皆様、フィルムはお好きでしょうか。
筆者はフィルム写真を始めたとき、このフィルムはどんな写りをするのだろう、と雑誌やネット記事等いろんなものを読み漁りました。
好みのものを見つけては試写し、前回使ったものとここが違うと一喜一憂したり、大変楽しかった覚えがあります。
「銀塩写真列伝」ではそんなフィルムに焦点を当て、各フィルムの特徴などを作例とともに紹介し、フィルム選びの助けとなることを目指しています。
9月18日から休暇を利用すれば最大9連休というシルバーウィーク。
フィルム入門の方も、すでにお使いの方も遠出や旅行ができない中ではありますが、
ゆったりとフィルムカメラで撮影した気分に浸っていただければ幸いです。
※今回掲載している写真は緊急事態宣言下での撮影は避け、スタッフが過去に撮り溜めたものとなります。
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CONTAX T3
今回ご紹介するのはKOSMO FOTO MONO 100です。
こちらのフィルムはISO感度を読み取るDXコードが付いていないため、カメラ本体で設定が必要な場合もあります。
フィルムを入れた後、本体の設定感度を確認するのがおすすめです。
少し前にT-MAX100と同じタイミングで撮影を行いました。
第一印象としては粒状感が感じられ、コントラストは強め、明暗のはっきりした被写体に向いていると感じました。
パッケージが非常にかわいらしいこのフィルム、今回は外装についてもご紹介したいと思います。
裏面は宇宙を飛ぶロケットのようなものが描かれています。
COSMO FOTOらしく宇宙飛行士が描かれています。
パトローネも可愛らしく、飾りたくなります。
現像をお願いする際、パトローネの返却を伝えれば現像が上がった際に受け取ることができるお店もあります。
(お店によって異なりますのでご注意を。)
筆者は生産が終わってしまったフィルムやパッケージが可愛らしいフィルムなどを現像する際にはパトローネも記念にひとつ保管するようにしています。
CONTAX T3
さて、作例のご紹介に移ります。
このシリーズでモノクロフィルムを撮影する時はCONTAX T3の出番が多く、比較もしやすいのではと思いカメラはT3を選びました。
シャープなレンズがモノクロにぴったりです。
写真は団地の屋上などに設置されている給水タンクです。
都営団地が建ち始めた頃は給水塔を敷地内に設けたり、屋上のタンクに溜める「高置水槽方式」を使用していましたが、現在では地下にタンクを設ける「受水槽式給水」や直接給水を行う「直結給水方式」などが主流となり、この可愛らしいタンクは数を減らしています。
写真はよく見かける丸型のタイプです。
モノクロの雰囲気ともよく合います。
CONTAX T3
こちらは四角いタンク、建物の形にもマッチしています。
フィルムの描写はざらつきを感じさせる渋い写り。柔らかい描写のレンズと組み合わせても良さそうです。
CONTAX T3
奥に見えるのは駒沢給水塔です。
国道246号線駒沢付近から道を少しそれると現れるこちらの給水塔、江戸川乱歩の怪人二十面相のアジトのモデルにもなっています。
東京都水道局によると人口の増加につれて安全な飲料水の確保が必要となり、上水道布設事業が相次いだ大正10年に着工され、約3年をかけて完成したそうです。
建設された塔は西欧の中世風の趣きを持ち、今見ても非常に斬新で素敵なデザインです。
CONTAX T3
公開日にしか敷地内に立ち入ることができないため、立ち入り禁止の看板が掛けられています。
今回は遠くからとなってしまいましたが、いつかは公開日に合わせ訪れてみたいです。
写真では見切れてしまっていますが給水塔左側にはトラス構造の橋がかけられており、双子の様に瓜二つな給水塔がもう一基あります。
コントラストの高いモノクロフィルムのおかげでより重厚な雰囲気となったように感じます。
CONTAX T3
移動中ハトに遭遇、横にしてみると電線が五線譜、鳩が四分休符のようにも見えます。
黒つぶれしやすいフィルムであるため自分の表現力が試されているような感じがします。
CONTAX T3
夕景に映える松の木、空に手を伸ばすように生えています。
こちらもモノクロにぴったりです
CONTAX T3
散歩中に見つけた池の錦鯉、少し濁った緑色が鯉の輪郭をふんわりさせています。
のんびりと泳いでいました。
CONTAX T3
足つぼマットのような石だたみ、一つ一つのディティールもしっかり感じる事が出来ます。
ISO100でじっくり撮影するのが楽しいフィルムです。
CONTAX T3
少しアンダーにして反射した雲を撮影、締まりのある黒がきれいです。
CONTAX T3
KOSMO FOTO MONO 100は日常使いにもおすすめのモノクロフィルムでした。
Kodak T-MAXを使うか、FUJIFILMのACROS Ⅱを使うか、それともこのフィルムを使うか。
ISO100のモノクロフィルムはライバルが多いですがそのどちらとも違う荒々しくも高精細なフィルムです。
選択肢が広がるモノクロフィルム、ぜひお楽しみください。
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