
【OLYMPUS】M.ZUIKO DIGITALレンズで狙う皆既月食
OM SYSTEM / OLYMPUSOM SYSTEM ズームレンズOM SYSTEM 単焦点レンズWish Upon a Starカメラと共にスナップ夜景天体撮影
total lunar eclipse
2021年5月26日は日本各地で皆既月食が見られます。月食と言っても、何者かに月が食べられるわけではありません。地球の周囲を回る月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象のことを言います。月を照らしている太陽の光が我々の地球の影に入ることによって遮られていき、徐々に暗くなっていくことから月食と呼ばれます。加えて、今回の皆既月食は通常の満月で起きるのではなく、1年で最も大きく見えるスーパームーンでの月食となります。地球の中心と月の中心の間の距離は約35万7000キロメートルとなり、最も近づいているのです。
また暗くなるといっても、新月のように完全に真っ暗となるわけではありません。地球の縁からわずかに差し込む光によって、上記のように赤銅色に月が照らされるのです。
本記事では来る2021年5月26日に備えて、記録としても作品としても残すことができるレンズをご紹介いたします。
今回は数あるレンズシステムの中でも、小型軽量と高性能を両立できるマイクロフォーサーズシステム。
さらにその魅力を最大限に引き出す、OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITALのレンズ群の中からピックアップさせていただきます。
望遠レンズ
月を撮影するためには望遠鏡や専用の大きな器具が必要なのではないか。私も昔はそんなことを思っておりました。しかし、月は地球に1番近い天体。肉眼で月のうさぎが見られるように、お手元のカメラでも簡単に撮影することができます。当日、月が地球の影に完全に入り込むのはわずか20分程。折角ならば赤銅色の月を画面いっぱいに収めてみませんか。
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + M.ZUIKO DIGITAL 2× Teleconverter MC-20
【OLYMPUS】M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS ファーストインプレッション – THE MAP TIMES
まず初めは、M.ZUIKOレンズ群の中でも随一の超望遠ズームレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISです。35mm判換算200-800mm相当の幅広い望遠域をカバーするレンズです。2倍テレコンバーター MC-20を使用すれば最大1600mm相当での驚異的な超望遠撮影も可能となります。さらにPROレンズシリーズと同等の防塵防滴性能を有しているため、天候や環境に左右されず撮影を行うことができます。三脚座を含むレンズの重さは、1,325g。800mmをカバーする他社製レンズは優に2㎏を超えるので、持ち運びの面においてもマイクロフォーサーズシステムの魅力が光ります。もちろん、月の撮影だけでなく 、その後のレース撮影や鳥の撮影など多岐にわたって活躍すること間違いなしです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
OLMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
秋を追いかける。 – THE MAP TIMESOLMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
【OLYMPUS】ほぼ一択の望遠レンズ – THE MAP TIMES
続いてのレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROです。35mm判換算80mmから300mmの焦点距離をカバーするこのレンズは、焦点距離全域で開放F値、F2.8を実現しています。月の撮影なので星空撮影ほど明るさは重視されませんが、明るいレンズほど絞りこめる段数が多くなります。そのため、より高い解像力を得ることができます。レンズの設計においても、中のレンズが贅沢に使用され、近接から無限までの様々な収差を極限まで抑制されています。加えて、インナーズーム方式を採用しているため、ズーミング時もレンズ長が変わらず、安定したホールディング性を持っています。ゆえに三脚に搭載してもバランスが崩れることがなく、テレ端300mmから自由に画角を調整することができます。望遠レンズの良いところが、圧縮効果によって、手前の被写体と遠くの被写体をぐっと一枚の画角に収められること。ある程度の軌道計算は必要になりますが、少し遠い場所から「高層ビルとその背後に浮かぶ皆既月食」というような一枚を狙ってみたくなるレンズです。三脚座を含むレンズの重さは 880gとなっており、望遠F2.8通しレンズとしては比類の無い小型・軽量化を達成して高い機動性となっています。また、月以外でも撮像面から70cmの至近撮影をズーム全域で実現しているため、ある時は最高レベルの望遠レンズとして、またある時は疑似的なマクロレンズとしてもお使いいただけるレンズとなっております。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
【OLYMPUS】M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROファーストインプレッション – THE MAP TIMES
