
連載中の「カメラを愉しむ」vol.94は「わたしの想いをすべて叶えてくれる「フルサイズミラーレスカメラ」を見つけた話。」をご紹介いたします。
新しい年を迎え、関東地方でも気温が大幅にさがることで日中の撮影でも手が悴み手ブレが発生してしまうこともあるこの季節。過酷な環境においてもオールマイティに撮影を存分に愉しめる機材を探し、今回の機材をご紹介するに至りました。
まずボディは、各社フルサイズセンサー搭載機の中でも手が届きやすい価格帯で、動画も静止画もバランスよく高画素撮影を堪能できる『Panasonic LUMIX DC-S5』のボディをチョイス!
組み合わせる交換レンズは高級感のある「切削アルミニウム」を採用しながらも剛性感のある素晴らしいビルトクオリティと、質量約350gの軽さとコンパクトさを実現した『SIGMA Contemporary 50mm F2 DG(ライカSL/TL用)』。
筆者が実際に愛用して気に入った3つのポイントをぜひ作例を交えてご覧いただければと思います。

【1.フィルムライクな作品が手軽に撮影できる】
FUJIFILMの「グレイン・エフェクト」や、Nikon Zfの新ファームウェアVer.3.00から使えるようになった新機能「フィルムグレイン」のような、デジタルカメラでもあの頃を思い出すフィルムで撮影したかのような粒状感や魅力的な色味を手軽に実現する機能が本機にも標準装備されています。

意外と知られておりませんが、フォトスタイルで「L.クラシックネオ」をセレクトすることで好みの粒状感調整も可能で実際に撮影した色味もご覧の通り、フィルムで撮影した作品のように仕上がっています。

標準の設定では少しコントラスト低め、彩度が高めな印象でしたのでコントラストをプラス方向に調整、彩度はマイナス方向に調整をしています。
とある神社の初詣の様子ですが、このような日本の風景を感じさせる風景ではとても親和性の高いフォトスタイルではないでしょうか。


照明が控えめで暖色の雰囲気あるカフェで撮影した2枚の写真。今回装着しているSIGMAの標準単焦点レンズは、「Panasonic LUMIX S 50mm F1.8」と比べると開放からシャープネスが強い印象で、このような薄暗いシーンではそのシャープさと粒状感が相まって暖かさと店内装飾の質感までもが伝わってくるのがとても印象的です。

フードを装着せずに撮影をしておりますが、非常に逆光性能にも長けたレンズで、木の枝の質感や冬の日差しの暖かさがしっかりと伝わってくる1枚になりました。
色味も大きく調整はしておりませんが、実に自然で馴染みやすい印象。他メーカーのフィルム風エフェクトでは「少し過剰な演出」と感じることもありますが、Panasonicらしく実に自然でスッとシーンを選ばず馴染んでくれるのがとても嬉しいです。

【2.シーンを選ばず自然な発色で自分の好きを表現できる】
どのようなシーンでもノイズが少なくクリアで高画質な再現が可能な「24.2MフルサイズCMOSセンサー×ヴィーナスエンジン」を搭載した本機。以前から「LUMIXの色再現は自然でどんなシーンでもマッチする」と愛好家の方から耳にすることが多くありました。
Leicaに通ずるその作られすぎない、自然な色再現は派手すぎず地味すぎず。あるがままの光景を誇張せず、目で見たままに美しくその光景をどのようなシーンでも表現してくれる印象を受けました。それは「フォトスタイル」の秀逸さだけでなく、「ホワイトバランス」の精度の高さと相まって作品に活かされるものであると感じます。
雪が舞う山地で撮影した作例ですが、このようなシーンではホワイトバランスが転びやすく、理想の雰囲気を再現するには微調整が必要だったりしますが、本機は全てAUTOで理想通りの表現をしてくれたことに正直驚きが隠せません。

これはとあるアトリエでの1枚。インクのガラス瓶にピントを合わせ、前ボケと後ボケのレンズ特性を知りたく撮影しました。シャープで立体感のある描写をするレンズではボケが煩くなってしまうことも多いですが、いかがでしょうか。
手前のハケのボケ方、背景の額のシルエットは描きつつ、煩さがまったくと言って良いほど感じさせない仕上がりだと思います。

