【マップカメラ情報】『マップタイムズ 週刊アスキー版 vol.8』の撮影後日談
流し撮りって何だろう?
スポーツカーが静止して写っているのに、なぜか周りの風景が溶けて色とりどりの光のビームに変化している……そんな写真を見たことはないですか? 疾走する被写体をカメラとレンズが追いかけながら撮影すると、被写体だけが止まっているように写り、背景が流れていく。それが流し撮りという撮影方法です。
今回は、そんな流し撮りを、何度失敗してもめげずにトライしやすいデジタル一眼レフで挑戦してみました。今週3/24発売の週刊アスキーにも、雑誌広告として掲載しているので併せてご覧あれ。
手持ちでいいから、撮ってみよう
動く被写体にピントを合わせて、シャッターを切りながら、被写体の動きを追うようにカメラを動かす、と簡単に言ってしまえば、流し撮りとはそういうものです。三脚を使ってスピードのある被写体を本格的に撮るのもいいけれど、まずは楽しい気分を味わおう、というのが今回のテーマ。
ISO感度を低く、シャッタースピードを遅く設定したら、あとは気軽にシャッターを切ってみましょう。ちなみに筆者は、被写体も風景も流れ去っていく、、というか、ブレまくりのピンボケ写真を大量に生んでしまいました・・。
それでも時々、じぶんの中では上手く撮れたな、という一枚があったりします。たとえばこんなふうに。
しまいこんだ説明書を取り出してみる
いつもデジカメまかせで撮っている人は、説明書をひっくり返してみましょう。シャッターを切りながらカメラを動かすということは、シャッタースピードがある程度ゆっくりじゃないといけません。高速2000分の1秒でパシャッと撮ったら、動かす暇もありません。
今回は20分の1秒から40分の1秒くらいで撮ってみました。
まずは、お手持ちのデジイチのISO感度を低くしてください。それからシャッタースピードができるだけ遅くなるように露出設定をいじります。
あとは、歩いていたり、ブランコに乗っていたりするモデルの動きを、ほんの気持ち追いかけるだけ。時計の針で言ったら、秒針が1、2秒動くくらいの角度でクイッとカメラを動かしてやる。テレビや映画のカメラみたいに、ぐいいいーっと回していく必要はありません。本当に、クイッと気持ちだけ。光と躍動感あふれる一枚が撮れたりすると思います。
ちょっと贅沢なレンズをつけて
実は今回、Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDという、超広角ズームレンズを使用してみました。モデルを中心におさめながら、流れる背景をたっぷり写したかったから。そして憧れの的である「超広角ズームレンズ」を一度使ってみたかったからです。
撮影に使用してみると、標準キットのレンズとは、まったく違う世界を覗き見ることができました。広角サイドに自由度が高いということは、暴れ馬のたずなをきちんと握りながら、存分に駆け回ることができるようなものです。インパクトの強い広角画面を、じぶんで自在に操れるのです。気持ちいい、楽しい世界がそこから開けます。
ちなみに、ボディはニコンのD90を使用しました。きびきびとよく仕事をする、確かなレスポンスを感じ取れるデジタル一眼レフです。
さらにちなみに、各社超広角ズームレンズを列挙しておきます。次に手を出すなら,こんなアグレッシブな玉もありかと。
Canon EF16-35mm F2.8L II USM
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4
smc PENTAX DA*16-50mm F2.8ED AL[IF]SDM
SONY Vario-Sonnar T*16-35mm F2.8 ZA SSM
(郊外のうららかな春の公園で モデル/咲 撮影・文 白井明大)