そして、究極の超望遠性能を追求して開発されたハイスペック望遠レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROです。35mm判換算300-800mmをカバーする本レンズは、焦点距離を1.25倍に伸ばすテレコンバーターが内蔵されており、レバーの切り替えのみで素早く35mm判換算1000mm/開放F5.6までをカバーすることができます。驚きなのは35mm判換算300-800mmをカバーしながら優れた解像力とズーム全域での開放F4.5固定を実現していることです。マイクロフォーサーズマウントにおいて、レンズの「王」とはまさにこのレンズのことを言うのではないでしょうか。さらに驚きなのは、1.25倍テレコンバーターを内蔵しながら、別売のテレコンバーター MC-14/MC-20の使用にも対応しているという点。1.4倍のMC-14と組み合わせれば最大1400mm、2倍のMC-20と組み合わせれば最大2000mmという超望遠撮影を行うことができます。加えて、MC-20使用時は撮影倍率が1.43倍となり、等倍を超えます。また、インナーズーム方式が採用されているので、ズーム全域でレンズの全長が変わらず、常に撮影時のバランスが安定しています。手ぶれ補正においても、5軸シンクロ手ぶれ補正が35mm判換算300mmで8段、35mm判換算1000mmにおいても6段の補正性能を実現しています。超望遠レンズの決定版と言ってもいいほどの性能を備えた本レンズで、ぜひ皆既月食を捉えてみたいものです。
高倍率ズームレンズ
小型軽量と高性能を両立したマイクロフォーサーズシステム。さらにその特性を活かすのが高倍率ズーム。広角や望遠のレンズ交換の必要がなく、1本でどちらにも対応できる万能レンズです。皆既月食の僅かな時間。レンズ交換の時間さえも惜しく感じてしまいますが、レンズ交換の手間を不要とする高倍率ズームなら、その僅かな時間でも画角を自由に撮影を行うことができます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
OLYMPUS OM-D E-M1X+ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
【OLYMPUS】手持ちハイレゾショットを試してみて – THE MAP TIMES
高倍率ズームでまずご紹介するのが、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROです。高画質・高倍率・小型ズームレンズであることを目指して作られたこのレンズは、まさにプロフェッショナル高倍率ズームレンズとなっております。高倍率ズームは暗くなるという通説を払拭するようなズーム全域開放F値、F4を達成しております。35mm判換算24-200mmと、望遠側も十二分に引き寄せられるレンズとなっております。また、手ぶれ補正能力も強力で、5軸シンクロ手ぶれ補正対応ボディーと組み合わせることで7.5段の補正性能を実現しています。レンズ単独でも5段の手ぶれ補正を実現しており、月の撮影でも三脚がいらないのではというほどです。
標準~中望遠レンズ
2021年5月26日の皆既月食は、18時45分ごろから欠け始め、20時18分ごろに食の最大、21時52分ごろに月が元に戻るといった具合です。比較的早い時間に食が見られます。それゆえ、西日本では月の出よりも早い時間に食が開始するので、地平線上に上がってきたころにはすでに一部分が欠けているお月さまとなります。東日本では月の出の方が早いので、月の欠け始めも観測することができます。赤銅色の月は日本のどの地域でも観測できますが、それでも高度10°~16°と非常に低空に出現します。望遠レンズを使用して、月単体を写すのもいいですが、せっかく低空で見られるので中望遠~標準レンズを使用して、月と地上の様子も収めてみるのはいかがでしょうか。
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
35mm判換算90mm相当のM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO。ボケの描写と高い解像力の両立を目指して作られた大口径中望遠レンズです。特殊レンズを贅沢に使用して高い解像力を実現した本レンズは、開放F値がF1.2と非常に明るくなっております。絞り開放でも高い描写性能を誇る本レンズならば、絞り込む段数も格段に上がるため、レンズの隅々までくっきりと写し撮ることができます。さらに、開放F1.2の大口径レンズながら高速なAF性能をもち、風景はもちろん、得意のポートレート撮影でも素早く瞳にピントを合わせて撮影することができます。F1.2の美しくにじむボケを持っているため、月と全体にピントを合わせるだけでなく、近接に何か被写体を置き、前ボケを楽しんでみるのも面白いかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL 12-40mm F2.8 PRO
OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL 12-40mm F2.8 PRO
【OLYMPUS】秋の夜長はOM-D? – THE MAP TIMES
続いては標準ズームレンズの代表的レンズ、M.ZUIKO DIGITAL 12-40mm F2.8 PROです。35mm判換算24-80mmをカバーする本レンズ。35mm判換算24-70mm前後で絞りF2.8通しのレンズと言えば、様々なカメラ/レンズメーカーがしのぎを削りあっている焦点域です。本レンズももれなくそのレンズの一つ。他メーカーに引けを取らない高い描写性能を誇るレンズとなっております。開放からスッとシャープで、先鋭さや精緻さに無理を感じないのがこのレンズの素晴らしい所です。月の撮影だけでなく普段使いから常用したいと思わせてくれるレンズです。また、ズーム全域で20cmまで近接撮影が出来るので広角から望遠域での簡易マクロも1本で撮影が可能です。まさに向かう所敵なしと言っても過言ではないレンズとなっています。
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.2 PRO
