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【Wish Upon a Star】星空を見てみよう!!~撮影編~

さて、まもなく極大を迎える「ふたご座流星群」

三大流星群のひとつで、空の暗い場所で観察すれば、最大で1時間あたり55個前後の流星が見られると予想されています。

ピークは12月14日10時頃のため、
観測は12月13日21時頃~14日日の出(日本時)、
あるいは12月14日21時頃~15日日の出(日本時)
のどちらかが一番期待を持てます。

今年は新月期と重なったため、月の影響を受けずに観測することができます。

とはいえピーク前でも12月4日頃から活動期に入っているので、
目にできる機会は多いかもしれません。


以前より「星空を見てみよう」と題して紹介してきた本シリーズですが、今作では実際の撮影設定などをご紹介していきます。
あくまで一例ですので、ご参考にしていただけると幸いです。

星空を見てみよう!!~下準備編~

星空を見てみよう!!~準備編~

絞り:F2.8 / シャッタースピード:15秒 / ISO:5000 / 焦点距離:15mm
使用機材:Nikon D750 + TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

それでは撮る上で欠かせない露出の設定からお送りします。

まずは、キモとなるシャッタースピードから。

突然ですが、”500ルール” というものをご存知でしょうか。

星空を撮ろうと長時間露光をすると、星が点ではなく線のように写ってしまいます。
地球が自転しているため、このような現象になってしまいます。

絞り:F8 / シャッタースピード:240秒 / ISO:1600 / 焦点距離:50mm
使用機材:Nikon D750 + AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

そこで登場するのが”500ルール”。
星を点で写すためシャッタースピードの目安になります。
計算式は以下の通りです。

例えばフルサイズセンサーカメラで14mmのレンズをお使いであれば、「500/14」となり、約35秒までなら星を点で写せるという目安になります。
同様に50mmのレンズであれば、10秒となります。

APS-Cセンサーカメラの場合は、35mm換算がメーカーによりますが、×1.5倍~1.6倍なのでそれを当てはめます。
18mmのレンズであれば、35mm換算は27mmとなります(1.5倍で計算)。
そのため、500/27となり、約18秒となるのです。

マイクロフォーサーズの35mm換算は、×2倍になりますので、同じく掛け合わせた数値を計算式に当てはめて、秒数を出します。

“500ルール”で割出した秒数は、厳密には星を見る方角や角度によって、星の回転角が異なってきますので、あくまで目安です。
また、人によって許容範囲が異なってきます。
200や300で計算されてる方もいるので、ご自身の許容範囲を見つけてみてください。

また、これらは赤道儀を用いることで上限以上の露光時間を確保することもできます。

絞り:F8 / シャッタースピード:180秒 / ISO:1250 / 焦点距離:50mm
使用機材:Nikon D750 + AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
ポータブル赤道儀、ソフトフィルター使用

続いて絞りF値

シャッタースピードは割り出せてもあくまで上限値。
夜空は真っ暗なため、極力光を多く取り込みたいので、絞りは開放F値で撮影するのがオススメです。
レンズによって絞り開放では周辺画質が乱れたり、周辺光量が落ちてしまったりする場合は、一段絞って撮影すると改善される場合が多いです。

ここまでのまとめ。

シャッタースピードは星を点像に写すためには上限がある。
F値(絞り)はなるべく光を多く取り込みたいので、開放F値近くを使用。
ということは、明るさを補うためにはISO感度で調整する必要があります。

では、ISO感度の適正はというと、適切な感度は月明かりや光害の度合い、使用しているレンズなど、撮影する環境やその日のコンディションよって大きく変わるため、一概には決められません。

ISO感度をあげすぎるとノイズが発生してしまうため、まずはシャッタースピード、F値を大まかに決めて撮影し、得たい露出まで徐々に感度を上げていくのがオススメです。

しかし一方で流星を捉えたいといったことになってくると少し話は変わってきます。
地上の景色等はシャッタースピードを遅くすることで、取り込む光が増えるので明るくなります。
ところが一瞬しか光らない流星は、たとえ1秒でも30秒でもシャッター幕が下りている間に流れたとしても、明るさは変わりません。
そのため光を増幅させるISO感度を上げてあげることでより捉えやすくなるのです。
そのため、高感度に強いカメラが一般的に撮影に向いているといえます。

 

ピント合わせです。

ミラーレスカメラの登場でファインダーがEVFとなり、ファインダーを覗いたまま星空にピントを合わせられるようになったり、OLYMPUSのカメラでは「星空AF」機能が搭載されるようになりました。
しかし、まだまだレフ機ユーザーの方も多いはず。
そこで私なりのピント調節方法をご紹介します。

初めにレンズのピントリングを無限遠側に回します。
多くのレンズは無限遠のマーク∞があり、合わせられるかと思いますが、厳密には外れています。
そこで微調整をしてあげます。

まず、ライブビューモードにして星空を写します。
そして拡大機能を使って、目立つ星に拡大します。

下記の写真はピントがあっていない時。

ここからピントリングをさらに回していくと星の光が1度小さくなってまた大きくなっていくはずです。
この時の1番小さい時が無限遠となります。
ゆっくり回していって、星の光が1番小さくなる時に合わせましょう。

 

設定が終わったら、次は撮影です。
星を点像として写すためにはわずかなブレも厳禁です。
シャッターボタンを押し込む歪みで三脚がぶれ、その振動がカメラに戻ってきて僅かにぶれてしまう。
それらを回避するためにレリーズ(リモートコントローラー)を使用しましょう。
レリーズを使うことで直接カメラを触ることが無くなるため、ブレの要因を減らせます。

タイムラプスやスタートレイル撮影用の素材として撮影する場合には、なるべく間隔を空けずに撮影したいもの。
そういった場合は、カメラ本体のドライブ設定を連続撮影モードにして、レリーズのシャッターボタンを押しっぱなしにします。
そうすることで一枚撮り終わった瞬間に次の露光を始めるので、繋ぎ合わせた時に違和感をなくすことができます。

上記の写真のようにレリーズにはロック機構が付いたものも存在するので是非ご検討ください。

もし、レリーズを持ってないという方はカメラ本体のタイマー設定を利用しましょう。
直接カメラのシャッターボタンを押すことになりますが、間隔を設けることで振動が収まった後にシャッターを切ることができます。

またはカメラにWiFiが搭載していれば、スマートフォンのアプリからシャッターを切るのもいいかもしれません。
(ただし、夜間の気温が低い中でWiFiを繋いだままですとバッテリーはみるみる減っていきます。)

 

ここまでお送りしましたが、星空観測は何より天候とが場所が鍵となります。
どんなに良い機材を揃えようとも曇ってしまっては星は見られません。
また街の明るさや月の明るさがあるとそれだけで見られる星の数も減ってしまいます。

絞り:F3.2 / シャッタースピード:15秒 / ISO:6400 / 焦点距離:15mm
使用機材:Nikon D750 + TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

流星の撮影になるとなかなか思った場所、構図のところに流れてはくれません。
これはもう運になってしまいますので、気長に待ちましょう。

最後に星空の観察は真っ暗闇の夜間に行います。
この時期の夜間はかなり冷え込みますので、くれぐれも暖かい格好で、安全にも気を配って観察しましょう。






撮影に使用した機材はこちら



[ Category:Canon etc. Nikon | 掲載日時:20年12月09日 20時20分 ]

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