夕暮れ時に山中湖越しに富士山を撮影した1枚。このようなシーンでは水面の映り込みでレンズの特性がわかりやすいものですが、本機とSIGMAレンズの相性はとても良好で、水面の風浪に映り込む富士山は奥行きを感じさせてくれました。

広島で人気のコーヒー店でカフェラテをテイクアウトしました。カフェの店内でテーブルスナップとなればどのような機材でも集中して撮影が可能です。しかしながら片手にコーヒー、片手にカメラを持ち撮影をするとなると接写性能とオートフォーカスの精度、撮って出しで雰囲気ある写真が撮影できるかが重要です。
「最短撮影距離 45cm」の本レンズは、標準レンズで少々長めな印象こそあるものの、このような使い方でも扱いやすさ抜群です。背景にコーヒー店のショーウィンドゥと店内照明をボカして配置、暖色系で撮影したいと思っていたところシャッターボタンを押すだけで理想通りの1枚を撮影することができました。

【3.夜の撮影でも手持ちで自由自在な撮影できる】
筆者は夜間のストリートスナップ写真や夜景撮影をすることが多いものの、荷物を増やしたくないため他メーカーのカメラを使う時は「F1.4よりも明るいレンズ」をチョイスするようにしています。しかしながらフルサイズ規格のレンズとなるとこのような条件に適合するレンズは高額であり、重量とサイズも大きく重くなってしまうもの。
本機にはボディ内手ブレ補正機構(B.I.S.)が搭載されており、「高精度ジャイロセンサー」の信号に加えて、「撮像センサー」「加速度センサー」から得られる情報をもとに、手ブレ情報を補正するアルゴリズムを開発し搭載。シャッター速度 5.0段分の手ブレ補正性能を実現しているのです。

しっかりと地面に立ち、カメラを構えて手ブレをしないのはある意味当然と言えるかもしれません。しかしながら、こちらの1枚は歩きながらふと足を止め、片手でオシャレなバルの外壁にピントを合わせて通行人を流すようスローシャッターで撮影しました。なるほど、これは作品の幅が広がりそうな予感です。


以前は純正レンズである「Panasonic LUMIX S 50mm F1.8」を愛用していましたが、開放ではボケが大きくポートレート撮影などにはとてもマッチしている反面、輪郭をしっかり捉えたいシーンなどでは立体感に物足りなさを覚えていました。
しかしながら今回使用している『SIGMA Contemporary 50mm F2 DG(ライカSL/TL用)』では、開放から引き締まったとてもシャープな表現をしてくれるため、このような建築物や繊細な被写体の質感を表現するにはとてもマッチしているのではないでしょうか。

最後にマンションのウィンドゥ越しに撮影したレインボーブリッジ。
映り込みを防ぐようにウィンドゥにレンズ先端をピッタリとつけて、レンズの周りを左手で覆い、右手でカメラを構えてシャッターを切りました。レインボーブリッジを照らす首都高速の照明、行き交うクルマたち、そして背景にはタワーマンションがずらりと並ぶ幻想的な光景です。
本来であれば「三脚でしっかりと構えて、PLフィルターでウィンドゥの反射を抑えて・・・」などと手の込んだ撮影が必要なシーンではありますが、このような写真が手軽に撮影できるのは手荷物を少しでも少なくしたい海外旅行などにおいても活躍してくれる1台なのではないでしょうか。
マイクロフォーサーズLUMIXを愛用されている方のステップアップ機としてはもちろん、動画と静止画を1台のカメラで手軽に撮影したい方、作られた発色よりも目で見た光景、自然な色味であるがままを作品で再現したい方に自信を持ってお勧めしたい1台です。
また、今回使用している交換レンズ「SIGMA Contemporary 50mm F2 DG(ライカSL/TL用)」には同等スペックの製品として「SIGMA Contemporary 50mm F2 DG DN」というモデルが存在します。主な違いとして外観に刻印されているフォントがブラッシュアップされてより前者の方がよりオシャレな印象になっておりますが、光学性能に大きな違いはございませんのでデザインのお好みで選んでいただければと思います。
純正レンズとはひと味違うその写りをぜひご体感ください。
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