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【Leica】SL2と歩くレンズの世界~Nokton 50mm F1 Aspherical VM~

【Leica】SL2と歩くレンズの世界~Nokton 50mm F1 Aspherical VM~

Leicaのミラーレス機であるSL2と共に、気になるレンズの世界を確かめていきます。
今回はVoigtlanderのレンズでも最大とも言える明るさになる
Nokton 50mm F1 Aspherical VMの描写を見ていきましょう。

本当はマイクロフォーサーズ用のNoktonは0.95やF0.8という驚異の明るさを持つ
Super Noktonという存在もあります。
但し今回のこのF1はフルサイズ用に設計されたレンズであり、実質一番の明るさは
このレンズになるかもしれません。

レンジファインダーでもコツを掴むとピントが掴みやすく、
F1という開放値ながらも使いやすいレンズです。
しかしそこはSL2のファインダーで見るとやはり更に精度も向上し撮影もより快適に。

ボケ具合を見てみるとこの通り。
中央部分は非常に綺麗な玉ボケになりますが、周辺に向かっていくに連れて
収差が大きくなっていきます。この特徴は最初のNoct Nikkorや往年の大口径レンズを
想起させる写りでこのレンズの特色が伺える傾向。非球面レンズという事もあり年輪ボケも伺えます。

周辺減光も非常に大きく、使い方によっては印象的な場面を作る事も可能。
このように夜間でもしっかり見る人の視線を誘導していく撮り方も。
コントラストはしっかり出ており、非常に明るいレンズながら絵の締まりは見事な描写。

発色とコントラストは素直ながらもしっかりとしています。
但し光の環境によって少しクセがあり、この画像はゴールドのアクセサリーに
ピントを置きましたがよく見るとパープルフリンジの発生が見られます。
ここはまた後述しますが、光の強い場所で開放で撮影すると滲みが強く、
暗所で開放撮影するとしっかりと描く印象です。暗いところでは開き、明るいところでは
少し絞った方が描写が安定すると思います。

少し引いて撮影してみました。
フリンジや滲みがかなり見られるものの、全体的な写りは非常に鋭さを見せます。
高画素機のSL2と組み合わせるとご覧の通り。
自動車等の金属表現とSL2の相性は非常に良く、持ち味がしっかりと活きています。

夜のショーウィンドウは行き交う人をシルエットにする効果もあり
撮影していて楽しくなるシチュエーションです。
彩度も落ちることなくこの距離の撮影になるとF1という明るさを忘れてしまうほどに端正な写りを見せます。

JPGでAPS-Cのサイズにクロップしています。
SL2は4000万画素という事もありクロップしても2600万画素程と十分な情報量。
この位の明るさならクロップしてもピントも望遠の大口径レンズより使いやすいかもしれません。
クロップすると実質75mm程度。ポートレートでも使いやすい画角です。
ボケ味も大きく描写の安定した部分だけを使えると思うとレンズ2本分の役割と思うと、
このレンズのコストパフォーマンスは想像よりも優秀です。

F1やF1.2のレンズはスナップ撮影の際に被写体をそのピントの薄さで対象を浮き上がらせるという
力技が可能です。SL2のファインダーとこのレンズの組み合わせは不自由も全く無く、
自在に状況に応じて構図を作る事が可能。ここぞという場面で撮影してみると印象的な1枚が撮影できます。

東京タワーを撮影してみました。
よく見ると先述した滲みが強く出ています。
強い光源や光が十分にある場面で開放撮影を行うとこの滲みでディテールが
少し崩れるようです。一見悪くも見えますがポートレートではこの滲みを使って
柔らかい印象を与えられるかもしれません。

Nokton F1.1やF1.2、描写力の高さを見せるApo-Lanthar 50mm F2、
クラシックテイストのVintage line等50mmだけでもVMレンズのラインナップは多岐に渡ります。
ここまで50mmというレンズを展開しているメーカーも珍しく描写傾向も全く異なる為、
目移りしてしまうレンズも多く悩まれる方も多いはず。

今回ご紹介したNokton 50mm F1 Asphericalは使用したところ
「現代版にアレンジされたオールド大口径レンズ」という印象。
収差も大きく、使いどころも撮影者の技量が問われます。
しかし現代でここまで個性の強いレンズも珍しく、メーカーの遊び心と技術が垣間見えます。
VoigtlanderのVMレンズの中でも金額としてはトップクラスとなりますが、F1という明るさは魅力的。
今までと違った世界を撮影したいと思う方にこの1本。是非ご検討ください!




[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander etc. Leica | 掲載日時:23年12月29日 20時00分 ]

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