【Leica】ライカ好きスタッフが語るライカの魅力 vol.5 ~SL2+Summilux M75mm F1.4編~
LeicaLeica Boutique 11th AnniversarySL2/SL2Sライカ好きスタッフが語るライカの魅力単焦点を楽しむ
2024年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは11周年を迎えます。
THE MAP TIMESでは引き続き、ライカの世界を楽しんでいただけるよう、専門店スタッフによる関連記事や動画コンテンツを順次掲載してまいります。
本日より始まる連載ではフォトコンテストのテーマ『新感覚』にちなみ、ライカ好きスタッフが普段と違った機材に挑戦していきます。
ライカの魅力を一人でも多くの方に知って頂けるれば幸いです。
ぜひお楽しみください!
今回筆者のセレクトはSL2+ズミルックス M75mm F1.4。
レンジファインダーではピント合わせが非常に難しいながらも、オールドレンズ特有の趣と
75mmの大口径ライカレンズという現在ではまだ不在の場所に位置している1本。
SL2と組み合わせると一体どのような写りが現われるでしょうか!
ご覧の通り、フレアとゴーストが盛大に発生します。
滲みも非常に強く使い方に慣れが必要なところですが、この柔らかさと脆さこそ大きな魅力。
逆光で正面から撮影しました。フリンジもパープル/グリーン両方出ており、なかなか楽しい写り。
落ち着いたコントラストと若干寒色のカラーバランスは特に調整はしておらず、
そのままでこの色が出るのはSL2との相性が非常に良く見えます。
光と影もしっかりと捉えます。先述した落ち着いたコントラストのおかげでシャドーの階調も深く、
感覚的に2段位はアンダーに露出を落とす事もできます。
ライカのレンズの中でもズミルックスM75mmのコントラストは恐らくズマリットやクセノン等と比べられるほどに穏やかかもしれません。
順光で撮影するとこの通り。
SL2のセンサー性能の高さとレンズの個性が上手く重なって周辺は少し甘いものの、線も硬すぎず、
ディテールや発色は本当にしっかりしています。どことなくCCD時代のボディを彷彿させる発色です。
最短付近の距離でAPS-Cにクロップしています。35mm換算115mm相当。
少し色味は好みに調整しています。90mmになると最短撮影距離が1mと遠くなる一方、
75mmであれば0.75mまで寄れるので実は非常に重宝する焦点距離です。
クロップしても2600万画素相当のデータが残っているので、75mmと115mm相当を1本でカヴァーできるのは大きな魅力とも言えます。
Leicaのボディを使用すると真っ先に感じるのはシャドーの表現力。
光と影が複雑に絡み合えば絡み合うほど、Leicaのボディは真価を発揮するようにも感じます。
滲みや甘さは勿論開放付近では見られますが、ここまで写っていると性能だけでは見えない様々な魅力が浮かんできます。
絞ると繊細な線と細かい情報もしっかりと記録。
これもまたズミルックスならではの特徴。35mmや50mmも同じような傾向で絞ると
切れ味鋭く繊細な画を見せてくれます。先述したように「35mmの第二世代ズミルックスをそのまま望遠にしたような写り」と言えるかもしれません。
夕刻で軽い登山のような高さまで上り、日没も近く困ったところで
綺麗に咲こうとしている椿を見つけました。こちらもクロップして最短付近での撮影。
M型ライカ等でもこの位対象を大きく写すには0.7mだと少し物足りなさもあります。
75mmのレンズで現在のLeicaデジタルボディならこのように大きく対象を切り取る事が可能です。
日没も近くなった時、光の角度を捉えて撮影してみました。
フレアが発生しつつもディテールや発色も良くポートレートで使用してみたくなります。
M型ではピント合わせが非常に困難なこのレンズも、SL2のファインダーなら容易です。
ボケも色収差が大きく、背景はできるだけ情報の少ない方がより印象的な1枚を作ることができます。
ストリートで使用するとどうなるのか?75mmの画角は50mmの延長線上にあると筆者は認識しています。
より撮影したい対象を印象的に切り取る事ができる一方、引いて全体を撮るような方法は50mmよりも少し慣れが必要です。
「何を撮影するか」という意思の強さが必要になります。
しかし引いて撮影するのも慣れてくると、このように傍観者の視点で撮影するのが容易に。
全体よりも歩いていて目に留まるものや、人物等を撮影する事が多い方には50mmよりも75mmが
使いやすいかもしれません。しかし鏡胴が長くなってしまうところだけは考えもの…。
夜に撮影すると光の滲みが雰囲気を盛り上げてくれます。モノクロームでも良さそうです。
周辺を見ると前回のNokton 50mm F1と同様、周辺の収差は大きめです。
自動車の金属をしっかり表現。Leicaは自動車の撮影を行うユーザーも実は非常に多いと聞いています。
何度か撮影を行っていますが再現度が非常に高く、見たままの金属の質感がそこにあります。
他のメーカーのボディで撮影するとどうしても重量感が少し足りないと感じる事も。
しかしLeicaのデジタル機で撮影した自動車の写真は重量感もしっかりと記録しており、
レタッチの必要性を感じさせない程に撮影の対象としてはとても相性の良い組み合わせです。
今年は辰年。布で紡がれたディスプレイの龍は圧巻でした。
滲みの奥に布の微細な部分も潰れずそのまま残っています。
オールドレンズに部類される本レンズは正に使いやすく、使いこなせば千変万化の写り。
今回使用したのはフード組込型の第2世代のレンズ。
こちらの作例では、1世代目に当たるフード分離型の写真が掲載されています。
1世代目のがより写りとしては柔らかく、安定性で考えれば2世代目がオススメです。
SL2との使用は非常に快適で、大口径の望遠レンズとしても比較的コンパクト。
75mmの大口径レンズとなると今ではアポズミクロンとノクティルックスのみとなりました。
ズミルックスM75mm F1.4の座席は未だに空席のまま、何十年もの時が経過。
その為人気も衰えず、なかなか出会う事も珍しいレンズとなっています。
”出会った時が買い時”
ここまでハッキリと言い切れるレンズも筆者の感覚としては珍しい1本です。
M型をお持ちのだけでなく、SLボディをお持ちや興味のある方もこのレンズを見つけたら
是非まずは試してみて下さい!
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