世界最古の光学メーカーVoigtlanderと、デジタル一眼カメラの最先端を走り続けるSONY。このブログでは、ソニー Eマウント用フォクトレンダーレンズをひとつずつご紹介していきます。
今回はVoigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical とともに平日の上野へ。
開放F1.5以上のレンズに付けられるNOKTONの名称、「もう少し狭く」「もう少し広く」を叶える40mmという焦点距離を持ったマニュアルフォーカスレンズです。
このレンズを使うのはこの日が初めてでしたが、石段の質感をしっかりと拾いながらも全体的にやわらかな印象を持つ描写にさっそく胸が高鳴ります。
上野公園中央に建つ小松宮彰仁親王像。と言っても小松宮彰仁親王のお顔は見えない構図になってしまいました。
開放F1.2での撮影だと、柔らかくぼんやりとした線で像を描写します。雲一つない青空に周辺減光もまた、味のある写りです。
空を見上げるも良し、手元を取るも良し、屈んで足元を見てみるも良し。
まさにスナップ撮影に持って来いのこの1本は、紅葉の景色ひとつをとっても40mmという焦点距離の汎用性の高さを感じられます。
3つの写真は全てF2での撮影、少し絞ると途端にキリっと表情を変えます。
光芒の周りをぐるりと円を描くように散る複数のゴースト。オールドレンズライクな写りが好まれる本レンズらしい1枚です。
夕方頃、こんな時期に、と目を疑いましたが”フユザクラ”という総称で実際に10月から1月にかけて咲く桜があるそうです。寒い季節に咲く桜は春に見るのものとまた違った印象を受けます。
薄いピント面に全体的にしっとりとなめらかなボケが、冬特有の空気を表してくれているようです。
喫茶店で一息。
緑とブルーのクリームソーダに赤のさくらんぼで、目が楽しい。
片手に収まるサイズ感のコンパクトな本レンズは最長59.3mm重量420g、最短撮影距離35cmと短いためテーブル上での撮影もこなします。
中央からずれるとすぐに歪むレモン型の玉ボケ。
F1.2という明るさはノイズの出やすいα7Rシリーズのような高画素機での夜の撮影も苦ではありません。この1本で1日中どんなシチュエーションにも寄り添ってくれます。
いかがだったでしょうか。
NOKTON 40mm F1.2 Asphericalにはデクリック機能を排除しスチル撮影に特化した、SEモデルもございます。
ソニーEマウント用レンズとしてはまだ種類豊富と言えない40mmという数字、まさに今”熱い”焦点距離です。
その場の空気を雰囲気たっぷりに捉えてくれるような魅了を持つ本レンズ、スナップ撮影のお供にぜひお試しください。