Heliar(ヘリアー)とは、Voigtlander (フォクトレンダー)のレンズの名称で、トリプレット型のレンズ構成をより発展させ、前後を貼り合わせた3群5枚レンズにつけられていました。
最初に断っておかねばなりませんが、このレンズはヘリアーのさらに発展形である3群6枚構成です。
純粋なヘリアーをお求めの方はこちらのVoigtlander HELIAR 50mm F3.5 Vintage LineVM をご検討ください。
今回はそんなヘリアー兄弟の末っ子である、Voigtlander HELIAR Classic 50mm F1.5 VMと紅葉散歩をしてきました。
1枚目はバブルボケ。
祖先(トリプレット)の遺伝子をしっかりと引き継ぎながら、F1.5とは思えないほど口径食は少なくなっています。
ピントがきている紅葉はやわらかく描写され、前評判で聞いていた二線ボケもボカしきってしまえば気になりません。
開放では条件次第で非常にソフトな描写になります。
同社のAPO-LANTHAR(アポランター)とは対極の存在として作られたようですが、まさにそのコンセプト通りです。
ふわりと滲み、収差を残し、やさしく描写する。
そこにあるものを正しく写し撮ってくれるAPO-LANTHARも好きですが、こちらは個性があり、楽しみ甲斐があります。
上がF1.5開放、下がF4まで絞って撮ったものです。
この二枚でも十分に楽しさを分かっていただけるかと思いますが、ここから更に絞り込むことで現代レンズらしいキチっとした描写になり、解放と絞った状態の二面性を楽しめます。
今新品で買えるオールドレンズというキャッチコピーをどこかで聞きましたが、まさにその通りです。
少し絞って遠景を撮影、ボディがSONY α7RIIIという事もあり解像力が立体感を引き立てています。
今回は手持ちのSONYで撮影しましたが、この描写は間違いなくLeica M(Typ240)系の色味と絶妙にマッチするはず…。
次回はM(Typ240)につけてへりあーさんぽに出ようと思います。
苔の湿度感と滲みがマッチしています。
幹の硬さや落葉のカラッとした軽さをしっかり、その上から優しくコーティングしたような表現はこのレンズならではでしょう。
もちろん絞り込んでしまえば硬めの表現も思いのままです。
アウトフォーカス部にほんのりと残る収差が非常に味わい深いです。
今回はSONY α7RIIIにVoigtlander HELIAR Classic 50mm F1.5 VMをつけてへりあーさんぽにでました。
色味や写りはLeica M(Typ240)系に合わせたくなり、あえてフィルムで使い、どれくらい収差や滲みが出るのかを予想しながら撮影するのも楽しいレンズだと感じました。