

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った渋谷の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

渋谷駅に近づいたところで、50mmに付け替えて。
こちらもフィルム時代から続くロングセラー、ズミクロン M50mm F2.0 フード組込。カメラとの相性はばっちりです

MP 0.72とズマロン M28mmで撮った渋谷の写真

MP 0.72 + SUMMARON M28mm F5.6

MP 0.72とズマロン M28mmで撮った恵比寿の写真

MP 0.72 + SUMMARON M28mm F5.6

普段人通りの絶えない場所ですが、時々ふっとまばらになることも。
下の写真は特に明暗差が激しいシーンとなりました。リバーサルには厳しい条件。ハイライトの露出を拾い、奥は露出アンダーに。

東急線に乗車、代官山に来ました。
この日は休日。何時にもまして人の多さを感じましたが、それでも観光地のような賑やかさはなく落ち着いた雰囲気を漂わせているのは、この街ならではの佇まい。
街中の情景を切り取るのに50mmの画角は最適です。

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

冬の強い斜光。シャッタースピード1/1000秒までしかないので、どうしても絞り込むことに。

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

デジタルには敵うべくもありませんが、十分にシャープさが感じられる1枚。

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

モノトーンの色調の中に映えるイエロー。リバーサルフィルムを詰めているので、つい色味のあるものに目線がいきます。

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

MP 0.72とズミクロン M50mmで撮った代官山の写真

MP 0.72 + SUMMICRON M50mm F2.0 レンズフード組込

久々にフィルムカメラを持ち出してみて、いろいろな点で制約を感じてしまいました。
自分がいかにデジタルカメラに馴染んでしまっているか、様々な場面で思い知らされることに。
ただ撮影しているうちに、だんだんと感覚を取り戻してくる感じが。

昔のようにバシャバシャと撮ることは難しくなりましたが、1枚1枚丁寧に撮ることは被写体とじっくり向き合うことに繋がります。
そうして撮った1枚は、時の流れから掬い取った自分だけの一瞬に。
MP 0.72での撮影は、日常が特別なものへと昇華するプロセスを体感するものでした。

その手に、「継承」された確かな眼差しを。
ライカを選ぶということ。それは、長きにわたり磨き上げられてきた哲学を、あなた自身の表現の一部として迎え入れることに他なりません。
Leica Boutique Mapcamera Shinjukuは100年の歴史が凝縮された運命の一台との出会いを、お手伝いさせていただきます。

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[ Category:etc. Leica | 掲載日時:26年02月23日 17時00分 ]

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