「夏」撮りもどそう MONOCHROM編
創業祭特別企画 「夏」撮りもどそう MONOCHROM編。
私たちはその時見た光景を、記憶だけに留めず「写真」というカタチで残してきた。
時にはカラーで、時にはモノクロで。
しかし光景としての「写真」であれば当人の記憶に残っているものは当然カラーのものになるはずだ。
そこで今回は語り部としてスタッフにその時の記憶を綴って貰う事にした。
こうして記憶の部分も含めた光景を覗き見る事が出来るが、今回はモノクロであるためご覧になられた方のイメージで色付けをしながら写真を楽しんでいただけたらと思う。
私たちは「夏」を思い出すことが出来る。
写真でスタッフの「夏」を振り返ってみよう。
Nikon D850 + TAMRON SP 24-70mm F2.8 Di VC USD G2
この写真は、昨年の夏に北海道の三国峠にて撮影した一枚。
三国峠は北海道で最も高いところにある国道で上士幌から層雲峡温泉方面へ抜ける道。標高は1,139mにもなります。
広がる原生林と遠くに見える大雪山系の山々、そして原生林の谷に架かる巨大な橋、それらを眼下に見る光景はまさに絶景。
遠くまで続く緑を見渡しながら、のんびりとバイクを走らせました。
世情が落ち着いたら、またカメラを持って走りに行きたいです。
SONY α7RIII + TAMRON 35-150mm F2.8-4 Di VC OSD
今年はいつもの名所のいくつかが中止になってしまっているということ。
夏になれば当たり前に見えると思っていた、今を謳歌する黄色いひまわり。
今年もどこかで見かけることはあるかもしれないけれど
また来年、ひまわり畑で会いたいです。
RICOH GR
撮影したのは2015年の8月15日。違和感を覚えられた方もおられるはず。
実はこの時はまだ工事中の為、バスタ新宿やニュウマンはありませんでした。
この日の青空も、今日の青空も変わらずですが、新宿という街の進化の速さを感じさせます。
「既にもう見えない景色」を残した”記憶”のモノクローム。
何気ない写真ではありますが、お気に入りの1枚です。
SONY α7RII + Loxia 35mm F2
夏の日、赤く染まる夕焼けを撮影しに出かけた帰り道。
カメラをカバンにしまい、自転車に乗って帰ろうとしていたら、
暑そうにしている猫が路上に寝っ転がっていました。
暫くしゃがんで見つめていると、徐々に警戒心を無くしてくれた様子。
そのおかげで、のんびり過ごしている姿を撮影することが出来ました。
とても愛らしい姿に惚れ惚れしてしまい、ずっと見つめていたせいか、
たくさん虫に刺されてしまったことは苦い思い出です。
FUJIFILM X-Pro2 + XF50mm F2 R WR
夏といえば「お祭り」。この日は阿波踊りのお祭りが催されていました。
青や桃色に身を包んだ集団が練り歩き、時に力強く、時にしなやかに舞う踊り手と、演奏のぞめき囃子が祭りの熱気と共に押し寄せます。
子気味良くシャッターの切れるカメラでつい時間を忘れ撮影に没頭してしまった感覚を恋しく思います。
PENTAX K2 + SMC PENTAX-M 50mm F2.0/Kodak T-MAX P3200
お盆に実家に帰ると毎年恒例の小さな花火大会。
儚げな閃光が辺りをゆるりと照らします。
去年は高感度フィルムに挑戦しましたがスキャンに失敗してノイズがいっぱいに。
でもこれはこれで現行のデジタルカメラにはないちょっとした面白さがあっていいかなと。
LUMIX GX7mk2 + LUMIX G MACRO 30mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.
家が好きなインドア派の私にとって夏は少し苦手な季節。
暑い時期にはあまり積極的に出歩く事はなく、遠出の思い出がほとんど無いのです。
そんな私にとって忘れない夏の思い出がこの腕時計。
これは、夏生まれの私が社会人一年目の誕生日に当時付き合っていた妻がくれた贈り物です。
フォーマルで頑丈な時計でどこにでも使え、よく物を壊す私でも壊れないようにと考えてこれを選んでくれたのをこの時期、時計を見るたび、ふと思い出します。
時計のように、思い出を形として残せない物は写真で残しておけばその思い出は一生手元に残せます。
今年は妻と出会って十年目の夏。いつもの当たり前をいつかの特別に出来るように、これからもたくさんの写真を撮っていきたいです。
SONY α7II + Sonnar T* 55mm F1.8 ZA
言葉でのコミュニケーションが難しい海外では、人の仕草などに注目するようにしています。
そうするとふとした瞬間に、「言葉が通じなくとも人間として共通する感覚がやっぱりあるのだな」と感じることが出来るから。
また海外へ行ける日が待ち遠しいです。
この写真はモノクロですが、カラー写真のように色合いを感じながら撮影しました。
イメージしたのは夕暮れ間近の青とオレンジの混じる、トワイライトブルー。
優しい雰囲気が残せたと思います。
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どうだろう。少しでも「夏」を感じていただけただろうか?
スタッフが綴る記憶が写真に色を与えたのなら、「写真」というカタチで残された「夏」を伝えられただろう。
そしてこのMONOCHROM編を綴じる紐としたいと思う。
お読みいただき、ありがとうございました。