【おいしいカメラ#006】フィルムコンパクトT2・T3【CONTAX】
今回はコンタックスのコンパクトフィルムカメラ『T2』と『T3』をご紹介します。
まずはT3の説明から。
T3が発売されたのは2001年のことです。
チタン外装を採用し、小さなボディながら高級感ある佇まい。
その小さなボディから吐き出される写真は実に素晴らしい。
随分前のカメラなのにいまでも人気が衰えないのは、そんなフィルム時代最後の高級コンパクトカメラだからでしょう。
時代がフィルムからデジタルに移行していくなか、最後まで粘ったTシリーズの最新作・T3。
最後ということは、それまでに培った技術が最大限に盛り込まれた名機であることを意味します。
これがいまでも人々を虜にしている理由です。
T3を語るうえで欠かせないのが、前モデルのT2です。
ツァイスレンズが特長のこのT2は、38mm F2.8。
T3もツァイスレンズではあるのですが構成が全く異なって、35mm F2.8と少し広角になっており、その描写性能に磨きがかかっています。
しかしながらT2の味のある描写の方が好みだという方もいるでしょう。
使用する上での大きな違いのひとつが、最短撮影距離。
T3は0.35mなのに対し、T2は0.7mでしたから、倍寄れるようになりました。
スナップを撮る上でバリエーションが広がります。
T2、T3を並べた写真を見て一目瞭然なのが、その大きさ。
T3はますます小さくなりました。
ダイヤルについては内容が全く異なります。
AF性能の向上、シャッタースピードの高速化など、T2からT3に代替わりすることで様々な点が改良されました。
携帯性に優れ、サッと取り出してサッと撮れるという、こういったカメラの本分については、T3に軍配があがるでしょう。
しかしながら、価格も含めた価値観となると、T2も十分大きな選択肢になってきます。
確かにT3は完璧です。
しかし現代にあえてフィルムカメラを使いたいという方にとって、価格がこなれ味のある写りのT2もまた魅力的なはずです。
どちらにしようか悩むのもカメラを趣味にする人にとっての楽しみのひとつかと思います。
存分に楽しんでください!