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【Leica】Summaron M35mm F2.8

【Leica】Summaron M35mm F2.8

Leicaを使ったことのある人にはそれぞれ一番好きなLeicaが存在すると聞きます。
Leicaフロアの先輩方に好きなLeicaレンズを聞くと、ある方は即答し、またある方は幾つかの候補で揺れ動き苦渋の決断といった面持ちで厳かに告げました。
私が初めてLeicaを使った時、その綺麗にボケる感じであったり、ピントの鋭さであったりに「Leicaはすごいな」とぼんやりと思ったものの、「これがLeicaのすごさだ」と断言できる力が私にはなく、私にもイチオシのLeicaが出来るほどにLeicaを理解できる日が来るのだろうかとぼんやり不安に思っていました。
しかしながら、そのレンズを使った時私は、「そうか、これがLeicaなんだ」としっかりと思いました。
そのレンズの名前はズマロン M35mm F2.8です。

・・・

フィルムカメラが好きです。
撮影して現像するまでどんな写真になっているのか分からなくてドキドキするからです。
フィルムがなくなるまでちょっとずつ写真を撮り溜めていき、いざ現像した写真を見ると
少し前の記憶が鮮やかによみがえるからです。
私の場合、たいてい「これは良い写真になりそう」と思ったものはそうでもなく、何気なくカメラを向けた一枚が良い感じに写っている事が多いです。
一枚一枚見返しながら、思い出に浸るのがとても幸せな時間です。

フィルムLeicaのどれを選ぶのか。
35mmのレンズを付けたいため、M2以降のものを。
他のカメラでもフィルムの装填が苦手でいつも手こずるため、フィルム装填が簡単なM4以降のものを。
M4かM6か迷いましたが、Leicaの赤いロゴが付いていないシンプルなデザインと私の手に馴染む大きさが決め手でM4を選びました。

出来るだけレンズは開放にして撮影したいです。
絞った時のキリっとしたLeicaも魅力的ですが、開放で個性が強調されるレンズも好きです。
そのため、フィルムはISOが低めのものを選びました。
今回はFUJIFILM FUJICOLOR100を選びました。

・・・



フィルム写真ならではのザラっとした写りがたまらなく好きです。
高層ビルに囲まれた都会の少しだけひんやりとした空気が写真にも反映されているようです。
この日はとても寒くて、カメラがどんどん冷たくなっていきました。
やはりカメラも寒かったのでしょうか。暖色系が特にあっさりと描写されています。
M4は、フィルム巻き上げレバーに指当てが付いています。
そのため、巻き上げの際に指当てが曲がり、巻き上げがスムーズに行えます。
最後のひと押しのくにっとなるのが可愛いです。


デジタルカメラを持って歩くと、気になったものをなんでも写真に収めてしまい気がつくと1日で撮った写真が100枚を超えてしまうことも多くあります。
何枚か取っておいてあとで良いものだけを残そう、と考えてしまうからだと思います。
フィルムは24枚であったり36枚であったりと入れたフィルムによって撮れる枚数が決まっています。
カメラを構える前に本当に撮りたいのか?と一回自分に問いかけてからシャッターを切るようにしています。
この信号は近所の信号で、特に珍しいものではない何の変哲もない信号です。
出かける前に空を見上げて、いい天気で嬉しくなったので撮った一枚です。
枚数が限られているからと珍しいもの、出かけた先でしか出会えないものしか撮らなくても良いのだと思います。




M型Leicaと言えば、レンジファインダー。
ファインダーを覗き、二重像が一致するところまでピントリングを回します。
ズマロンのピントリングには、ちょうど指の形にフィットするようなピントノブがあります。
指先一つで滑らかに動きます。シルバーの色味と合わさって「エレガント」という言葉が似合うと思います。
二重像を合わせる過程がカメラと会話しているようだと思います。
すっと無駄のない動きをするレンズに、慌てずに落ち着いてピントを合わせてと教えてもらいながら二重像を合わせていきます。
そして、ピントが決まった時にカメラからOKサインをもらえたような気持ちになります。
私は写真を撮っているつもりですが、Leicaが撮りたいものを私に撮らせている、のではないかとすら思います。



逆光で出来るところまで開放で。
ゴーストが出てくれるといいな、と思いましたが、やはり出ました。
光が可視化出来たようで、ちょっとラッキーだなと思ってしまいます。
しかし、ふんわりとした光の向こうに見えるピントは鋭いです。
石のゴツゴツした質感や草の種類によって異なる手触りも感じられます。
M4の最短撮影距離は70cmです。
花壇の写真では、一番手前のパンジーのすぐ近くでカメラを構えて最も近くて対角線上の紫のパンジーにピントが合いました。

海を見にいきました。
潮風がとても冷たく、手が痛くなってきましたが海を間近で見られて楽しかったです。
人で賑わう海水浴場ではなく漁港だからか全体的に無骨な一枚だと思います。
季節ごとに写真を撮ったらどんな違いが生まれるのか気になります。
ズマロンは、ピント面ははっきりとシャープな線を描きます。
しかし、背景と乖離してぱっきりとした存在感を示す、というよりは背景となだらかに調和しているような印象を受けます。
そのため、日常のなにげない一コマを撮影する時にいてほしいレンズだと思いました。


少し歩くと砂浜に出られる場所がありました。
靴が濡れてしまうかもしれない、という心配は少し頭をよぎりましたが、それよりも目の前に広がる海が嬉しくてふらふらと海に近づきました。
この日の海は穏やかで寄せては返す波を見ているだけで一日が終わりそうです。
露出がオーバー気味だったのか、まるでモノクロ写真のような色合いで撮れました。
M4のシャッター音は1/125以上のシャッタースピードでは控えめながら味のある「チャッ」という音です。
1/15や1/30のすこし遅いシャッタースピードの時にシャッターが切れてから鳴る「シャンシャン」という音も鈴やかで綺麗です。
シャッタースピードによって変わるシャッター音を楽しむのもフィルムカメラの楽しみの一つだと思います。


同じ海を違う角度で撮影しました。
日没が近付くにつれて潮風がどんどん強まってきました。
思った以上の寒さで震え、少しだけこんなに寒い所にきたことを後悔しながら歩いていた時に景色が開けて海が広がっていました。
目の前に広がる海に感動しながら撮った一枚です。
海の青が泡立つ波の白にまじって水色になっています。

・・・


出来上がった写真のこの青を見た時、私はこれがLeicaなのか、と思いました。
今までみた中でも特に濃厚な圧倒的な青です。
油絵のようにこってりしたLeicaしか出せない色合いです。
絵具をパレットに出して、一滴も水を混ぜずに色を画用紙に重ねていったような色です。
少し周辺減光が見られ周辺部の紺色からのグラデーションも見事です。
しばらく目が離せませんでした。
この青に出会うために、私はこの日Leicaのカメラを使ったのかもしれないとすら思いました。

「Leicaにしか撮れない写真がある」
何度も耳にしてきた言葉でしたが、実感できていなかったことです。

見た事の無い濃さの青の存在感。
もちろん、Leicaの他の色もきれいだと思いますが、私は青が特別だと思います。
「Leicaにしか撮れない写真はある」
この時はじめて実感を伴って胸にすとんと落ちました。

・・・

人には人それぞれ一番好きなLeicaがあるそうです。
私は、この日からズマロン M35mm F2.8が一番好きなLeicaになりました。





[ Category:Leica | 掲載日時:22年03月10日 12時00分 ]

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