【マップカメラ情報】【マップカメラ写真週間2012】未来へ残したい「未来ちゃん」
結婚5年目、子供はいない。
甥3人、姪1人。
外出先で子供とよく目が合うが、大抵は睨まれるか、
真顔になってしまうか。
原因は判っている。
こちらが笑わないからだ。
甥3人のうち、1人は2歳。
最近になって名前を呼んでくれるようになった。親の教育が行き届いている。
たまに会うと、慣れる迄に2時間は掛かる。
姪はまだ60㎝迄が限界で、それ以上近付くと泣かれてしまう。
あんたが泣かしたと周りから突っつかれ、こっちが泣きたい。
子供が好きか嫌いかと聞かれることがあるが、
正直、嫌いでもないが、好きでもない。
だけど、この写真集にはなんとなく惹かれ、購入してしまった。
といっても、初対面から購入迄に数ヶ月の時が掛かった。
見ず知らずの子供の写真に
お金を出すのかと、
ずいぶん悩んだ。
写真家 川島小鳥
1980年生まれ
第42回講談社出版文化賞
[写真賞]受賞
ナナロク社 刊行
『未来ちゃん』
写真集を開くと、そこには昭和を彷彿させる世界がある。
そしてまず、写真家の生まれ年を疑う。1980年?
新潟県の佐渡ヶ島に住む、友人の3歳の娘、この写真集のモデル
『未来ちゃん』を1年間撮り溜めたものだという。
なんとなく頷けた。
写真集を開くと、ある時は鼻風船を膨らましながら目一杯泣き、
またある時は怒ったような顔つきで食べている姿がある。
かわいい写真もあれば、鼻水でぐちゃぐちゃになって
不細工な顔をしている写真もある。
構えて撮られた様なものはそこにはなく、ごく自然な、
彼女のありのままの姿が写し出されている。
一歩下がってみると、ただそれだけかも知れないけれど、その何かに惹かれた。
雑誌『BRUTUS(マガジンハウス刊行)』の取材記事の中で、何故このような写真を撮ることが
出来たのかというような質問に対し、このように答えている。
『写真を撮ること自体がある意味わざとらしい行為。だから作り込まない。
子供に自分の人生に集中してもらうのが一番』
子供の写真を撮る時、カメラに向かって笑顔を作らせお決まりのポーズを撮らせる親が多いが、
『未来ちゃん』のようなその時々のありのままの姿の写真を残して行けたら、
いつか成長した時に見たら相当楽しいだろうなあと思う。
こんな写真を撮りたい。
そんな時が来るのかは疑問ですが…。
お坊さんの肩にも乗ってみたい。