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【Voigtlander】惜しまれつつ姿を消した“あの”レンズがついにリニューアル登場!

【Voigtlander】惜しまれつつ姿を消した“あの”レンズがついにリニューアル登場!

APO-LANTHAR
Voigtlander (フォクトレンダー)史上、究極の性能を追求したレンズにつくその名称。

“NOKTON”がなめらかな大きなボケ味を楽しむレンズなら、“APO-LANTHAR”は圧倒的な描写力、解像力を楽しむレンズといったところでしょうか。

高い描写性能は昨今の高画素センサーにも引けを取らない写りから大人気となっていた『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical』。中でもニコンZマウント用の本レンズは「NOKTON」レンズと並んで非常に大好評でした。ところが惜しまれつつ姿を消すことに。
そのような『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical』ですが、今回なんと既存のニコンZマウント用のVoigtlander レンズと外装を合わせた形でリニューアルして復活することが決まりました。

高いレンズ性能はそのままにということなので、私の相棒として活躍する前モデル『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical(ニコンZ用)』を同じく相棒のNikon『Z9』で撮影してきた写真と共にその良さを語りたいと思います。

デジタルカメラからカメラを始めた私は専らオートフォーカス(AF)レンズばかりを使用しているのですが、本レンズと出会い、始めてマニュアルフォーカス(MF)レンズの楽しさに触れました。「撮っていて楽しい、それでいて描写も良い」。Nikon 『Z9』の高精細に慣れた目でもガツンと来るような印象でした。近年のカメラは高画素化が進みフルサイズでも2000万以上の画素数は当たり前、4000万ももはや珍しくありません。AFレンズを多用するのはもちろん機能としてAFを使うためもありますが、ボディの高画素化にマッチするのはやはり設計が新しいレンズ、ということで自然と最新のAFレンズばかりに手が伸びるというような感じでした。なので、必ずしも機能としてAFが絶対というわけではなかったのです。むしろ、カメラを扱っている感、自分の意志で制御する喜びみたいなものを思い出させてくれました。

「これ一本持って行けば大丈夫」と語ってくれる本レンズ。50mm前後が標準レンズと言われるだけのことはあるのかもしれません。Nikon Zシリーズのクリアなファインダーを通して見る世界は旅先で出会った雰囲気や空気感をそのまま届かせてくれます。そして、その先々で見た“残したい”という瞬間をピンポイントで切り取れるのが50mmの良いところだと思います。ピントリングもとても滑らかなので、ピントを合わせようと力まなくても自然と「ここに合わせたい」というポイントまで指先を導いてくれます。

各種の収差を徹底的に取り除くためにアポクロマート設計とし、解像力等の描写性能までも追求した本レンズ。厳しい環境下でもフレアやゴーストを最小限にとどめています。また、このような環境でもパープルフリンジ等も出ることがなく、現代の最高傑作だと個人的には思っております。また、NOKTONレンズに比べるとF値がやや暗めではありますが、それでも開放F2でこのボケ量です。十二分に被写体を背景から浮かび上がらせることも容易なため、撮影の幅が広がります。

鳥居の写真はF2、湖畔の写真はF5.6で撮影したもの。鳥居に関しては開放F値とは思えない程の解像力です。ぼわっと甘い、なんてことはなく写すところはくっきり写し、その前後は自然とボケているのが分かります。そしてF5.6になるとさらにその描写に磨きがかかります。手前の水面の波紋から奥の木々の枝葉の造形から立体感まで、その空間そのままを閉じ込めたようです。高くなりがちなコントラストは適度に抑えられ、違和感のない色彩となっています。加えてそれだけでなく、同じ色のない木々の緑のグラデーションから日陰になる部分の暗い箇所まで、のっぺりすることなくしっかりとデータに残せています。高画素のカメラに負けることなく、むしろその性能をさらに引き立ててくれているようです。

最短撮影距離は45cmと比較的寄れるため、テーブル上の美味しい食べ物も記憶とともに記録することも可能です。最短撮影距離でもピンの甘さ等も気にならないので近景から遠景まで幅広く活躍します。

F2.0

F8.0

収差はかなり抑えられておりますが、開放F値F2.0時の周辺減光はそれなりにあります。風景を撮ろうとF8.0まで絞り込めばその影響は感じられません。既出の湖畔の写真からも分かるようにF5.6ぐらいではもう気にならない程度でしょうか。光学的には周辺の光量落ちは良くないとされますが、使う側からすればそれがこのレンズの良いところ。自然と視線が中央に向くことはもちろん、それはどこかいわゆるマニュアルレンズの”オールド感”につながってくるようにも思えます。

本レンズはニコンZマウントを採用したミラーレスカメラのイメージセンサーに最適化。加えて、レンズマウント部に電子接点を搭載しているため、Exif情報、ボディ内手ブレ補正に加え、3種類のピント合わせサポート機能(フォーカスポイント枠色変化によるピント合わせ、ピーキングによるピント合わせ、拡大ボタンによるピント合わせ)を使用することが出来ます。もともと解像度の高いレンズなので、ニコンZシリーズの光学ファインダーさながらの自然なファインダーをもってしてはサポート機能を使わずのも楽々にピント合わせを行えますが、デジタルの恩恵を受けられるに超したことはありません。また、『Z9』や『Zf』に搭載された、拡大ボタンによるピント合わせからのシャッター半押しでの解除も相まって、マニュアルフォーカスレンズである本レンズを使うストレスは全く無くなりました。

レンズ性能はそのままに、フォクトレンダーの他ニコンZマウントレンズとデザインが統一された『APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical II』がまもなく登場いたします。トータルレンズシェイプの変更や絞りや深度目盛の色入れの変更、フォーカスローレットのデザイン変更等、『Z9』や『Z6/7シリーズ』だけでなく、『Zf』にもよりマッチするデザインとなります。

ぜひ、標準レンズにお悩みの方は1度この世界を覗いてみるのはいかがでしょうか。最新のカメラにもマッチする圧倒的な描写性能とマニュアルフォーカスレンズらしいどこかノスタルジックさを感じさせてくれる本レンズは使うと虜になること間違いなしです。

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[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander Nikon | 掲載日時:24年11月11日 12時00分 ]

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