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.2 PRO
【OLYMPUS】 カメラもアンチエイジング。 – THE MAP TIMES
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.2 PROは35mm判換算34mmということで、こちらでご紹介させていただきます。本レンズは先のM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROと並ぶ、ボケの描写と高い解像力の両立を目指して作られた大口径レンズとなっています。やはりこちらも、開放から非常にシャープに写り、ぼかしても良し、絞り込んで風景写真を撮るも良し、のレンズです。日本から見ると今回の月食は月の出前後から見られますが、動いているのは月だけでなくそのさらに向こう、数多の星々も同時に上がってくるように見えます。今回上がってくる月の位置はおおよそ天の川の上あたり。食の開始は薄明などで星が見えないかもしれませんが、皆既食の頃から部分食の終了までの時間帯であれば、後ろの星々とも共演できそうです。35mmという画角と開放F1.2を併せ持つ本レンズなら、「天の川×月」といった構図も狙えるかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
小型なフォルムに高性能を凝縮したM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8。35mm判換算34mmとなるレンズです。レンズの重さはわずか120gと非常に軽量ながら金属外装による上質なデザインが施され、カメラボディとの親和性を崩すことなく、マイクロフォーサーズ特有の小型軽量でフットワークの軽さを保ち続けてくれるレンズとなっています。スナップレンズとしても相性が良く、素早くピントの調整ができたり、F1.8の明るさを活かして暗所撮影をしたりとどこにでも対応できる特徴を兼ね備えています。撮れるかは分からない、けれど撮影はしたいといったときにでもカバンの中にすっと入れられるレンズとなっています。
広角レンズ
数年に一度の天体現象。作品としてではなく記録として残したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。折角ならばその時、見えているものすべてを写し撮ってみるのも良いのかもしれません。家の周辺、出先の周辺、どこでその時を迎えるのかは人それぞれあると思いますが、次回の皆既月食の時に見返したときに、「あの時はこうだったな」、「あの時はなかったのに新しいビルが建ったな」等々、新しい発見があるかもしれません。また一方で、極大は過ぎましたがハレー彗星を母彗星とする「みずがめ座η流星群」も5月28日ごろまで活動期となっています。夜空の暗い場所では、流星群ではない流星(散在流星)も見られるチャンスがあるので、月だけでなく夜空を広く撮っておくことが様々なチャンスが生まれるかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
【Wish Upon a Star】Vol.1 小型・軽量・大口径・超広角ズームレンズ – THE MAP TIMES
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROは35mm判換算14-28mmをカバーし、ズーム全域F2.8を達成した、最高レベルの超広角ズームレンズです。広角レンズの層が薄いマイクロフォーサーズシステムの中では、ぜひ一度は使ってみたいと思わせるその描写性能と高い解像力をもつ光学性能には思わず圧倒されてしまいます。ゴーストやフレアを徹底的に排除しており、広角レンズ特有の撮影者の意図していない場所からの入射光に対しても、高いゴースト耐性を発揮します。レンズ重量は14mmスタートのF2.8通しレンズとしては破格の534gを実現しており、他社製の類似焦点距離のレンズと比較してもおよそ半分の重量となっております。大口径超広角レンズであるのに携帯性にも優れているとはもはや唯一無二かもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL 8mm F1.8 PRO Fisheye

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL 8mm F1.8 PRO Fisheye
【OLYMPUS】秋の夜長はOM-D? – THE MAP TIMES
35mm判換算16mm、対角線画角180°のフィッシュアイレンズ、M.ZUIKO DIGITAL 8mm F1.8 PRO Fisheyeです。大口径F1.8の魚眼レンズながら、中心から隅々まで優れた描写力を兼ね備えた光学性能は、日中の撮影はもちろん、夜景写真や星と景色を一緒に撮影する星景写真においても活躍するだけの性能を持っております。星景写真などでは敬遠されがちなコマ収差も抑えられており、画面周辺まで星を点像として写すことが可能です。まさに天体現象を撮影するレンズとしては非常に相性の良い組み合わせなのではないでしょうか。
さて、いかがでしたでしょうか。小型軽量と高性能を両立したマイクロフォーサーズマウント、M.ZUIKO DIGITALの数々のレンズ群。今回ご紹介したレンズは皆既月食の撮影だけでなく、日常やお出掛け先、または風景撮影やレースなどの本格的な撮影もこなせるレンズを挙げさせていただきました。昨今の情勢の中で暗いニュースも多く、なかなか以前のように上を向いていくことが難しいですが、数年に一度の天体現象。地球から最も近い天体である月の現象なので、光の多い都会でも自然豊かな田舎でもどこからでも見られます。ぜひこの時ばかりでも良いので空を見上げてみるのはいかがでしょうか。
望遠レンズ
高倍率ズームレンズ
標準~中望遠レンズ
広角レンズ