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【Leica】Lens tasting – Summarit M50mm F1.5

春霞に浮かぶような立体感のある描写、意外とヌケの良い写り、特徴的なボケ味。
そう、言われてみたらそんな気がする。たしかにこいつは良いレンズだ。

しっかりとしたボディ、アンズようなフルーティなニュアンス、舌の端に残る優しい甘み。
そう、言われてみたらそんな気がする。たしかにこいつは良いコーヒーだ。

苦くて甘い湯気を、鼻腔に感じながら。
淡くそよぐ春の光を、レンズに捉えながら。

解ったようで分からない、分かったようで解らない。
でも、少しずつ、本当に少しずつ「わかってきたかも!」と感じるのが楽しい、趣味の世界。
小春日和の今日はちょっぴり背伸びをして、一丁前にテイスティングと洒落込んでみたり。

・・・

今回は、動画でライカレンズの写りを“味見”してみました。
BGMは付いていませんが音が出ます。ステレオマイクで録音したので、可能であればイヤホンかヘッドホンをつけてお楽しみください。

写真、つまり静止画でも十分に発揮されるSummaritの「らしさ」が、動画ではさらに色濃く感じられるような気がします。
今回の動画は全て開放であるF1.5で撮影したので、その明るさゆえの非現実感は勿論のこと、「光の滲み方」や、「背景の歪み」が静止画では感じ得ない動きとなって顕著に表れるのでしょう。
写真で使用するのも大好きなこのレンズ、動画でもここまで楽しく撮影できるとあらば益々惚れ込んでしまいそうです。

印象的だったカットを二つだけご紹介します。

SONY ILCE-7RM3 + Leica Summarit M50mm F1.5

思っていたよりもいい画が撮れていて嬉しいカット。
自分が作業をしている風景というのはなかなか自ら確認しながら撮ることはできないので、こうして良い感じに映っていると感動します。

SONY ILCE-7RM3 + Leica Summarit M50mm F1.5

最短焦点距離の長さを活かすことができたカット。
クローズフォーカスアダプターであればもう少し近くまでピントを合わせられるようにはできますが、今回は敢えてそのまま、1mの最短焦点距離のままで。

このカットで特徴的だった「前ボケがふわふわとひっついたり離れたりする動き」は、静止画では捉え難く、見る人に想起もさせ辛い、奇妙な光学の産物です。見ていて不思議な印象を覚えた方も多いのではないでしょうか。

このような「音」や「動き」など、写真で表現することはできても情報としてそのまま伝えることは難しい。
改めて動画の情報量の多さに驚かされました。

・・・

種類によっては100年近い時間が経ってもなお、我々を魅了してやまないLeicaのレンズたち。
かつて、モノクロのフィルムだけがそのレンズの主な表現方法だった時代から数十年、カラーフィルム、モノクロフィルム、デジタル写真、果ては動画まで。最大限愉しみ尽くすことができるこの時代に、愉しまない手はない!…と、私はそう思います。

ボディもレンズもライカで揃えるのはちょっと敷居が高い。
ならば、ボディはミラーレスで、レンズはライカで。
そんな楽しみ方もできてしまうのがこの時代のこれまた良いところ。

皆様もぜひ、手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。


[ Category:Leica | 掲載日時:21年03月13日 19時09分 ]

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