
【Leica】所有する喜びとシャッターを切る快感をこの1台で味わう
いつまでも暑さが続くように思われた夏と8月が気が付けばもうすぐ終わりを迎えようとしています。とはいえまだまだムシ暑さは感じる今日この頃。
夏の日差しの残りをまだ感じていたい筆者はM-P(Typ240)とNOKTON 50mm F1 Aspherical VMを持って、気の向くまま出かけてまいりました。
駅名は以前から知ってはいましたが、写真を撮るためにこれまで降りたことがない駅に初めて降りた時のワクワクはいつも新鮮に感じます。

M-P(Typ240)は今から12年前の2014年に発売されたデジタルレンジファインダーカメラです。
M(Typ240)からライカの赤バッジを取り去りトップカバーに刻印を入れ、機能面ではバッファメモリーを1GBから2GBに増量して連続撮影コマ数を増やし、速写性を求めるプロのニーズにより応えたモデルになっています。
トップカバーは真鍮製なのでブラックペイントのモデルの場合、使い込む内に自然にペイントが剥がれてきて、ゴールドの地金が出てくるところがエージングをする楽しさも味わえ、愛着が湧きます。

NOKTON 50mm F1 Aspherical VMは2022年1月に発売されたフルサイズ対応の超大口径レンズです。
第一面にGA(研削非球面)レンズを採用することで、高性能を担保しながらレンズ構成をシンプルにすることが可能になり、高水準の画質とF1のレンズながらも484gのスタイリングを実現しています。
上の写真は絞り開放で撮りました。浅い被写界深度と適度な周辺光量落ちがどこまでも続くような道の奥の方へと誘われる人物を被写体として極立てることができました。

M240とM-P(Typ240)は、CCDセンサーを搭載したLeica M9からCMOSセンサーへと切り替わった初めてのカメラです。
その為、初代MAESTROエンジンの画作りがCCDの時代を意識したものとなっており、暖かみがあってどことなく懐かしさを感じさせます。
Leica M10になるとエンジンが次世代に変わって画作りの傾向が変化してくるので、好みもありますがこの時代ならではの独特の雰囲気が好きな方に唯一無二のカメラとなり、いつまでも使い続けたくなるのです。

M240とM-P(Typ240)はLeicaのデジタルレンジファインダーカメラで唯一動画機能を搭載したカメラでもあります。
M10、M11、そしてM-EV1に至るまで写真専用機に切り替わり、動画用途にはSLシリーズが出てきました。
しかし、SLシリーズの初代モデルであるSL(Typ601)の映像エンジンは二世代目であるLEICA MAESTRO IIなので、M240の初代のエンジンとは画作りが変わっており、その点でM240を今でも愛用していらっしゃる方がいるのも頷けます。
また、M240のバッテリー(BP-SCL2)はその後のMシリーズのカメラと比べても明らかに大きなものを使っているのは、動画用途を考えてのものだとは思いますが、写真のみ撮る人にとっては結果的に、バッテリーの持ちが大変良い点が歓迎され普段使いから旅行用途まで、予備バッテリーを持たなくても安心して撮影に臨めるところが嬉しいポイントです。
実際に筆者も数時間持ち歩きファインダーでの撮影だけでなくライブビューを使ったり、頻繁に構図やヒストグラムを確認するために背面モニターで再生を繰り返しましたが、撮影が終わってバッテリーの残量を見ても90%以上残っていたことに驚きました。

逆光でのNOKTON 50mm F1 Aspherical VMの描写を見てみました。
M-P(Typ240)はシャッター速度が最高1/4000なのでF5.6まで絞りシャッター速度を落としています。
太陽の周辺に若干のゴーストが出ていますが写真全体に強いゴーストやフレアも感じることもなく、コントラストも落ちていません。
24MPのバランスが取れた画素数のフルサイズセンサーによる、ダイナミックレンジの広さと雲の立体感を感じる1枚となりました。
レンジファインダーカメラの魅力は光学式の二重像のファインダーでピント合わせができることです。その為、開放F1と非常に浅い被写界深度でも、絞り込んだとしてもブライトフレームで容易にピント合わせが可能です。
背面の液晶モニターは流石に12年前に発売したカメラなので、現行品よりはモニターのコントラストが低いですが、構図の確認とヒストグラムの活用で問題なく撮影が続けられました。

50mmの画角は人間の視野に近いと言われます。
この写真は地面に座ってカメラを構え、立体的な雲を構図の2/3に入れることで広角レンズのような雰囲気を狙うことができました。
M-P(Typ240)は液晶モニターが昔ながらの固定式の為、立ったり、座ったりしてカメラの高さを変えながら工夫して撮影する楽しさがあります。シャッター音も良く24MPの控えめの画素数はファイルサイズも小さいため、気兼ねなく何枚でも写真を撮りたくなってしまいます。

いかがでしたでしょうか。
M-P(Typ240)より後に続くMシリーズは薄く、軽くなっていきますが逆にその重厚な厚みと重みは良いものを持っているという所有欲を満たし、大型のバッテリーと取り回しのしやすいファイルサイズは撮影中も、編集時も撮影者の負担にならず何枚でも気兼ねなく撮影できる軽快さを秘めています。
超大口径レンズのNOKTON 50mm F1 Aspherical VMは昼夜問わずシャッター速度を稼げるので手振れ補正が入っていなくてもブレの心配はないですし、被写界深度によるボケ感のコントロールも容易です。
無限遠にピントリングを振り切れば上空を飛ぶ飛行機やとっさに飛んできた鳥、船が来てもブライトフレームの枠内に収めさえすればピントが合った写真が撮れるので、オートフォーカスがないことによる撮影の支障も感じません。初代LEICA MAESTROエンジンの暖かみがあり、ノスタルジーを感じる画作りはたまたま散歩で出会った被写体をドラマチックに変えてしまう魅力を秘めています。
秋の訪れが待ち遠しく、まだ訪れたことのない街にカメラを持ってふと降り立って写真を撮ることがますます楽しみになってきました。
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