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【Voigtlander】VMレンズと歩く~COLOR-SKOPAR 50mm F2.2 VM~

【Voigtlander】VMレンズと歩く~COLOR-SKOPAR 50mm F2.2 VM~

VoigtlanderのVMレンズとライカで歩くこの企画。
今回は軽量コンパクトな50mmとして稀有な存在になるCOLOR-SKOPAR 50mm F2.2。
この「COLOR-SKOPAR」という名を冠したレンズの歴史は遡ると非常に長い伝統が垣間見え、
当時は3群4枚のテッサータイプの構成でした。オリジナルの設計はアルブレヒト・ウィルヘルム・トロニエ。
現在のvoigtlanderレンズに冠しているNoktonやAPO-LANTHAR、ULTRON等も元々は
このトロニエが設計したレンズの名前から由来しています。

では、今回のCOLOR-SKOPAR 50mm F2.2はどうなのかというと別物です。
メーカー動画にもある通り、このレンズはコンパクトに設計できるゾナータイプをベースに
構成枚数の少ないガウスタイプを取り入れたもの。本レンズは6群7枚。
異常部分分散ガラスは赤い部分に3枚使われており、設計としてはかなり現代的なレンズです。
何故この名前が付けられたのか?恐らく先述通り、小さな標準レンズとして
生み出された事から来ているのかもしれません。

本家COLOR-SKOPARはテッサー型をベースにしており、写りはシャープでスッキリしたものです。
しかし本レンズは開放で撮影するとシチューションによって非常に大きな周辺減光が発生します。
ここまで大きく落ちるレンズも珍しいものです。減光部分の階調はVMレンズならでは。
voigtlanderレンズを使用していると御馴染みの階調表現。

近接撮影は0.5mまで。勿論距離計非連動です。
開放で撮影してみましたが少し柔らかめ。しかし陰影に関してはメリハリのある画です。
今回もM11-Pで撮影を行いましたが、画素数の高さも相まって近接域のピント合わせは
F2.2とはいえ想像以上にシビア。息を止めて撮影していると蚊が…

大きな周辺減光はシチュエーションによっては発生しない事も。
中央に明るいものがあると大きく落ちる傾向に見られます。
無論この効果を用いると「撮った対象に視線を誘導する」意図を生み出す事も。
特にモノクロプリントでは四隅を焼き込んで同様の効果を行う人も居ます。
COLOR-SKOPAR 50mm F2.2はカラーだけでなく、モノクロで撮影しても
大きな効果を生み出してくれるでしょう。

レンズを使っていて気になったのは、この光量落ちを活かして光を掬ってみたらどうなるか?
山奥に足を踏み入れて検証してみました。
特に中央に光を入れて撮影すると先述した意図が大きく押し出されます。

このように極端な明暗差はカメラの露出も難しい場所。
使っていると気のせいかこのレンズ、ライカのズミクロンM50mm F2を少し想起させます。
レンズはコンパクトで軽量ながら、画としてはややシリアスな写りです。
実は本レンズも球面構成でボケにも球面レンズ特有のクセがやや見られます。

解像力、というよりは立体感で見せる画作り。個人的には使っていてそのように感じます。
しかしAPO-LANTHARやNokton vintage Lineと比べるとそこまでシャープ過ぎず、
振り切ったHeliar Classicともまた違う写り方。50mmという焦点距離を多数存在するVMレンズは
その1つ1つに個性が振り分けられているのも驚くべき部分。

遠景は撮影してみた限りあまり得意ではなさそうです。
解像感は薄く、遠くの風景を緻密に撮影するというよりはスナップショットの距離感で
撮影するのが得意なレンズにも見えます。しかし不思議なもので見ていると
独特の立体感でなんだか見ていて気持ちの良い写りもまた魅力。
画像で見るよりはプリントして離れて見ると丁度良い様にも見えます。

一見最新のレンズに見えるものの、方向性としては若干ながらオールド寄りという印象。
しかしNokton ClassicやHeliar Classicとはまた別の方向性にも感じられます。
何よりも鏡胴の小ささと軽量さは持ち歩く時間の長い方にも大きなアドバンテージです。
実は以前にスクリューマウントでCOLOR-SKOPAR 50mm F2.5というレンズが発売されています。
こちらも同じく6群7枚。しかし構成はまた別の物です。

ブラックモデルを装着するとこのようなイメージ。
シンプルなデザインの鏡胴は現在のライカMデジタルとも相性も良くモダンな印象を受けます。
Voigtlanderのレンズはクラシックなデザインが多い中、このレンズだけは現代的です。

「小さくて薄い50mmはありませんか?」というお問い合わせを度々頂く事があります。
40mmや45mm等は昔からパンケーキレンズは様々発売されています。但し50mmともなるとなかなか現代では
軽量でコンパクトなモデルを探すとなると非常に限られてきます。その中で生まれたCOLOR-SKOPAR 50mm F2.2 VMは新品で
その要望に応えてくれる頼もしい1本。流石にパンケーキ…とまでは言えずとも小型ながらしっかり写す説得力は
サイズ以上のものです。1本あれば何かと助かる、このCOLOR-SKOPAR50mm F2.2で気ままに撮影してみましょう!



[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander etc. Leica | 掲載日時:24年09月28日 19時00分 ]

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