【マップカメラ情報】『マップタイムズ 週刊アスキー版 vol.3』の撮影後日談
-感謝なくして撮れないポートレート-
今回の「スナップ研究室」第2回は、あまり語ることがないような、しかしあるような、そんな複雑な気持ちでいる。
カール・ツァイス、プラナー。
これほどとは……(絶句)。
素敵なポートレートは、人物ありき、シチュエーションありき。
モデルになっていただいた糸久由佳里さん、休日のカフェを快く提供していただいたG*cafeさんには心から感謝します。
お二方の協力なしには今回の撮影はありませんでした。
そして、カールツァイス プラナー85mmF1.4。ボディはペンタックスLXです。
いまなお新しいフィルムカメラやレンズを開発、製造、販売し続けているコシナが、カール・ツァイスと提携し、この素晴らしいレンズをつくりました。その心意気や天晴。
もちろんマップタイムズ撮影班は、開放至上主義ですので、今回の撮影もF1.4開放でのぞみました。
暗いところでもよく撮れる明るい絞り値ですが、ピントが合う範囲が狭く、ピンボケすることがよくあります。
頼む、まつげにピン来てくれ、、と祈る思いでシャッターを切ったのですが、結果はセーフ。
これは、LXのファインダーが見やすく、ピントを合わせやすかったためだと思います。
描写に関しては、ご覧いただけば一目瞭然かと思います。
ここまで凄いとは思いませんでした。
光と色と質感がなぜこんなに心をざわめかせるのかと……。ツァイス&コシナに脱帽です。
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スナップ研究室第1回のライカレンズがやわらかさを追い求めたとしたら、今回のツァイスレンズは何を追究したのでしょう。美なのだと思います。もちろんライカも美しいのですが、美という捉えどころのない観念を定義しようとでもしているような、そんな文化的意気込みさえこのプラナーから感じてしまうのです。
個人的にはライカ最高!なのですが、認めざるをえない描写です。ツァイス&コシナ開発陣の心を感じてしまいます。
このレンズが美を追求した、という理由の1つは、ペンタックスマウントだからということがあります(同じ85mmプラナーがニコンマウントでも出ています)。なぜ、ニコンだけでなく、ペンタにも付けられるようにしたのか? 誰もが楽しんでほしいからじゃないか?
もちろんデジ一眼でも使えるのですが、中古のペンタックス一眼レフボディだったら、数万円出せば手に入ります。実家に眠っているお父さんのカメラでもOKかもしれません。ペンタやニコンの身近なカメラで、このレンズが楽しめるというのは、幅広く伝えたい思いがある証拠です。
その思いが「美しい写真を撮りたい人へ」という純粋な思いに感じられるのです。けっして、限られた特定の人だけではなく。
もちろん、レンズ自体は結構なお値段するのですが、ボディまでは無理しなくっていいよ、とそんなやさしさを感じてしまうのは、カメラについついお小遣いを費やしてしまいがちな筆者だけではないはず。
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話がすっかり長くなってしまったので、最後に一言だけ。
大事な写真をこれで撮りたい、と思えるレンズを持っていることは、幸せです。
そんなレンズとの出会いがありますように。
マップカメラのお店にいらしたら、スタッフ一同、あなたにぴったりのレンズがみつかるように精一杯のお手伝いをさせて頂きます。
(2008年9月吉日、東京・中野G*cafeで 撮影・文 白井明大)
◎今回、撮影班がお世話になった方々
糸久由佳里さん
http://ameblo.jp/yugari
G*cafeさん
http://www.gcafe.jp