【スプリングバトル】ローパスフィルターありなし対決
レンズが持つシャープな描写力を最大限に引き出すとして「光学ローパスフィルターレス」仕様のカメラが注目されています。
実際に先日発売されたNikon D7100の画を見た時は、その細部まで描写する細かい解像力にとても驚きました。
しかし冷静に考えてみると、それがローパスフィルターレスの恩恵なのかそれとも高精細2400万画素の凄さなのか、判断に悩むところ。
そこで今回は、そのうやむやを解決すべくもう1台の2400万画素カメラD5200と同じ条件で撮り比べてみることにしました。題して
手にしたときはその小型軽量ボディから「本当に勝負になるのか?」とも思いましたが…
若干D5200の方が暗部でのコントラストが高く、よく解像しているように見えますが、透き通る空の青さなど画全体での透明感はD7100の方が高く感じます。
規則正しいタイル地からモアレの発生を期待しましたがまったく見られません。余裕のある解像力でモアレ問題は十分にカバーできるといった感じです。
逆に強い光により、屋上の鉄骨部分でD5200側にうっすらとにじみが見受けられます。
葉の裏に細かい棘のあるオオオニバス。D7100の方がその棘をよりとげとげしく描写しているのがわかります。
葉っぱ自体の凹凸も全体的なコントラストの差に対して強めに表現され、より立体感が出ているように見えます。
遠景では分かりづらくても、より質感が伝わるマクロ的な撮影時にその差が大きくなるようです。
最後はレンズを最新望遠ズームに交換しての撮影。両機とも解像力の高いレンズの描写力を落とすことなく細部までよく解像しています。
D5200の方が外壁に黄色味がかった感があるものの、階段の隙間に差し込む光はD7100の方が黄色味がかった様にも見受けられます。
色の好みはRaw現像等で如何様にもなりますが、黄砂がかった日に撮影した当時の撮影条件を思い起こしてみると、D7100の方が当時の情景に近かった様に感じました。
APS-Cサイズの2400万画素では、その画素ピッチの細かさからローパスフィルターレスでもモアレの影響の出にくくD7100の方が優位とおもっていましたが、圧倒的な解像力はローパスフィルターにより多少の解像感が失われても、肉眼では区別がつかないレベルに達しておりD5200の健闘ぶりが伺えました。
一方で差がはっきり出たのがクリアーな透明感です。自然な発色により空気感と呼ばれるものが明らかに違いました。
これにより拡大するとさほど分からない差でも、全体で見ると質感が明らかに違うのです。
ローパスフィルターレスは、よりクリアーになった画でコントラストとは少し異なる、細かな階調表現の差で勝りました。